メアリーの総て

MARY SHELLEY
監督 ハイファ・アル=マンスール
出演 エル・ファニング  ベル・パウリー  ダグラス・ブース  トム・スターリッジ  ベン・ハーディ  メイジー・ウィリアムズ  ジョアンヌ・フロガット
脚本 エマ・ジェンセン  ハイファ・アル=マンスール
撮影 ダヴィド・ウンガロ
編集 アレックス・マッキー
音楽 アメリア・ワーナー
2017年 イギリス・ルクセンブルク・アメリカ作品 120分
好き度☆☆☆★


フランケンシュタインの怪物(の原作)は、こんな彼女から生まれた。

「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」を書いたメアリー・シェリーの半生記。
ただし、ほとんどのシーンは夫となる詩人のパーシー・シェリーと知り合い、「フランケンシュタイン?」出版までの10代後半から20歳までを描いている。

パーシーとの仲を父に反対されて、義妹とともに家を出るメアリー。
三角関係にならないかと、観客はみんな心配(したと思う)。

自由恋愛主義のパーシー・シェリーとの生活はやがて困窮していく。
詩人バイロンと関係をもった義妹に誘われて、メアリーとパーシーはスイスにあるバイロンの別荘へ。
バイロンの提案で、各自が怪談を書こうということになるが…。

生まれて、すぐに母親を亡くし、自分の子も早くに亡くしたメアリーゆえに、孤独や悲しみを知り、自分を生み出した者の愛を得られない怪物のストーリーを生んだのだろう。

バイロンの別荘では、医師も滞在していて、のちに彼は吸血鬼の話を書いたという。
え、ブラム・ストーカー? と思ったけど、名前も違うし、ストーカーの著作より80年近く早い。

エル・ファニングさん、18か19歳のときだから、映画でのメアリーとほぼ同じ年代。堂々たる主演女優の風格がさらに板についてきた。
義妹を演じたベル・パウリーさんも好演。




〔2018年12月29日(土) シネスイッチ銀座〕


映画感想/書くのは私だ へ        トップページへ