ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

GODZILLA: KING OF THE MONSTERS
監督 マイケル・ドハティ
出演 カイル・チャンドラー  ヴェラ・ファーミガ  ミリー・ボビー・ブラウン  渡辺謙  チャン・ツィイー  ブラッドリー・ウィットフォード  チャールズ・ダンス
脚本 ザック・シールズ  マイケル・ドハティ
撮影 ローレンス・シャー
編集 ロジャー・バートン  ボブ・ダクセイ  リチャード・ピアソン
音楽 ベアー・マクレアリー
2019年作品 132分
好き度☆☆★


楽しみにしすぎたせいもあるのか、ものたりない残念感

前作「GODZILLA ゴジラ」は大好きだった。
ゴジラが、なまらカッコよくて感動したのに。

今回は、怪獣いっぱい出たせいで、ゴジラに魅力が集中せずに、散漫になったのかもしれない。
ゴジラ自身もけっこう出たので、ありがたみが薄れたのか。
それにしても、前作では、いちいち、かっこよかったゴジラ、今回は何もいいところを、後から思い出せない。神々しさとか、あったっけ?
いってみれば、日本製の多くのゴジラ映画(数本しか見ていないが)程度の薄っぺらさの印象しか残していない。
してみると、日本製のゴジラ映画(及び、モスラ、ラドン、キングギドラ)が大好きな方々が喜ぶ作品なのかもしれない。

ちょっと嬉しかったのは、元祖ゴジラ映画で出てきた「オキシジェン・デストロイヤー」の名前を、ちゃんと使ったこと。
キングギドラが宇宙怪獣だと、ちゃんとやってくれたこと。
モスラとゴジラの音楽を、劇中とエンドロールで流してくれたこと。
そんなもんか。

以下は人物描写について、生死を語るのでネタばれになる。これから観る方や、話を知りたくない方は、ストップ!

まず、サリー・ホーキンスさん。渡辺謙の同僚的な博士ですが、怪獣対決騒ぎに巻き込まれたのか、亡くなります。
どこで亡くなったか、見ていなかったのですが(もしかして描写していないのか?)、なんで殺す必要がある?
チャン・ツィイーさんの出番がそれまで少なかったので、彼女の出番を増やすためなのではないかと疑ったら、案の定。
そのあとは、チャンちゃんが、よーく喋るわで、どんどん、のしてきていた(笑)。そういう理由だとしたら、なんと姑息な。

渡辺謙。ゴジラを元気にするために、自己犠牲を立候補しますね。
死ななきゃいけない状況を、脚本がうまい具合に姑息に作ります。
謙が、俺が行く!と言っても、ほかのメンツは誰も、じゃあ、俺が行くよ、私が行くわ、とは言いません。お前ら何だよ!
死ななくてもいいだろ、ほかに何とかしろよな、と私は言いたいですね。姑息。

極めつけは、ヴェラ・ファーミガさん。
家族を生かすために、怪獣を自分に引きつけます。
あれ、たとえば、車だけ走らせて、自分は脱出するとか、いろいろやりようがあるのでは?
娘だって、オヤジだって、弟(息子)につづいて母(妻)が亡くなったら、やりきれないでしょうに。
ちょっと悪いことしちゃったヴェラさんなので、勧善懲悪を思い出したかのように結論に持ってきたんでしょうか? 姑息。

涙もろい私ですが、本作の犠牲者の場合は、なにも泣けず、死ぬ必要がないので、むっとして気分がよくないだけですね。
あ、モスラだって、あれって自己犠牲っぽくないですか? なんなの、一発でやられて、意味なくないですか? (見間違いじゃないですよね、あっけないので…)
カイル・チャンドラーにしても、申し訳ないが、主役というより助演が似合う気がする。(主役はゴジラだから、いいんでしょうけどね。)
ゴジラ王に、臣下の礼をとった怪獣どもにも笑ったよね。




〔2019年6月2日(日) イオンシネマ 大井〕


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