ハドソン川の奇跡

SULLY
監督 クリント・イーストウッド
出演 トム・ハンクス  アーロン・エッカート  ローラ・リニー  アンナ・ガン  ジェーン・ガバート  アン・キューザック  モリー・ヘイガン  ケイティ・クーリック
原作 チェズレイ・サレンバーガー
脚本 トッド・コマーニキ
撮影 トム・スターン
編集 ブル・マレイ
2016年 アメリカ作品 96分
好き度☆☆☆★


いやー、シンプル。

過剰にドラマティックにはせず、こういうことがありました、と見せてくれる映画。
機長が、そのときにできる最善の判断、最善の操縦をしたのだと、検証するかのような…。

ネタばれしていきますが…

調査委員会が資料としたシミュレーションでは、鳥のエンジン衝突事故後、空港へ引き返すフライトを行ない、着陸に成功している。
しかし、そのシミュレーションで、事故が起きたあとに、すぐに空港に引き返す行動を取っているのを見て、機長は異議をとなえる。実際は、もっと時間のロスがあった、と。
これって、シミュレーションする前に、機長が判断を下すまでにどれだけ時間がかかっていたのかを、ちゃんと調べて、そのとおりにやらなきゃだめでしょ、と私でも分かる。
本当に、こんなお粗末なシミュレーションだったのだろうかと不思議な気持ちになった。

そもそも、片方のエンジンが生きていたのではないか、という疑問は、エンジンを回収できて調べてみたら、機長の言うとおり、到底、動くわけがないような壊れ方だった、となって、メデタシメデタシ。

すごく、いいかげんに濡れ衣を着せられそうになっていた気がする。一歩まちがえば、罪に問われてしまうような危うさ。

それにしても、ひどい衝撃がない着水ができたのは、まさに奇跡的なことのようで、こうして映画になって、なおさら広く知られるのは、意味のあることだろう。
“Heads down, Stay down(頭を下げて、体を低くして)”とキャビンアテンダントさんたちが連呼するのが耳に残る。




〔2016年9月28日(水) イオンシネマ 大井〕


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