1917 命をかけた伝令

1917
監督 サム・メンデス
出演 ジョージ・マッケイ  ディーン=チャールズ・チャップマン  クレア・デュバーク  リチャード・マッデン  コリン・ファース  アンドリュー・スコット  ベネディクト・カンバーバッチ  マーク・ストロング
脚本 サム・メンデス  クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
撮影 ロジャー・ディーキンス
編集 リー・スミス
音楽 トーマス・ニューマン
2019年 アメリカ・イギリス・インド・スペイン・カナダ作品 109分
好き度☆☆☆☆


撮影方法の勝利か。

第一次大戦下、ふたりの伝令の道のりをカメラが追いつづける。

ワンカットのように見えても、うまくつなぎあわせているのであろうことは、だいたい想定内。
上映時間の2時間で終わる物語ではなさそうなことからも、それは明らかだが、できる限り場面を切らないで見せることの緊迫感、彼らをすぐそばで見つづけているような没入感などは本作の醍醐味だ。

戦闘機が墜落してくるシーンには驚いた。とともに、どうやって撮るんだろうと。
いまはデジタルな合成(つなぎ?)でなんでも出来るんだなと、すぐに思ったけれど…。
こんなシーンをつくれるのは、すごいなぁと素直に、映画技術に感心。(映画芸術、と書かないことに要注意。)
長々とつづく塹壕の中、多くの兵隊をかきわけて歩きつづける。ほかの兵隊たちが何をしているのか、その動きを見るのも興味深い。
敵の塹壕、打ち捨てられた農場、味方の部隊、狙撃、占拠された村…。意外な展開もあり波乱万丈。
川流れからのシーンは多少ラッキーすぎるような、でも、がんばってきたご褒美かもしれないし、そういうことも実際あるかもしれない。

人の命を簡単に奪う「戦争」は、なんと虚しいものなのか、観ながら、ずっと思わされる。その意味でも、いい映画だ。なぜ、殺し合うことになるのか。誰が決めた?

同じ伝令でも、安全地帯を行く場合と、危険地帯を行く場合は、ぜんぜん違うし、安全だと思っても危険だったり、その逆もあったりしたのだろうな。




〔2020年2月16日(日) イオンシネマ 板橋〕


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