スター・ウォーズ/フォースの覚醒

STAR WARS:THE FORCE AWAKENS
監督 J・J・エイブラムス
出演 デイジー・リドリー  ジョン・ボイエガ  アダム・ドライバー  オスカー・アイザック  ハリソン・フォード  キャリー・フィッシャー  ピーター・メイヒュー  マーク・ハミル  ルピタ・ニョンゴ  アンディ・サーキス  ドーナル・グリーソン  グウェンドリン・クリスティー  アンソニー・ダニエルズ  ケニー・ベイカー  マックス・フォン・シドー
脚本 ローレンス・カスダン  J・J・エイブラムス  マイケル・アーント
撮影 ダニエル・ミンデル
編集 メアリー・ジョー・マーキー  メリアン・ブランドン
音楽 ジョン・ウィリアムズ
2015年 アメリカ作品 136分
好き度☆☆☆☆


「スター・ウォーズ」の明快な楽しさが帰ってきた。

1977年の1作目(エピソード4)を思わせるシーンが時々ある。
当然、昔からのファンへは懐かしさを感じさせる意図があるだろう。
旧作を知らない観客であっても、ストーリーを追うのに、それほど問題はないと思える。
ジェダイって何? フォースって? と説明はしていないけれど、なんとなく想像はできる。それはヒロインのレイ(デイジー・リドリー)と同じ立場で。

なんといっても、「スター・ウォーズ」の世界を再び、つくりあげて目の前で大きなスクリーンのなかで見せてくれたこと。それが、いちばん。
「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」から、32年も経って、そのときと同じ俳優が、きちんと出演してくれているのは、すごい。
新しい世代の活躍も、しっかりと前面に出ている。

何か、ものすごく新しいことをやったわけではないが、「スター・ウォーズ」は、これでいいではないか。
あと2作、どんなことになっていくのか、早く見たいものだ。思いっきり、(続く)で終わったし!(…「続く」という字幕が出ているわけではないよ!) 
次作は、2017年5月26日、アメリカ公開。

観ていて、旧作へのオマージュなども含めて、脚本がうまいなあと、しばしば思った。(それは下記で箇条書きにもしてみる。)

デイジー・リドリーさんは、かわいいし、芯がある強さも感じられて、新ヒロインにふさわしい。
新ドロイドのBB-8は、シンプルながら、アイデアものの動き方! 声と動きで感情まで伝わってきて、時々笑わされました。
本作の監督J・J・エイブラムスの作品に「SUPER 8/スーパーエイト」があるが、そこから「8」の名前はついたのではなかろうか? しかも、J・Jに対して、BBだ!

以下、箇条書きで。これを書いている時点で、すでに3回観ているから、思い出しやすいので、調子に乗って、ずらずら並べてみる。たぶん、ファンでない方は、長いから途中で読むのをやめると思う(苦笑)。
これから映画を観ようという方には、以下を読むのはおすすめしない。
内容を知ったら、つまらないから! つまらないでしょ?

◇オープニングは、これまでの形を踏襲。音楽も。つかみは、そうこなくっちゃ「スター・ウォーズ」じゃない。一気に高揚。
◇マックス・フォン・シドー登場。「エピソード4」(以下「4」と略す)のアレック・ギネスのような、重鎮がどっしり、の雰囲気が。
◇レジスタンスで一番のパイロットの名前がポー(オスカー・アイザック)。え? ボー? 私ですか? と思ったけど、「ポー」でした。でも、名字がダメロンって。(もちろん、英語では「ダメ」って意味じゃないけどね。)
◇ストームトルーパー(敵集団ファースト・オーダーの歩兵)は、みんな見かけが同じなので、フィン(ジョン・ボイエガ)のヘルメットに血をつけて、すぐに区別できるようにしたのは、うまい。
◇カイロ・レン(アダム・ドライバー)、白いストームトルーパーを従えて、黒ずくめで登場。「4」のダース・ベイダーみたい。(レンはベイダーにあこがれているのだから納得できる。)
◇レイとかフィンとかカイロ・レンとか、ガンダムっぽい名前じゃありません?(ガンダム見ていないけど。) 今度も日本の影響あるんじゃない?
◇レン、ブラスター(銃)から発射されたビームを、フォースの力で空中停止させる! 光線の流れが前後にユラユラしている描写がすごい。ああ、こうなるのね、と。
◇フィンは人殺しは嫌だと考えるが、最初の戦闘が生まれ故郷で、というのだから、嫌なのは、なおさら納得できる。
◇ストームトルーパーはクローンのはずなのに、なんで人間が? と過去作(「エピソード2」かな?)を見ていたら疑問に思うことに、ちゃんと答えている。ファースト・オーダーは、人間も教育して兵隊にしているんだね。
◇レン、ブラスターを撃たないフィンのことをしっかり見ている! さすが、なにかを感じるんだねえ!
◇ファズマ(グウェンドリン・クリスティー)は、フィンが撃たなかったのはブラスターの故障のせいだと考えている。兵隊の教育をされていれば自分の意思で撃たないなんてありえないと思っているんだね。
◇BB-8が逃げるのを砂の中から顔を出して目撃するのは、バッド・ロボット(エンディングにも出るけど、製作会社のロゴのロボット)かもしれないなと。お遊びで。根拠なし。
◇水(?)のなかに粉をちょっと入れて熱する(?)と、ぷくーっとふくらむパンみたいなの、食べてみたい。
◇訓練していなくても、レイがファイトに強かったり、操縦能力があったりするのは、もともと秘めた力をもっていると考えれば納得できる。
◇レイを助けようとするフィン。でも、レイは自分で身を守り、フィンは逆にレイに追いかけられる。(笑)
◇爆風でふっ飛ばされたフィンを心配して彼のそばへ行ったレイ。気がついたフィンが「だいじょうぶか?」と言う。それはこっちのセリフよ、と言いたげなレイ。(笑)
◇つまり、このあたりからはじまって、BB-8をからめて、3人(?)で笑わせてくれるシーンがけっこうある。
◇乗って逃げようとした一機が破壊されて、しょうがないので、レイいわく、「おんぼろ」な艦(ふね)に乗り込む。それがなんと、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)とチューバッカの愛機ミレニアム・ファルコンだ!(笑&感激)
◇おれはレジスタンスじゃない、とフィンに聞かされたときの、BB-8の後ずさりがカワイイ。ライターをつける(?)シーンも(笑)
◇ハン・ソロとチューイ(=チューバッカ)の登場は、もちろん感無量。予告編で、さんざん見ているが。
◇ハン・ソロを有名な密輸業者として認識しているレイ。(笑)
◇シリーズお約束のセリフ「嫌な予感がする」は、ハン・ソロが言う。宇宙船のなかで、怪物が放たれたときですね。
◇いろんな星の住人がたむろする、演奏付きの酒場のシーンは「4」にもあったなー。
◇酒場の主人マズ・カナタ(ルピタ・ニョンゴ)、見かけも、洞察力が鋭そうなところもヨーダを思わせる。彼女はジェダイじゃないけどね。
◇ルーク(マーク・ハミル)のライトセーバーに引かれる○○。
◇ポーの連続撃墜、攻撃をカメラが追う。「すげえパイロット!」私も言っちゃうよ。さすが、ボー。ちがうか、ポー。
◇銃を投げ捨て、腕を剣みたいにしてフィンに挑むストームトルーパー。フィンの知り合いか、「裏切者」に、かわいさ余って憎さ100倍?(ちょっと違うか。)
◇レイの心の中を読もうとするレン。しかし逆に心を読まれてしまう。自分の力に気づきはじめたレイ。
◇レイア(キャリー・フィッシャー)、あの子がいたら連れて帰って、なんてことをハン・ソロに言うから! あんなことになる、ひとつの布石。
◇遠くに落ちているルークのライトセーバーをフォースの力で引き寄せようとするレン。セーバーが飛んだ!と思ったら、レンの前を飛び越えてセーバーはレイの手に! ついに! かっこいい! やった! 鳥肌もの。(レン、けがをしていて大変だろうけど、自分で取りにいけばよかったか。…それでもレイに先に取られるんだろうな。)
◇一騎打ち! まだ未熟な者どうしの剣戟(けんげき)の感じがあっていい。
◇ふたりの間を地割れが。一騎打ち強制終了。こういうのは「都合がいい話」とはいわずに「そういう運命に何かがさせたのだ」なのである!
◇敵がデス・スターみたいな基地をつくっているのは、あいかわらずで「4」っぽい。
◇その敵基地のシールドを排除し、最後には一点に向かって戦闘機群が突入していく作戦も「4」を踏襲。
◇帰還したレイは、レイアと抱き合う。言葉は要らないよ。それでいい。
◇ずっと動かなかったR2-D2が、ルークを見つけたといって起動。きっとルークがR2-D2を呼んだのだろう。
◇レイア、「フォースとともにあれ」とレイに。
◇ハン・ソロの代わりにミレニアム・ファルコンの操縦席に座るレイ。当然こうなるのだし、とても似合う。さみしい気持ちとともに、新しい世代への高揚感も。
◇レイ、ルークに会う。振り返るルーク。オビ=ワン・ケノービの晩年のような風貌で、仙人かよ!? でも、かっこいい。ライトセーバーを差し出すレイ。感動で泣けて、次回に続く!
◇エンドロールはそれほど長くはなかった。曲は特に印象的な新しいものはないような。最後の「バッド・ロボット」のロゴは要らない。何か本編のオマケがあるかと待っていたら、それかよ!と思ってしまうから。




〔2015年12月20日(日) イオンシネマ 大井〕


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