<ガッリ・ビビエーナ・ファミリーについて>

   ビビエーナ(または、ビビエナ)・ファミリーの中では、6人のメンバーが、ステージ・デザイナーまた、劇場建築家としてよく知られています。ステージデザイナーとしての祖は、Ferdinando Galli Bibiena (1657-1743)です。 Giovanni Maria Galli (1625〜65)の3人の子供の一人としてボローニャに生まれた彼は、20台のときにはパルマにてファルネーゼ家のために建築家、ステージデザイナーとして働きました。1708年には、バルセロナにおいて将来の神聖ローマ皇帝チャールズ6世と なるスペインのチャールズ3世の結婚に伴う祝祭のデコレーションを担当しました。その後、皇帝となった彼に呼ばれフェルディナンドは、ウィーンへうつりました。1717年に、生まれ故郷であるボローニャ に戻った彼は、Clementine Academyで、教壇をとり、建築や、ステージデザインにつ いて教えました。そこでの教科書として使われたのが、ここに示したDirezioni a'Giovani Studenti nel Disegno dell'Architettura Civile, nell' Accademia Clementina dell' Istituto delle Scienze...., です。

   フェルディナンドの弟である、Francesco Galli Bibiena (1659-1739)もウィーンで宮廷の仕事につきました。。フランスやイタリアにいくつかの有名な劇場を 設計しています。彼もまた、ボローニャにもどり、Clementine Academyで後進教育に あたりました。 ここに載せた宮殿のファサードのドローイングは、1700年ころの作品と考えられてい ますので、フェルディナンドか、フランチェスコによるものと考えるの妥当でしょ う。

   Alessandro Galli Bibiena (1687〜1769)は、フェルディナンドの一番上の息子で す。 彼による最も有名な作品はマンハイムのユダヤ教会(Jesuit college and charch)です。 当サイトのタイトルに用いた女性が平面図をもった図版は、この教会を解説した書物(Basilica Carolina opus grande,..., [1760]) の扉絵から とったものです。

   フェルディナンドの2番目の息子Giuseppe Galli Bibiena (1696-1757)は、ビビエナ 一族の中でもっともその才能を発揮した人物として知られています。1712年には、父親に連れられ兄アレッサンドロとともにウィーンへと赴き、そこでフランチェスコと合流し、祝祭や葬儀などの行事のための建築物、装飾を数多くつくりました。彼のもっとも知られている仕事は、銅版画として残され Architetture e prospettive (1740-44; “Architecture and Perspective”)として 出版されています。ここで、紹介しているステージデザイン作品集におさめられている図版 は、その本からとったものです。

   Antonio Galli Bibiena (1700-74)は、フェルディナンドの3番目の息子です。イタ リア国内にいくつかの作品を残しています。また、ウィーンでの宮廷の仕事もしていま す。

   Carlo Galli Bibiena (1728-87)は、ジョゼッペの息子です。ドイツ、フランク、イギリス、イタリアと、ヨーロッパの各都 市で、仕事をこなしました。

ビビエーナ・ファミリーの手になると考えられているドローイングは、現在でも多く残っており、現在でも、手に入れることは可能です。しかし、彼らのドローイングは、たいへん似通っているため、本物のサインや、版画等がない限り、誰の手によるものなのか区別をつけるのが、難しくなっています。

ビビエーナに関するサイト(イタリア語)
http://www.unibo.it/Bibiena/

Close Window