バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)
監督 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演 マイケル・キートン  エドワード・ノートン  エマ・ストーン  アンドレア・ライズブロー  エイミー・ライアン  ザック・ガリフィナーキス  ナオミ・ワッツ  リンゼイ・ダンカン
脚本 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ  ニコラス・ヒアコボーネ  アレクサンダー・ディネラリス・Jr  アルマンド・ボー
撮影 エマニュエル・ルベツキ
編集 ダグラス・クライズ  スティーヴン・ミリオン
音楽 アントニオ・サンチェス
2014年 アメリカ作品 120分
好き度☆☆☆☆


ユニークだなあ!

これから観る予定の方は、ユニークだということだけ知っておけば、以下、読まないほうがいいです。
別に大きなネタばれをしているわけではありませんが、いろいろと知らないほうが、映画を観るときに新鮮で面白いわけですから。

いちばん初めに主人公が画面に映った状態からして不思議
このドラマをどう捉(とら)えたらいいのか考えても仕方がないので、ありのままに見ていくことにする。

昔は「バードマン」のキャラクターで売れた映画俳優が、舞台の主演を務めようとしている。
このバードマンが、バットマンのようでもあり(発音自体が似ている)、主演のマイケル・キートンは、かつて映画でバットマンを演じていたわけだから、これは楽屋落ちのセルフ・パロディだ。
バードマンの話す「バットマンのような」重々しいセリフ回しを聞くと笑えてくる。
まず、マイケル・キートンありき、である。

タイトルが、カッコ書きが付いたり、「あるいは」なんて使ったりしているので、なにやらカッコつけた(シャレではない)、しかも小難しい映画なのかな?とも思ったが、それほどでもない。
ただ、原題のVIRTUEの意味を調べると、美点、長所、効能、美徳などとあるので、「奇跡」と訳すのは行き過ぎかと。

撮影が切れ目なく続いているように見えるのも、実験的、前衛的、遊び?で、カッコつけてるともいえるかもしれないが、出口(切れ目)のない人生というか、運命の輪のなかに人々は、もがいているんだ、なんてふうに思えなくもない。

全編に流れるドラムスの音(音楽?)と演奏者の登場も、実験的な匂いを盛り上げるし、緊迫感が出る。

ナオミ・ワッツさんが出演しているのを知らずに観ていて、え、出てるんだ!と、じつに驚いた。あるいは(無知がもたらす予期せぬ喜び)。
いちばんの私のお目当ては、エマ・ストーン嬢である。
あいかわらず、目、でっけぇー!(笑) かわいい。
ラストシーンは、なんと彼女にその命運がかかっていた! 重要。そして、満足した。
振り返って、この悲喜劇を、いろんなふうに考えることができる。

映像と脚本における奔放な発想、表現方法で、バードマンは、映画の世界は、自由に飛んでいるのかもしれない。




〔2015年4月11日(土) TOHOシネマズ ららぽーと富士見〕


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