酔拳３

醉拳�V　／　Drunken Master �V

↓　香港版ポスター
 
日本版ビデオパッケージ　↑

ストーリー

　清朝末期、魔教・白蓮教の力を借りて皇帝即位を狙う袁世凱は、かつて与えた翡翠の指輪を取り返すため、沈玉のもとに腹心の李将軍を派遣した。しかし沈玉は革命戦士・楊君によって誘拐され、偶然黄麒英・黄飛鴻父子のもとに身を寄せることになる。白蓮教団と李将軍の追跡を逃れ、黄飛鴻と沈玉は酔拳の達人・仁の酒家に住み込むのだが・・・。

　
劉�ｺ華に李嘉欣、美男美女が揃う豪華キャスト

四方山話

　「酔拳２」の出来に不満を抱いた劉家良が、成龍に対抗して自身を実質上の主役に据えて製作したとも言われる映画である。しかし後に劉家良が語ったところによれば、劉家良は頼まれて途中から監督を引き受けたものの、主演級の明星のスケジュールがきつく、自身の出番を増やさざるを得なかった、というのが真相らしい。

　　
黄麒英はソフトをかぶり、黄飛鴻はベレー帽にニッカーボッカといういでたち

　ストーリー上も「酔拳２」とはまったく無関係。商業的意図から「３」をうたったのであろうが、かえって作品を貶めているような・・・。輪をかけてひどいのは日本版のパッケージ。劉�ｺ華が酔拳をあやつるとしか思えない絵柄だが、こんな場面は映画中に出てこない。決してつまらない映画ではないのだから、こうした売り方はやめてもらいたいところ。

↓　こんなに動ける60歳はそうはいない
　　
劉�ｺ華がダンサブルなアクションを見せる　↑

　思えば酔拳シリーズには、「酔拳２」以前にも続編として「南北酔拳」がある。「南北酔拳」は袁小田・袁信義の袁家班系の映画であり、その意味でも「酔拳」の続編というにふさわしい。それを無視して作られた劉家良＋成龍の「酔拳２」、そしてその続編であるこの「酔拳３」は劉家良・劉家輝兄弟の映画。こう考えてみると、ゴッド・ギャンブラーシリーズほどではないが酔拳シリーズも結構錯綜している。

↓　季天笙、中山秀征に似てるがなかなかいい感じ
　
血のつながりはなくても兄弟の息はぴったり　↑

　劉�ｺ華、李嘉欣、鄭少秋、劉家良、劉家輝に季天笙と超豪華キャスト。主演の一人である季天笙は方正玉に続いて黄飛鴻を演じるが、この映画での黄飛鴻は洋服姿で学校に通い算盤をスケボー代りにするという、ほとんどバック・トゥ・ザ・フューチャーのマイケル・Ｊ・フォックスのノリ。

　その他、「少林寺」３部作では李連杰に次ぐ主演級であった胡堅強が白蓮教徒の一人で出演しているが、あまり目立たないのが寂しい。ラスト近くで劉家良と一騎打ちする教徒も胡堅強だと思うがはっきりしない。

↓　劉家輝！おじさんにはなったがやっぱりかっこいいぞ
　　

　逆に出ずっぱりなのは劉家輝。この映画の本当の主役は劉家輝なのかも？中年になって太ってはいるが、まだまだいけるぞ、劉家輝！ストイックな僧侶のイメージが強い劉家輝だが、この映画では悪役（しかし全然憎めない！）かつコメディリリーフというキーロールを担当して芸達者なところを見せており、劉家輝ファンの私としては、とても楽しめる映画なのであった。・・・「げい」で思い出したが、任達華がゲイの刺客で顔を出す。