ムーンライト

MOONLIGHT
脚本・監督 バリー・ジェンキンズ
出演 トレヴァンテ・ローズ  アシュトン・サンダーズ  アレックス・ヒバート  ジャネール・モネイ  ナオミ・ハリス  マハーシャラ・アリ  ジャハール・ジェローム
原案 タレル・アルヴィン・マクレイニー
撮影 ジェームズ・ラクストン
編集 ナット・サンダーズ  ジョイ・マクミロン
音楽 ニコラス・ブリテル
2016年 アメリカ作品 111分
好き度☆☆☆


いろんな人生があるものだと。

本作のタイトルを覚えられない。興味がなかったせいなのか。あ、あのアカデミー作品賞をとったヤツ、としか。
ただ、映画を観たあとは、月明かりの下の(人生の)イメージで、多少、思い出せるようになった。

ネタばれあり。
こうした境遇に自分はいないから、見ていれば分かるところはあるが、深くは心情を理解していないのではないかと思う。
母は麻薬づけ。いじめられっ子。
でも、ヤクの売人に優しく見守られ。
後見人みたいな人が現れるだけでも、えらく幸運ではないか。
売人が海で主人公の体を手に抱くシーンは、まるで洗礼だ、と見た。だからどうした、とは思いつかない(苦笑)。

彼の性的嗜好については、その気づき(初体験)以外には、ほとんど具体的な描写はなく抑えられている。
そうしたことも含めて、静かな作品で、途中、寝そうにもなったことは内緒にしておく。

いじめの張本人を、机でぶん殴ったのには、見ていてスカッとしたけれど、それだけで逮捕されて、おいおい何でだよ、もともと悪いのはヤツだろ?と思うのは観客全員だろう。
でも、ヤクの売人になっちゃって、たぶん自己防衛も兼ねてマッチョに鍛え上げて金歯も入れて、それでいいのか、それしかないのか
昔の恩人が売人だから、そうなりたくない思いというものは少なかったかもしれない。逆に、なりたかった? 自分のやり方しだいで、ちゃんとできると考えている?

最終章で、ふたり、悲劇に終わるのではないかと、どこかヒヤヒヤして見ていたのは、なぜだったのか、自分。
いちおうハッピーエンドだろうけど、売人を続けていて、だいじょうぶなのかとは危惧する。彼の恩人はハッピーに亡くなったのだろうか。




〔2017年4月22日(土) イオンシネマ 大井〕


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