新海誠を巡る旅(2005/5/3) 雲のむこうに、はるのあしおと

 『5/3の午前7時ごろに集合して、それから出発すればいいんじゃない・・・』

 旅の同行者の一人から届いたメールに、僕は一瞬おどろいて携帯を落としそうになった。

 「彼は『ゴールデンウィーク』をなめているのだろうか?」
 そんなことを思った。

 月曜日、金曜日の二日休みを取れば10連休となる暦周りの今年、は高速道路の下りのピークは5/3になるとニュースキャスターは
他人事のように言い放っていた。

 渋滞が嫌いな私は、いかに5/3の日本の道路事情が大変なのか、1時間ほど説教したい気持ちを抑えて、メールではなく
直接彼の携帯へ電話をかけると、なかば強引に、終電になってもいいから2日のうちに私の自宅に来るよう彼に伝えた。

 舞台探訪に関しては、ほとんど単独で行動をしている僕が、今回自分の車で友人を交え3人で出かけることになったのは、
まぁ、この旅のメインの目的が湖畔でキャンプだったからにほかならない。

 いわば、キャンプのついでに物語の舞台を訪れるという計画だった所以である。

 もっとも、そのキャンプ地が長野県の木崎湖なのは、まぁ、そういった仲間達だから・・・。

 5/3の午前4時過ぎには自宅を出た僕と彼は、途中でもう一人の同行者を途中で拾い関越から、長野の上田市へと向かった。
 案の定、これだけ早い時間に家を出発したにもかかわらず、しっかりと渋滞に巻き込まれました。

 それでも午前10時過ぎには目的地には到着。
 実際には上田についてから1時間ほど目的地がみつけられず彷徨ったりもしたけれど、それくらいはいつものこと(笑)
 
 長野県上田市にある旧西塩田小学校跡地。
 『雲のむこう、約束の場所』でヒロキ達が通っていたした中学校のモデルとなった、・・・と思われる場所です。
 (PCゲーム「はるのあしおと」のオープニングにも使われた学校ですが・・・)


 このあたりが「はるのあしおと」のOPムービーに使われていると思われます。
 目覚まし時計を止めてカーテンを開けた後に、すずめが2羽降り立つシーンで使われている背景がコレかと・・・。



 『一年の松浦かぁ・・・。アイツかわいいのに』
 ヒロキが三角牛乳を飲みながらタクヤと雑談をしていた洗い場。
 あのシーン、松浦さんの下の名前は絶対「亜弥」に間違いないと思った人間が3人はいたに違いない。
 で、今だに確証がもてないのが、このときタクヤが右手でいじっていたのは喫煙用のライターだったのだろうか?

 右の写真の正面奥に、一番上に映っている渡り廊下の部分があります。

 体育館


 窓ガラス越しに撮ったのでどうしても、光の乱反射が目立ってます。
 カメラの腕が悪いというのも事実ですが・・・。

 そして廊下。

 当然、校舎入り口にはカギがかかっている為校舎の中には入れません。
 はいれたら、2階へ続く階段の写真も撮りたかったのです。
 え? この写真はどうやって撮ったのかって?                               
 ちょっとだけ非合法な撮り方をしたんですよ(苦笑)

 校舎をはさんで先ほどの場所とは反対側にある水のみ場。


 校舎全景


 ゆっくりと朽ちていく世界。
 人の住まなくなった街が廃れていくように、子供のいない学校も何かにゆっくりと浸食されていく。
 昨日と比べて、今日の景色はかわらないかもしれない。
 今日と比べても、明日はさしてかわることのない景色が広がっているかもしれない。

 でも、昨日と明日の世界を比べたなら、確実に何かがわっている・・・。
 それが特別嫌なわけでも、悲しいわけでもない。
 ゆっくりとそれに慣れていく自分。

 自分だけが「変らない」のではなく「変われない」まま置き去りにされていくような感覚。
 そんな思いを振り払うようにデジカメのシャッターを押し続け、世界を固定していく。

 そんなはるのいちにち。

 それでも僕たちは止まることは出来ない。
 そう、僕たちは加速していく。

 と、いうことで木崎湖へ(笑)








 上田市のフィルムコミッションの
 この旅の後、旧西塩田小学校の校舎内の見学が出来ないかメールで上田市の観光課に確認してみたところ、
 このような回答をいただきました。

 この小学校はすでに廃校になっている小学校で、築110年以上経過しているため、老朽化が激しい状況にあり、
現在のところ撮影に積極的に活用をしていません。
 しかし、小津安二郎監督の「一人息子」、「学校の怪談4」、「零−ゼロ−」など、この小学校を舞台にした作品も多く、
みなさんからの関心ももたれているところです。

 基本的にロケ地は、撮影を目的とする制作者へ案内をしており、一般開放はしておりませんので、かわさきさんのご要望に沿えることは
できませんが、今後、ロケ地ツアーなどで、商品化していき、観光客の皆様へロケ地をご覧いただけるような取組みを考えておりますので、
そのような機会に御参加いただければと存じます




第5回へ / 非在住TOPへ