マリリン・モンローという名前


「マリリン・モンロー」という名前の響き。
 
「マリ」は、まあるい「鞠」(まり)、「リン」は「鈴」つまりリンリンと鳴る「鈴」、また、一般的なイメージにはないかもしれないが、「凛」としてもいい。
まるい鞠の柔らかいイメージ、鈴のように綺麗で可憐なイメージ。
マリリンと発音するたびに、そんなイメージが潜在的に起きているはず。これはもう、最高の名前でしょう。
柔らかくて、鈴のように可憐で。
 
苗字のほうでは、「モン」は「悶」、「ロー」は「露」とすれば、なんだか色っぽいこと、このうえない。
その組み合わせ。
日本語の語感にすると、偶然ながら、じつに彼女にふさわしく、よくできた名前である。
 
実際の話、「マリリン」は女優マリリン・ミラーから、「モンロー」はマリリンの母親の旧姓だ。
先日発売された雑誌「MOVIE」にあるインタビューから、女優としての名前マリリン・モンローが誕生したときの様子をマリリンが語った部分を抜き出してみると…
 
…母の旧姓である「モンローにしたい」と言いました。彼(注:キャスティング・マネジャーのベン・ライアンのこと)は私がジーン・ハーローやマリリン・ミラーを思い起こさせるとよく言っていたので、「じゃあ、マリリンがモンローに合うよ、マリリン・モンローにしよう」となったわけです。…

マリリン・ミラーは1920年代ブロードウェイのミュージカルスター。映画にも少しだけ出演している。
彼女は3回の結婚を経験し、37歳で亡くなっているが、マリリン(・モンローさん)が3回の結婚をして36歳で亡くなったのと、偶然とはいえ似たような運命になってしまった。
マリリン・ミラーの苗字ミラー(Miller)というのは、また、マリリンが結婚したアーサー・ミラーと同じ苗字でもある。
 
マリリン自身が大ファンだったという、ジーン・ハーローから、もしも名前をとっていたら、ジーン・モンロー。…やはり、マリリン・モンローのほうがよさそうだ。
ハーローは、これも3回の結婚経験があり、いずれも不幸な結末に終わっていて、最初の結婚は16歳。図らずも、まるでマリリンと同じなのである。
しかも彼女は、病気のために26歳の若さで亡くなっている。
いくらマリリンがハーローのファンだからといって、その結婚遍歴を真似しようと思ってできるものではないだろうが、知っていれば、ハーローと同じだわ、という意識はしていた可能性もある。
もうひとつ、マリリンがハーローを好きだったのは、マリリンが自分の父親と仮想しているクラーク・ゲイブルとハーローが共演していて、いいコンビだったことも影響しているかもしれない。しかも、ハーローもマリリンも、その最後の映画はゲイブルとの共演になった。
また、ジーン・ハーローのジーン(Jean)というのは、マリリンの本名ノーマ・ジーン・モーテンソンのジーンでもある。ただし、マリリンのミドルネームのジーンは、Jeane とも Jean とも書かれるようだが。
 
このように、マリリン・ミラー、ジーン・ハーローとマリリンの共通点は不思議に多い。
 
話を戻して…
「鞠」とか「鈴」とかいうのは、日本語での話だから、英語の Marilyn Monroe とは、まったく関係がない。
英語で発音すれば、極端にいうと、「マァリンマンロゥ」みたいにもなってしまうが、英語圏の人にとって、マリリン・モンローという響きは、いったい何を想像させるのだろうか。
 
きょうはマリリンの誕生日、2007年6月1日。81歳。


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