007/ダイ・アナザー・デイ

DIE ANOTHER DAY
監督 リー・タマホリ
出演 ピアース・ブロスナン  ハル・ベリー  ロザムンド・パイク  トビー・スティーブンス  リック・ユーン  ジュディ・デンチ  ジョン・クリース  サマンサ・ボンド  マイケル・マドセン  マドンナ
脚本 ニール・パーヴィス  ロバート・ウェイド
撮影 デビッド・タッターソル
音楽 デビッド・アーノルド
主題歌 マドンナ
2002年 イギリス・アメリカ作品 132分
ゴールデンラズベリー賞…助演女優(マドンナ)賞受賞
評価☆☆☆

BJ「なんか観終わってから何も残らないよなあ」
N「そのときだけ楽しんで観られればいいんじゃない。大掛かりなアクションエンタテインメントと割りきって」
BJ「そりゃま、そーだけどね。この『後に残らなさ』は、なんでだろーと考えてみたわけ。つまりさ、道具とかアクションがものすごいけど、人間自体の中身っていうか、ドラマがないんだね」
N「007は、ずっとそうでしょ」
BJ「最初の頃は、もうちょい現実味のあるアクションではあったかもね。目新しさがあったから楽しめたのかな。最近は予定調和だもんな」
N「意味分かって言ってる?」
BJ「えっとね、いくらピンチになってもボンドは絶対生き残るし、モテモテで美女といちゃつくし、敵と戦うにしても、追っかけっことか基本パターンは同じでしょ」
N「逆に言えば、安心して観ていられるってことにもなるのかな」
BJ「うん、でも最近、そういうシリーズ物の続編って、いまいち自分の中で盛り上がらないのが多いんだよね。飽きるっていうかさ」
N「あたしの出た『スター・ウォーズ/エピソード2』も、そうだって言ってたもんね」
BJ「うん、残念ながらね…。『ロード・オブ・ザ・リング』のシリーズはいいんだけどなあ」
N「飽きるんなら、なんで観に来たの?」
BJ「招待券もらっちゃったからね…」
N「転んでもタダでは起きないってヤツ?」
BJ「意味分かって言ってる?」
N「もちよ。でもさ、アクションは次々に、いろんなアイデアを繰り出してて、すごいことはすごいよね」
BJ「そう、だけど何と言うか、すごいのテンション張りっぱなし状態で、ずっとスクリーンを観てると、すごくても、たいしたことなくなってくるんだなあ、きっと。おー、次はこう来るか、次はこれか、と目の前を走馬灯のように過ぎてゆく」
N「それこそ、なんか意味違うんじゃない?」
BJ「まあまあ。どうどう。抑えて抑えて。映画は、オープニングから、いきなりものすごいサーファー野郎どもが出てくるね。きっとサーフィン大会に出たら連戦連勝。あと、ホバークラフトでチェイスなんかしちゃうし」
N「ボンドの拷問シーンに主題歌がかぶさってくるし」
BJ「そうそう、あれは面白かった。拷問の場面を、ドラマの中で実際に音声付きでまともに見せたってしょうがない。主題歌が流れるシーンでのいつものパターンである、女性の影絵みたいなタイトルバックといっしょに、拷問シーンもパッパッと映る。スマートな処理だよね」
N「それで時間の経過も表現できちゃうものね。あれ、1年以上捕まってたんでしょ」
BJ「ジェームズ・ボンドともあろうものが、ヘマしたもんだな」
N「苦労して敵を倒して一安心と思ったら、いきなり敵がいっぱい後ろにいるんだもん。えっ、いつの間に来たの?みたいな」
BJ「いつもなら、捕まっても、すぐ逃げられるだろうに。捕まってみたら、実は待遇が良くて、逃げたくなかったとか?」
N「じゃ、あの拷問はヤラセ?」
BJ「ボスのMだっけ、をあざむくために、一応キズとか付けて、ダイエットしてみたりして、いかにも虐待されたかのように偽装して」
N「ワオ! 新解釈」
BJ「それから、見えない車、いいよね。アストンマーチンって車は、3作目の『ゴールドフィンガー』のときだったかに活躍したんだよね。ジャガーとのカーチェイスは面白かった」
N「アイスランドだから、クルマ、氷の上をすべりながら走ってたもんね」
BJ「ハル・ベリーのボンドガールはどうだった?」
N「やっぱりボンドのお手伝い程度の印象かな。主役はボンドだもん」
BJ「案外、簡単に捕まったりしてたよね。ジンクスって名前は悪運だとか言ってたけど、ほんとかも」
N「彼女を主演にした映画も作ることになるってウワサだけど、あれじゃ、もっと鍛えなおさないといけないかな」
BJ「主役じゃなかったキャラを主役にした映画を作る、スピンオフって言ったっけ? ハル・ベリーは『チョコレート』のほうがいいな。この映画ではアクション女優って感じには、いまひとつだったもんなあ」
N「ふーん。じゃあさ、『スター・ウォーズ』シリーズの、あたしのアクションはどう思った?」
BJ「きみは何をやっても最高だって。ただし、もう、ヘイデン坊やと、いちゃいちゃするのはやめてね
N「次はないはずよ。そういうシーンは」
BJ「ぜひとも、そう願いたいなあ」
N「あ、そういえば、エイプリルフールで、あたしと結婚する、なんて書いたでしょ?」
BJ「冗談にしておいたから、ほんとに付き合ってるなんて思わないよね」
N「知ったら、びっくりよね」
BJ「えっと、話を戻して…ボンドガールといえば、もう1人のフロストっていう、彼女のほうがステキだったな。初めて見る女優さんでロザムンド・パイク
N「まったく、すぐ目移りするんだから。彼女、イギリス出身で舞台をやってて、公演で日本に来たこともあるんだって」
BJ「このあとの映画出演が楽しみだね」
N「もう1人忘れてない?」
BJ「え、…M? Q? マニーペニー?」
N「ほら、ラジー賞の」
BJ「あーっ、マドンナ。フェンシングの先生だっけ。2、3分しか出なかったね。あれはボンドガールとは言えないのかな。言えないよねえ」
N「もうちょっと大きい役かと思ってたら、ほんとにゲスト出演だったもん」
BJ「クレジットに名前が出ない、いわゆるカメオ出演みたいだったね。あれでラジー賞とは、ほんとにラジー賞関係者って、マドンナ好きなんだね」
N「敵役のトビー・スティーブンスは、ロバート・スティーブンスとマギー・スミスの子どもなんだって」
BJ「両親とも俳優かあ。いい血統なんだね。マギー・スミスって、ハリポタに出てるじゃん、観てないけど」
N「ピアース・ブロスナンのボンドは、ダンディでかっこいいと思うなあ」
BJ「それは同感。次作も出演するみたいで、そこはOKだね。あとは、話にひと工夫、あっと驚く新鮮さが欲しい。また日本が舞台にもなるってウワサもちらっとあるけど、どうなんだろう。藤原紀香さんが出たりして。英語の勉強してるらしいし。なにしろ、とにかく、めっちゃ魅力的なボンドガールを、いっぱい、わんさか出してほしい!
N「オー・マイ・ガッ!(けっきょく、それかいっ!)」


※この会話はフィクションです。たぶん。
〔2003年3月30日(日) 池袋東急〕



映画感想/書くのは私だ へ        トップページへ