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あやちゃんの贈り物 (大関貴之氏の修正追試)

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(パワーポイントの元資料ご希望の方はメールでどうぞ)


TOSS兵庫・TOSS亭舎場・法則化神戸亭/水田 孝一

画家になることを夢見ながら、白血病のために、わずか7歳にしてこの世を去った三瓶彩子さん(あやちゃん)。
彼女は、病気との苦しい闘いを続けながら、病院のベッドの上で、8000枚に及ぶ絵を描き残した。
その絵は、7歳という年齢を感じさせない上手さと、病を感じさせない明るさに満ちていて、見る人々の心を揺さぶる。


本実践は、TOSSランドNo.2210036 3年生に「いのち」を授業する(大関貴之氏) の修正追試である。
主な修正点を以下に挙げる。
@ 視覚に訴えることと、テンポよく進めることを考えて、パワーポイント資料を作成した。
A 全員発表の時間を確保するために、「白血病」の詳しい解説については割愛した。(血液の癌と言われる恐しい病気とした。)
B 彩子さんは、死が迫ってきたのを感じると、自分を天使に見立てた絵を描いたというエピソードを入れた。
C 感動のある授業であることを重視し、彩子さんの家族の回想や、彩子さん自身の言葉を、教師の「語り」として入れた。

準備物  @パワーポイント資料(パソコンとプロジェクター)
      A児童用ワークシート
      B画集「あやちゃんの贈り物」−絵に託した生命の輝き−編著者:三瓶和義・正子 2500円 発行:萌文社(電話:03-3221-9008) 
        ※ Yahoo!ブックスショッピング(通販)にリンクしています。


スライド@「白紙表紙」を映しておく。児童用ワークシート配布。名前を書かせる。

指示1 今から1枚の絵を見せます。
     絵を見た感想を、プリントの1番に短く書きなさい。

A「すの中のバナナ」を映す。列指名で発表させる。「きれい」「うまい」など、肯定的な感想が多い。

発問1 では、この絵は何歳ぐらいの人が描いた絵だと思いますか?
     予想をプリントの2番に書きなさい。

予想でいいから、全員に書かせる。(まだ書けない子は立ちなさい、と言って決断させる。)

指示2  (何人かに聞いたあと、)
       0〜 6歳、小学校に入る前の子の絵だと考えた人、手をあげなさい。
       7〜12歳 小学生。(と思った人は手をあげなさい。)
     13〜18歳 中学生・高校生。
     19〜22歳 大学生。
     23〜60歳 大人。
     61歳から上のお年寄り。
     正解は…。

B「すの中のバナナ・作者名」を写す。

説明1  三瓶 彩子さん、7歳。
     小学校1年生の子が描いた絵です。

C「あやちゃんの写真」を映す。

発問2  この子が三瓶彩子さん、あやちゃんです。かわいいですね。
      しかし、あやちゃんには、足りないものがありました。
      ここにいるみなさんと違って、何かが足りなかったのです。
      何が足りなかったのでしょう?

D「○○がたりなかった」を映す。

指示3  プリントの3番に書きなさい。
      漢字2文字です。2年生で習いました。

書けた児童を指名する。時間はとらない。

説明2  あやちゃんには…(E「時間がたりなかった」を映す。)…時間が足りなかったのです。
      あやちゃんの一生。1982年5月、東京に生まれる。…以下、,あやちゃんの年譜(下記参照)を、テンポよく読み進める。


(参考資料) あやちゃんの年譜

1982年 月 東京・三鷹市に生まれる。
1984年 月 3歳の誕生日直前に発熱、急性リンパ性白血病と診断される。
  武蔵野赤十字病院に入院、9月退院。
11 月 2回目の入院、放射線治療で頭髪が全部抜け落ちる。12月退院。
1986年 月 3回目の入院、5月4回目、8月5回目、11月6回目の入院。
1987年 月 7回目の入院、5月8回目、8月9回目、11月10回目の入院。
1988年 月 11回目の入院、このころから保育園年長組の女の子(年上)から絵を描いてほしいと列ができる。
月 12回目の入院、8月13回目、11月14回目の入院。
1989年 月 三鷹市立第二小学校に入学、その後1カ月おきに入退院を繰り返す。
月 病院内の武蔵野市立境南小学校いとすぎ学級に転校。
10 月 「すの中のバナナ」を描く。この後、体の衰弱が目立ち退院できず。
1990年 月 食べられず眠れずの日々、下旬に肺炎を併発。
月 歯ぐき・鼻などからのからの出血続きなかなかとまらない。28日永眠。


あやちゃんの発症のところで、白血病について簡単に解説する。学年によっては、さらに省略してもよいだろう。

白血病というのは、「血液の癌」と言われる恐ろしい病気です。
他の人の「骨髄」というものをもらって、自分の体に移し変える「骨髄移植」という手術をする以外には、助かる道はありません。
その骨髄移植ですが、自分と同じ種類の骨髄を持っている人からもらわないとできません。
ところが、同じ骨髄を持つ人は、たとえ兄弟でも4人に1人、他人だと数百人から数万人に1人しかいないのです。
あやちゃんの場合は、運よくお母さんが同じ骨髄の持ち主だったのですが、病気が進みすぎていて、手術ができなかったそうです。

(中略)
・・・28日永眠。享年7歳。あやちゃんは、わずか7歳でこの世を去りました。
あやちゃんには、時間が足りなかったのです・・・。

教室をしーんとさせたい場面である。淡々と、しかし真剣に語りたい。

発問3  もしあなたが、あやちゃんのような重い病気にかかり、自分に残された時間があと少しだとしたら、あなたはどうしますか。
      残された時間で何をしますか。よく考えてプリントの4番に書きなさい。

全員に発表させる。「好きなものを食べる」など、自分のことしか考えていない意見は、認めつつもさらりと流す。

家族のことを思いやった意見や、深く考えている意見については、心から驚いてほめる。

「人生についての望ましい考え方」を、教師の態度によって示していく。

発問4  あやちゃんは、残された時間で何をしたと思いますか。

すぐに「絵を描いた」と出てくる。

説明4  その通りです。画家になりたいという夢を持っていたあやちゃんは、病院のベッドの上で、病気との苦しい闘いを続けながら、絵を描きました。
     その数は、全部で8000枚にもなりました。その一部を紹介します。

(スライド7〜21)あやちゃんの絵を、以下のエピソードを「語り」ながら、絵を映していく。
元になる絵は、HP「あやちゃんの贈り物展」を参照されたい。
ただしHPには、「天使の絵」は載せられていないので、画集からスキャナで取り込んだ。

それぞれの絵にまつわるエピソードや、家族の方の回想については、画集「あやちゃんの贈り物」−絵に託した生命の輝き-に詳しい。

教師自身が読んでみて、自分自身が感動したエピソードを切り取って、じっくり語るとよい。

やさいシリーズ…年長さんのときに描いた。子どもらしいかわいい絵。

ありさんシリーズ…あやちゃん自作の物語。

「アリババ」〜「昔話のお母さん」…本を読むが好きで、物語の絵をたくさん描いた。

「すの中のバナナ」…あやちゃんが初めて絵の具で描いた絵。絵の具を使って描いた最初で最後の絵となった。

「手」…「お母さんもかいてみて。」とお母さんにも描かせて、自分の方が上手だと得意そうに笑っていた。(お母さん談)

「わたしのお母さん」…上手に描けたと気に入って、病院のベッドの横にずっと貼っていた。

「天使の絵1」…病気が重くなると、あやちゃんは自分を天使に見立てて、天使の絵を描くようになった。

「天使の絵2」…「人間は死んでもまた生まれ変わるんだよね。今度生まれ変わったら、ふつうの元気な子になりたい。そしてまた、この家とこの街に住みたい。」とあやちゃんは自分に言い聞かせるように言っていた。

「最後の天使」…この絵を描いたあと、病状が悪化。あやちゃんは再び筆を持つことなく、8000枚の絵を残して、短い生涯を終えた。

画集「あやちゃんの贈り物」p.94に書かれている、あやちゃんの最期のようすを朗読する。

学年によっては、分かりやすい言葉に置き換えてやるとよいだろう。

説明5 あやちゃんの最期のようすです。(本を朗読する。)
     2月27日、ベッドのままでよいからと、廊下の散歩を要求する。
     婦長、係長が付き添って、ゆっくりベッドで病棟を回る。
     何度も礼をいう。
     亡くなる前日、書くことができないため、「掛け算の九九を教えて。」と母親にたのみ、2の段を覚える。
     2月28日、夜中からずっと枕もとに座っているように母親に要求する。
     「お母さんありがとうね。」と何度もいう。
     少し、うとうとしだしてもすぐ目を見開き、冴えた表情になる。
     未明、息苦しそうな表情なので、看護婦が自宅の日下医師に連絡。
     父親は祖父母、姉を呼びに自宅に走る。
     その間、母親、当直医、看護婦の懸命な処置が続く。
     かけつけた父親、姉、祖父母が心配して見守る。
     上連雀保育園の赤川輝美先生、三鷹第二小学校の好永禮子先生をはじめ、両親の職場の同僚もかけつけ、多くの人に見守られる中、午前9時35分に静かに息をひきとる。
     7歳9ヶ月。
     闘病4年9ヶ月。

説明6  あやちゃんのご両親は、あやちゃんが遺した絵を集めて、お世話になった人たちに配るために、カレンダーを作りました。
     すると、周りの人たちが「あやちゃんの絵を全国の人たちに見てもらおう。」と応援してくれたのです。
     そして、こういう立派な画集ができました。(画集を見せる。)
     画集ができただけではなく、日本全国200ヶ所以上で、あやちゃんの絵の展覧会が開かれました。
     日本だけではありません。
     アメリカの白血病の人を救う「全米骨髄バンク協会」の総会でも紹介されました。
     あやちゃんは幼くして亡くなりましたが、あやちゃんの絵は、今も多くの人々に感動を与え続けているのです。

スライド22「今日の学習の感想を書きましょう」を映す。

指示3  今日の感想を書きなさい。

時間があれば発表させる。

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