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パン作りの知識 



ふっくらとふくらんだ美味しそうなパン。 香ばしい香りを漂わせた焼きたては格別です。パンは小麦でできていることは知っていてもどうやってふくらんでいるのか知っていますか?

我が子に尋ねたら「ふくらし粉が入っているから、、、」という答えが返ってきました。
それは違います。パンのふくらみは本来ベーキングパウダー(ふくらし粉=膨張剤)によるものではありません。

小麦粉のグルテンとイースト菌の働きによるものなんです。

パンを作るのになくてはならないものは
小麦粉、イースト、塩、水 の4つ。 これに味と風味を良くするために、砂糖、油脂、乳製品などを加えます。
イーストというのは菌類の仲間にはいる微生物、生き物です。イーストは一定の温度、水分、栄養分のあるところでさかんに活動し、養分である糖をアルコールと炭酸ガス、有機酸などに分解(発酵)させる性質を持っています。小麦粉は水を加えこね合わせるとゴムのような性質を持つグルテンができます。
このグルテンがイーストの作り出す炭酸ガスを包み込んで伸びるため、パン生地の中に小さな気泡が沢山でき、膨張していきます。一方、アルコールや有機酸はほどよい風味付けをしてくれます。パンはこのように小麦の性質とイースト菌の働きを利用してできます。
生地が柔らかくなり醗酵のたびにふくらんでいく感触をで自分の手で感じるととても楽しいです。

▼材料について

ー小麦粉・イースト・塩・水・砂糖・油脂・乳製品のそれぞれの特徴と種類ー




小麦粉

小麦粉にはグルテンというタンパク質が含まれています。水を加えこねた時にでる粘り気です。グルテンが多く粘り気が強いもの順に強力粉(パンに向いています)、中力粉(うどんなどに向いています)薄力粉があります。薄力粉はグルテンが少なく料理によく使います(ケーキ、クッキー、テンプラの衣などに用います)
小麦粉を選ぶときは第一に焼きたいパンに適した粉を選ぶようにします。初歩のうちはグルテンの多い強力粉を使うと失敗がありません。フランスパンなどはグルテンの少ない粉で焼きますが、軽く焼き上げるのはちょっと難しいです。
粉を触ってみましょう。 強力粉は製造から2〜3ヶ月以内で強く手で握って、こぶしを開くとほぐれるような粉ながよい粉です。ちなみに私が畑で作っている小麦は南部小麦という種類で中力粉です。 他によく使う粉(以下の名前で呼ばれている)は以下のようなものがあります
ライ麦粉やグラハム粉を混ぜると風味も増し、繊維質もあります。
●ライムギ粉=イネ科、1〜2年草。形は大麦に似ている。種子を粉にしたもの。
●グラハム=小麦をひくときにでる皮のくず(ふすま)が取り除かない全麦を、やや粗挽きした粉。全粒粉ともいう。
●ホールドフィート・シリアル=全麦を細かい荒引きにした粉。


上の写真の小麦は私の畑で収穫した小麦粉です。中力粉なので強く握ってみると握ったあとがつきます。グルテンの多い強力粉なら握ったあとがつきません。自家小麦を使う時は強力粉との配分を調節します。
グルテンの量の比べ方
 

イースト

地球上には沢山の目に見えない微生物がすんでいます。パンをふくらませる働きをするイースト菌もそのひとつです。イースト菌が活躍すると発酵によって生地に閉じ込められたガスが生まれ、生地をふくらませます。イースト菌が増えれば増えるほどガスがでてふくらみます。
イースト菌の用い方は
●ドライイーストは粉の1.5〜3%
●生イーストの時は粉の4〜6%
イーストは4℃以下になると活動が停止し60℃以上で死滅します。27℃〜30℃が活発に働く温度です。
この温度が一次発酵に丁度よい温度です。再発酵(仕上げ発酵)させる時は35℃〜38℃とやや高めで発酵させます。これ以上高い温度にすると雑菌が増えてすっぱいパンになります。
イースト菌の増え方

イースト菌は5〜7ミクロン(1ミクロン=1/1000ミリ)の大きさで細胞分裂するように一つが二つになり増えていきます。
*イースト菌は自然の中でもつかまえられます。天然酵母と呼ばれています。
 



塩はパンに味と香りをつけ、生地の編目をしっかりさせる役目があります。ただし 塩が多すぎると発酵を遅らせてしまいますので、粉の2%が限度です。 また塩とイーストを直接一緒にするとパンがふくらまなくなるので、塩はこねる前に入れるか、他の粉に混ぜておきます。

混ぜる直前に塩を入れます。 



材料を溶かしつなぎ合わせると同時に小麦粉の中のタンパク質のうち、グリアジンとグリテニンとの結合して粘りと弾力性をもったグルテンを作ります。
水の量は粉の60%〜70%を使用します。

水を加えグルテンを出します。 

砂糖

イーストの養分として、発酵をさかんにし、同時にこんがりとした焼き色とよい香りをつける役目があります。しかし、粉の10%以上になると発酵を遅らせます。食パンの場合は粉の4〜6%、菓子パンの場合は5〜10%が適当です。甘い生地のパンにする時は”多糖イースト”を用いることもあります。砂糖は上白糖の他、黒糖、キビ糖、 三温糖など風味を出すために選びます。

写真は三温糖 

油脂

グルテンの膜を薄くし、パンのきめを細かくする潤滑油の働きをします。またパンの風味を良くしボロボロになるのを防ぎます。液状の油は泡を消してガスをくずし、その結果パンが小さくなってしまうので、基本的にはショートニング、バター、マーガリンを室温に戻した状態で用います。粉の5%使用します。

写真は有塩バター 

乳製品

乳製品は栄養価を高め、味、香りを良くします。牛乳、スキムミルク、練乳、チーズなどを使います。
●牛乳を使う場合は*仕込み水をかねますので、粉の70%〜80%にします。また牛乳には発酵を妨げるカゼインという成分や雑菌が含まれているので70℃まで加熱し、40℃まで冷ましたものを使います。
●スキムミルクは湿気を帯びやすいので長時間空気に触れさせないようにします。

スキムミルクは栄養価も高い 



▼作り方についてーーポイントをおさえるーー

計量>こねる>一次醗酵>ガス抜き>分割>まるめる>
休ませる(ベンチタイム)>成型>仕上げ発酵>焼き上げ



材料をはかる

材料は正確に計ることが大切です。粉や砂糖、塩などの材料は決まった割合に基づいてレシピの分量がグラムで表示されています。全体の分量を多くしたり少なくしたりする時は割合をきちんと守って(例えば400gに対して5%だと20g、500gの場合だと25%というように)各材料の分量を計量します。
水(仕込み水)の温度に注意します。下記のように季節の気温に合わせます。
・春/秋---水の温度45℃--粉のこね上げ時の室温27〜30℃
・夏---水の温度40℃--粉のこね上げ時の室温27〜30℃
・冬---水の温度49℃--粉のこね上げ時の室温27〜30℃

写真は三温糖 

こねる

計量した小麦粉、イースト、砂糖、スキムミルクを合わせたところに塩をいれて混ぜます。水(仕込み水)を少しづつ加えて、こねていきます。パン生地の発酵によい温度(27〜30℃)にこね上げていきます。ボールを使う場合こね方は生地をひねったり(猫が爪を研ぐように両手を交互に上下させてひねる)、もみこんだり、たたいたりしてグルテンを引き出していきます。固まってきたら油脂を入れ、更にこねていきます。最初はべとついていますが、やがてほとんど手につかなくなり、生地もまとまってきます(グルテンが形成されてきた状態)。こねる時間の目安は15〜20分。十分にこねられたかどうかは、両手指で生地の一部をつまんで左右に引っ張り、薄くゴムのように伸びるようか確認します。生地が伸びずにちぎれてしまうようだったら、こね方が足りません。


ボール一つで粉からこねる作業、発酵までできます。ひねったりたたいたりしてグルテンを引き出します。

一次発酵

十分に生地がこねられたら、次は発酵です。イースト菌の活躍です。27℃〜30℃の所に30分〜40分間置き、発酵させます。この間にグルテンの組織が整えられ、生地がしまって ねばり少なくなります。発酵が完了したかどうかは粉をつけた指をそっと突きさし、抜いた時に生地がもどらず穴がそのまま残っている状態ならちょうど良く発酵ができたことになります。すぐ生地がもどってしまったら発酵不足、穴のまわりが落ち込んでいくようだったら発酵過剰です。発酵不足の場合はもう少し時間をかけて発酵させます。発酵過剰の時はこちら

発酵を指で調べます。フィンガーテストと言います。 

ガス抜き

手で生地を軽く押さえます。(べとつくようだったら手に強力粉をつけます)発酵でふくらんだ生地をの炭酸ガスを全体に分散させ、イーストの活動に必要な新しい空気を入れます。

生地を軽く押さえてガス抜きします。 

分割

全体の重さを分割する数で割り、一つの重さを出して、生地を切って計量していきます。生地を切る時はひきちぎらないようにします。スケッパーで切り、なるだけ細かくならないように注意します。分量を合わせるために2〜3個のかけらがあつまった場合は切り口を引っ付けるようにして合わせます。

生地を大事にあつかう。 

丸める

分割した生地の表面を張らせ切り口を封じるようにします。。これにより生地中に発生するガスを閉じ込め生地温度を保ちます。分割した生地を片手で包み込むようにし、キャンバス地の上に軽く押さえ螺旋を書くようにするとうまく生地表面を張らすことができます。

生地を大事にあつかう。 

休ませる(ベンチタイム)

パンマットの上に並べ、乾燥させないようにパンマットで包みその上にぬれぶきんを かけ15〜20分間休ませます。生地を休ませることで生地を柔らかくして成形しやすくなります。固くしぼったぬれぶきんを直接かけておいてもオッケーです。また、ふた付きの ケースを使うと生地が冷えることを防げます。

生地を大事にあつかう。 

成型

ガスを含んだ生地をめん棒でのばし、形をつくっていきます。それぞれのパンに あった形があることも覚えておきます。この時いじりすぎて生地をいためないように 気をつけます。

生地を大事にあつかう。 

仕上げ発酵

成型したパンを35℃〜38℃の所に30分〜40分間置き、2〜2.5倍の大きさ(でき上がりの80%)になるまで発酵させます。この時の発酵は湿度が必要です。生地を乾燥させないようにします。

でき上がりの80%まで発酵 

焼き上げ

パンをオーブンで焼きます。一般にガスオーブンは早く焼け電気オーブンは時間がかかります。また、オーブンは個体差がありますので、自分の家のオーブンの”クセ”をつかむようにしましょう。

パン焼きの適温:
●小型パン---180~200℃に予熱 10〜15分焼く
●大型パン(型入れなし)--170~190℃に予熱 20〜30分焼く
●大型パン(型入れる)--140~150℃で15分焼き、180~200℃ 20分焼く

焼き加減はを知るにはオーブンのクセをつかむこと 




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