1993/11/07 6回 京都 2日目 曇(良) |
10R サラ系4歳 菊花賞(G1) 牡・牝(定量) 芝3000 |
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再現実況 |
実況;杉本清 解説:大坪元雄 |
杉本「スタートまで3分を切りました。3000mのスタート地点に18頭が集合したところであります。 それでは石巻アナウンサー1回目のリポートを」 石巻「はい、あの薄曇りの空にね、やや強い風。いかにもその菊花賞、いよいよ近づいてきたんだなあという 雰囲気盛り上がってきますよねえ。あの馬場状態ですがね、仮柵が外されて、ちょうどあの5m分なんですがね、 内側、そうですね、馬にして3、4頭分位は有利になるかなというところだと思うんですがねえ」 杉本「そうですか。大坪さんねえ、そろそろまとめて頂きましょうかねえ」 大坪「え〜、とにかく春から3強と言われ続け、1冠皐月賞を勝ったナリタタイシン。直前になって、やはり肺出血という アクシデントといいますかね、体調の崩れから即本番になりましたね。距離が3000mだけに、私はこれは一つの ハンデになると思います。その意味では3強の一角が多少崩れたと。 その点、ビワハヤヒデ、またダービー馬ウイニングチケットの両馬はね、実にこの秋順調に来ましたね。 ローテーションの間隔、ゆっくりとした叩き。私はビワハヤヒデの仕上げ方を買ってみたんですがね」 杉本「大坪さんはビワハヤヒデ本命ですもんねえ」 大坪「ただし、ウイニングチケットのあの京都新聞杯での豪脚はね、あれは本当にこのメンバー中でも随一。 あの脚を使われては、ごぼう抜きもあるんじゃないかと思います」 杉本「この2頭に次ぐ馬としてどれを見ていますか?」 大坪「私は6枠の2頭、絶好調ネーハイシーザーの先行並びに抜け出し。それからキングファラオという馬が、ちょっと 大負けの今日期待してみたんですが。気性の悪さはあるんですが、なかなかあの、春の阪神でゴール向いて外へ 行ったあの末足をね、少しこの長い距離で買ってみたいですね。 それからやはりセントライト記念の勝ち馬ラガーチャンピオン、このホリスキー産駒、この辺が伏兵ですね」 杉本「という大坪さんの見解ですが、スタート地点石巻さん。どうですか、ウイニングチケットとかビワハヤヒデの落ち着き」 石巻「そのウイニングチケットですがね、非常に落ち着いてますよねえ。 ビワハヤヒデはどうでしょう、いつもよりちょっとこう気持ちを前に出しているかなあといtうような、そんな感じですね。 それからラガーチャンピオンもかなり気合が乗ってきましたね」 杉本「え〜どうですかね石巻さん、そこで目に付く馬っていうのは」 石巻「そうですねえ、馬そのものはどうでしょう。ネーハイシーザーとかロイヤルフェローあたりは非常に いいなあと思うんですがねえ。 ツジユートピアンがね、これ馬体は非常に良いのになんで走らないのかなあという感じがするんですけどねえ」 杉本「え〜、柴田騎手の表情とかどうですか? 岡部さんの表情とか」 石巻「えーっと、柴田騎手がですねえ、今後ろを向いてしまいましたけど、んー、はいはいゴーグルしてますけどね、 落ち着いてますよ」 杉本「スターターが行きましたね。 さあ、これからスターターがスタート台に上がりまして、そしてG1のファンファーレであります」 杉本「石巻さん、この大歓声は聞こえてますか?」 石巻「あーさすがにねえ、かなり大きな歓声こちらにも届いてますがね、ゲート入りは比較的順調ですが、 今ビワハヤヒデなんですが、ちょっとゲート入りを嫌ってますね、これ珍しいですよね」 杉本「そうですね、あの〜ビワハヤヒデがね、1回ブルンブルンと首を振りましてね、岡部騎手がお尻の方をポンポンと 叩いて、これからゲート。 いよいよ、大坪さん、戦いの時来たるということで、馬の方もねえ、かなり興奮してるようですねえ」 大坪「この鼻面の白い馬がねえ、だんだんとピンク色に変わっていくんですよねえ」 杉本「さあビワハヤヒデ入った。ウイニングチケット入った。スムーズですねこの辺り、石巻さん」 石巻「はい、それから後は、偶数番号の馬となりますが、7番、9番ですからね。あの、ビワとウイニング続けて入りましたよね」 杉本「どうですか、ゲートの中でみんな落ち着いてますか?」 石巻「おとなしいですね、あとはナリタタイシンだけになりました」 杉本「皐月賞馬ナリタタイシンが入りますと、スタート体制が整います。17頭はすでにゲートインを終わりました。 3000mのスタート地点、いやがうえにも興奮が高まってまいります」
杉本「完勝です。ビワハヤヒデと岡部騎手。3分4秒7です。 大坪さん、もう完勝でしたねえ」 大坪「そうですね、道中ちょっと掛かるような、おやっと3番手に上がったとき思いましたけど、 結果的にはこれで直線突き放したんですからね、やっぱり完勝ですよね」 杉本「はい、そして2着争いがきわどくなっていたようですが、どうやらステージチャンプかなあというところですよねえ。 もう一度直線を見てみましょう」 大坪「ちょっとウイニングが抜け出すのに骨を折っているんですが、それと同時にタイミング良くステージチャンプが 追い出しにかかる、南井騎手が必死になって追う。 それを柴田騎手が叩いてかわそうとするんですが、かわしきれなかったですね」 杉本「結局2強の一角を崩したのはステージチャンプでした。しかしもうこれくらい差が開きましたもんねえ」 大坪「今開催から仮柵をはずしましたから、かなり速いタイムがでるだろうとは思っていましたけど、 やはりブルボンのタイムを破ったという点ではね、大いに誉めてやっていいと思います」 杉本「というわけで、3分4秒7というレコードタイムでありますが、ねえ」 大坪「はい、今年は本当に皐月賞、ダービー、菊花賞と、本当に1冠づつ分け合いましたねえ」 杉本「しかし嬉しいでしょうねえ、陣営としては」 大坪「これはもうダービーで惜敗し、夏をいかに過ごすかということで、遠征にも出さずにすっと栗東に置きましたよね。 そして神戸新聞杯からレース間隔を開けての仕上げ。この辺のやはり余裕というんですかね、それが いい結果に結びつきましたよね」 杉本「というわけでビワハヤヒデ。着順掲示板に出ました。7番のビワハヤヒデ。 2着15番のステージチャンプ。3着9番のウイニングチケット。4着に11番のキングファラオ。 5着17番のタマモハイウェイと上がりました。レコードタイムであります。3分4秒7。 確定のランプは付いていませんが、間違いないものと思います」 |
勝利騎手インタビュー |
アナ「おめでとうございました」 岡部「どうも、ありがとうございます」 アナ「今までG1のタイトルをいっぱい獲ってきた岡部騎手。 しかし、それよりもどれよりも、一番嬉しかった菊花賞じゃないですか?」 岡部「そうですねえ、やっぱりあの、今までがこう負けてましたですからね。 やっぱり3度目の正直じゃないですけど、やっと負かせたっていう気持ちですね」 アナ「それと1番人気に支持されて、しかもレコード勝ち」 岡部「そ〜ですね、え、2番人気じゃないんですか? 1番人気ですか? あ、そうですかあ、光栄です。ありがとうございます」 アナ「レースを振り返って頂きたいんですが、スタートしてから良い位置キープしてましたね」 岡部「そうですねえ、やっぱりコンディション良かったんでしょうねえ。 本人もなんか、レース前からえらく張り切ってて、あんまり張り切り過ぎないように乗ってました」 アナ「ご自分の思い通りの競馬でしたか?」 岡部「そうですね、はい。うまく流れにも乗れましたし」 アナ「流れに乗って、4コーナー最後の直線入り口、先頭で入ってまいりました」 岡部「そうですねえ、やっぱりなんせ相手は切れ味のある馬ですからね。 少しでももう離しておくしかないなと思ってましたからね」 アナ「ウイニングチケットが2馬身位後ろにおりましたが」 岡部「ええ、それは全然見えなかったんですけど、馬群からちょっと離れたなと思ったから、 少しでも離そうと思っていました」 アナ「ゴールインの瞬間はいかがでしたか?」 岡部「いや、あの〜、今まで負けてましたですから、やっと番が回って来たという感じで良かったです」 アナ「それでは、最後にファンの皆様に一言お願いします」 岡部「ども、色々ありがとうございました。これからもまたよろしくお願いしまーす」 |