主演のリリー・ジェームズさん、見ているうちに、グレース・ケリーさんのように思えてきた。
顔立ちが少し似ていることもあるし、何よりも、全体に漂う気品のようなものに心をひかれる。
まさに、シンデレラにふさわしいのではないか。
監督のケネス・ブラナーは、もともとシェークスピア俳優で、さまざまなジャンルの映画への出演や演出も手掛ける人。
これがまた、「シンデレラ」という、かなり正統派(?)のおとぎ話の監督にも、ぴったり向いていた!
そこへ持ってきて、継母役にケイト・ブランシェットさんでキメの「くさび」を打ち込んだようなもので、布石は盤石となる。
同時上映の「アナ雪」短編を9割がた楽しみにしていて、「シンデレラ」? そんな王道すぎるお話なんて今さら…と考えていた私が浅はかでした。
素晴らしかった。こんなに素晴らしいとは。
単純な私なので、エラ(シンデレラというのは「灰まみれのエラ」という意味)の母の「勇気と優しさ」という教えを聞いただけで感激してしまうのでした。
その後の、エラの境遇にも涙して、変身魔法や、ドレスの美しさに目をみはり…。
まんまと、ディズニーの、ケネス・ブラナーの、リリーさんの、ケイトさんの、その他大勢の術中に、はまりました。
吹替版で観たのだけれど、高畑充希さんの、雰囲気を壊さない素直な姿勢も良かった。
たぶん、リリーさんの演技を生かすことを優先して演技していただろうと思います。
けっこう過激な舞台「いやおうなしに」での熱演を観ていたあとの高畑さんなので、振り幅の大きさに、さすが女優だなと!
「アナ雪」短編も、また観たいので、今度は字幕版で観賞予定。