いよいよ、彼女の転機となる曲が発表される。

5月5日、5枚目のシングル「まっ赤な女の子」の発売だ。
Webの百科事典「ウィキペディア」によれば、オリコン最高順位8位、年間順位54位。「ザ・ベストテン」最高順位は7位。



(c) Victor Entertainment, Inc.

1.まっ赤な女の子
作詞:康珍化、作曲:筒美京平、編曲:佐久間正英

2.午後のヒルサイドテラス
作詞:秋元康、作曲:筒美京平、編曲:佐久間正英

改めて、作詞作曲陣の名前を見ると、稀代のヒットメーカー筒美京平、秋元康、ついに来た! という感じ。
事実、「まっ赤な女の子」は、それまでのリメイクや大人しげなシングル曲から一歩飛び出した、親しみやすい明るいポップな曲調で、私はすぐさま大好きになった。
「まっ赤な女の子」というタイトルも、歌詞も、インパクトがあり、小泉さん自身にとっては、少し前から短くしていた髪の見かけともあいまって、単なる大人しい可愛い子ちゃんアイドルのイメージを変えられるチャンスをもらえた。
ここから彼女のブレイクが始まったといっていいだろう。

全体的に健康的に色っぽく、歌詞のセンスもいい。
センスのいい歌詞といったら、挙げていけば、全部の歌詞になってしまうくらいだ。
キョンキョン・ソング、初期の大傑作。


B面の「午後のヒルサイドテラス」も、ポップさ満開で楽しい。
これまた、歌詞に色っぽいところが!


このシングル盤から、小泉さんの担当プロデューサーが代わったことも大きな影響をもたらした。

以下は、広島エフエム放送の記事から、要約。

1982年の暮れのこと。田村充義(みつよし)さんは翌年春からの小泉さんの担当を命じられ、5枚目のシングルのプロデュースに取りかかった。
花の82年組(中森明菜、松本伊代、堀ちえみ、など)のなかで出遅れている小泉さんを、まず3番手くらいにしたいと考えて、当時の音楽業界で、「困った時の筒美京平」とまで呼ばれていた、ヒットメーカーの筒美さんに、シングルの作曲を頼んだ。
筒美さんは2曲作り、その作詞を康珍化さんと、当時、放送作家から作詞家として幅を広げようとしていた秋元康さんの2人に託す。
歌詞を検討した結果、康さんが書いた歌詞をA面の曲として採用。

田村さんによれば、康さんが書いた歌詞は、キュートでポップ感にあふれ、メロディとの相性も抜群だった。
編曲の佐久間さんは、当時流行していたスティクスの「ミスター・ロボット」を参考に、曲の出だしのコーラス部分に、ヴォコーダーを使ったりして、全体にテクノポップの要素を取り入れた。

田村さんは、その後のシングル曲を、筒美さんと、当時、アイドルの曲を多く手がけていた馬飼野康二さんと、交互に依頼するようになる。
マンネリ化と、作曲家の精神的負担を避けるためだ。

田村さんは、自分の力で小泉今日子の個性を作っていきたかったと話している。
アイドルの良い子が松田聖子、悪い子が中森明菜なら、小泉今日子は、どこにでもいるような普通の女の子というイメージを作り、彼女のポジショニングを確立させようと考えたという。


集英社から「わたし今日子」が発売される。(たぶん、5月10日あたり。)




5月23日、フジテレビ系『月曜ドラマランド』(月曜19:30〜)枠で「あんみつ姫」放送。副題(?)が「いたずら姫君お城を脱出! 恋の予感に胸キョンキョン!」と、データに載っていた。(笑)
原作は倉金章介、脚本は奥津啓治、監督は大黒章弘。
出演は、あんみつ姫に小泉今日子さん、ほかには、由紀さおり、東八郎、金田龍之介、小松政夫、コント赤信号、白石まるみ、イッセー尾形など。

放送に先立って、5月19日には元祖あんみつ姫の中原美紗緒さんが激励に来てくれていた。「あんみつ姫」は昭和32年から2年間TBSで放送された人気番組で、キョンキョン主演のドラマはテレビ番組としては25年ぶりの復活だったのだ。(スポーツニッポン、5月20日の記事による)

キョンキョンが可愛すぎて、もう、どうしようもないくらいなドラマ!
主題歌は「まっ赤な女の子」!
私は当時からビデオレコーダーを買っていた(24万円くらいしたような記憶が…)ので、録画して見た。



これはVHSビデオが出たので、いまでもオークションなどで入手できるかも?
「あんみつ姫」は、以後、3作目まで続く。
(2008年、2009年には、井上真央さんも、あんみつ姫を演じた。)

参考:ウィキペディア 小泉今日子、小泉今日子 歌の全曲集(第11版)




小泉今日子ディスコグラフィに戻る

トップページに戻る