あの頃ペニー・レインと

何ともいえずよかった! 70年代のロックンロール(レッド・ツェッぺリン、ザ・フー、ディ−プ・パープル…)をあまり知らない私でもいいと感じるのだから、あの当時のロックにはまってた人には、きっとたまらない映画でしょう。

監督・脚本が「ザ・エージェント」などのキャメロン・クロウ。この人は、15、6歳のときからローリング・ストーンズ誌に音楽記事を書いていたのだそうです! 数多くのビッグ・アーティストにインタビューしてるそうです。
映画は、彼の自伝的な要素を盛り込んだ話です。しかも、オリジナル曲は、彼と奥さん(昔、バンドをやっていた)が手がけていたりするんですよ!

15歳でストーンズ誌に記事を書くことになった主人公は、ブレイク寸前のロックバンドのツアーに同行します。そこにはバンドのファンの女の子たちも同行。そのなかにペニー・レインと名乗る女の子もいます。(ペニー・レインはビートルズの曲名ですね。)
その旅のなかで、いろいろな経験を積んでいく主人公。同時に、母や姉との関係も語られます。

何と言っても! ペニー・レインに扮したケイト・ハドソンが、この上なく魅力的! 金髪で可愛く色っぽい娘です。ドリュ−・バリモアをちょっと大人っぽくしたような?日本なら菅野美穂が近いかなあ?(何となくね)
彼女、なんと、ゴールディ・ホーンの娘なんだって! そんな娘が映画界にいるなんて、ちっとも知らなかった。
ゴールディの娘と言われてみれば、なーるほどと思いました。でも、ゴールディは可愛いイメージでしょう(いくつになっても!)。ケイトはもっと色っぽい感じ。

彼女は、この映画でアカデミー助演女優賞にノミネートされていますが、役柄の大きさ(主演女優といってもいいと思うけど?)、新鮮な魅力、スターとしての華、血筋(?)などを考えると、彼女が大本命だと思います。

主人公の男の子もいい。オーディションで選ばれたそうですが、役の上というのではなく、演じながら本当に周りからいろいろなものを吸収していく様子がわかるくらい、ひたむきで純粋そうな目。女性から見ると母性本能をくすぐられるんじゃないでしょうか。
「リトル・ダンサー」の少年の、ちょっとワイルドなかっこよさを観たあとの、この主人公のちょっと真面目そうな純なところも、また、いいな、と思わせました。

原題は ALMOST FAMOUS(ほとんど有名→有名直前? ブレイク寸前? 売りだし中?)。バンドのツアー名がALMOST FAMOUS TOUR と命名されていました。
この映画の日本語タイトルは、けっこういい線行ってるのではないでしょうか。

母親役がフランシス・マクドーマンド。もう、何も言うことない、上手い女優さんです。子どもを思う親心をぴりっと利かせています。
ビリー・クラダップ(ピーター・フランプトンにギターの指導を受けています)、フィリップ・シーモア・ホフマンなども味のある演技でした。

ただひとつ引っかかったのは、アンナ・パキンがそれほど目だった役ではなかったこと。この程度の役なら、わざわざ彼女を使わなくてもよかったのではないかと思いました。(彼女が好きなだけに、そう思うのであった…)

でも、なにしろケイト・ハドソン! 彼女は行きますよ、今後。彼女こそ ALMOST FAMOUS、ブレイク寸前でしょ!

                             〔2001年3月20日(火) 日比谷スカラ座2〕 
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ALMOST FAMOUS
監督・脚本 キャメロン・クロウ
出演 パトリック・フュジット  ケイト・ハドソン  ビリー・クラダップ  フランシス・マクドーマンド
2000年 アメリカ作品  123分
ゴールデングローブ賞…作品賞(コメディ・ミュージカル部門)・助演女優賞(ケイト・ハドソン)受賞
アカデミー賞…脚本賞受賞
ロサンゼルス批評家協会賞…助演女優賞(フランシス・マクドーマンド)受賞
シカゴ批評家協会賞…作品・脚本・助演女優(フランシス・マクドーマンド)・将来を約束された男優(パトリック・フュジット)賞受賞
評価 ☆☆☆☆