ユニークだなあ!
これから観る予定の方は、ユニークだということだけ知っておけば、以下、読まないほうがいいです。
別に大きなネタばれをしているわけではありませんが、いろいろと知らないほうが、映画を観るときに新鮮で面白いわけですから。
いちばん初めに主人公が画面に映った状態からして不思議。
このドラマをどう捉(とら)えたらいいのか考えても仕方がないので、ありのままに見ていくことにする。
昔は「バードマン」のキャラクターで売れた映画俳優が、舞台の主演を務めようとしている。
このバードマンが、バットマンのようでもあり(発音自体が似ている)、主演のマイケル・キートンは、かつて映画でバットマンを演じていたわけだから、これは楽屋落ちのセルフ・パロディだ。
バードマンの話す「バットマンのような」重々しいセリフ回しを聞くと笑えてくる。
まず、マイケル・キートンありき、である。
タイトルが、カッコ書きが付いたり、「あるいは」なんて使ったりしているので、なにやらカッコつけた(シャレではない)、しかも小難しい映画なのかな?とも思ったが、それほどでもない。
ただ、原題のVIRTUEの意味を調べると、美点、長所、効能、美徳などとあるので、「奇跡」と訳すのは行き過ぎかと。
撮影が切れ目なく続いているように見えるのも、実験的、前衛的、遊び?で、カッコつけてるともいえるかもしれないが、出口(切れ目)のない人生というか、運命の輪のなかに人々は、もがいているんだ、なんてふうに思えなくもない。
全編に流れるドラムスの音(音楽?)と演奏者の登場も、実験的な匂いを盛り上げるし、緊迫感が出る。
ナオミ・ワッツさんが出演しているのを知らずに観ていて、え、出てるんだ!と、じつに驚いた。あるいは(無知がもたらす予期せぬ喜び)。
いちばんの私のお目当ては、エマ・ストーン嬢である。
あいかわらず、目、でっけぇー!(笑) かわいい。
ラストシーンは、なんと彼女にその命運がかかっていた! 重要。そして、満足した。
振り返って、この悲喜劇を、いろんなふうに考えることができる。
映像と脚本における奔放な発想、表現方法で、バードマンは、映画の世界は、自由に飛んでいるのかもしれない。