ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ 烈火風雲
別名ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地雄覇
黄飛鴻 鐵鶏鬥蜈蚣 /
Last Hero in China
キャスト | 黄飛鴻(ウォン・フェイフォン) | 李連杰(リー・リンチェイ) |
燕(イェン) | 張敏(チョン・マン) | |
蘇(ソー) | 張衛健(ディッキー・チョン) | |
黄獅虎(ウォン・シーフー) | 陳百祥(ナット・チャン) | |
了空真人 | 劉家輝(ラウ・カーファイ) | |
五娘 | 袁詠儀(アニタ・ユン) | |
雷一笑(雷飛) | 徐忠信(アラン・ツィ) | |
スタッフ | 監製 | 李陽中(リー・ヤンジョン) |
監製・導演 | 王昌(バリー・ウォン) | |
動作導演 | 袁和平(ユェン・ウーピン) | |
武術指導 | 袁祥仁(ユェン・チョンヤン) | |
原作音楽 | 黄露(ジェームズ・ウォン)、雷頌徳(マーク・ロイ) | |
データ | 製作 | 永盛電影公司・正東製作有限公司 |
公開年月日 | 1993.4/1〜4/28 | |
日本公開年 | 1995年(池袋シネマ・ロサ) | |
興収 | HK$ 18,178,129 | |
時間 | 112分 |
広州に寳芝林支部を開いた黄飛鴻。安い家賃に惹かれて借りた家は隣が娼館。武術の稽古をすれば歌で誘惑され、獅王戦に向け獅子舞の練習を始めれば雌の獅子舞が邪魔に入り、修行どころではない弟子達。
一方、政府高官と結託し人身売買を行っていた寺院に乗り込んだ黄飛鴻は、さらわれた娼館の経営者の妹を救出したものの、寺院襲撃の濡れ衣を着せられ、さらに獅王戦では高官の姦計によって聴力を失い、ムカデ状の鎧をまとった高官一味に敗北。寳芝林は閉鎖、佛山へ追放処分となった黄飛鴻だが・・・・・・・・
四方山話
<非公式ワンチャイ>
徐克がからんでいないので非公式ワンチャイだとかワンチャイ番外編などとも言われる映画。ワンチャイ3から一ヶ月と経ずに公開されたが、製作は李連杰自身。この映画を作ったために李連杰と徐克は仲違いしてワンチャイ降板という噂も。動作導演・袁和平、武術指導・袁祥仁、音楽・黄露というワンチャイシリーズおなじみのスタッフが多数参加、主題歌「男児當自強」の替え歌までやっては確かに徐克に喧嘩を売ったととられても仕方ない?
しかしワンチャイ以前も黄飛鴻映画はたくさんあったわけで、黄飛鴻が主人公だからといってワンチャイの亜流のように言うのはお門違いな感もあるが、あの「将軍令」の旋律にのって李連杰のアクションが炸裂とくれば、やっぱりこれはワンチャイとしかいいようがない!本家ワンチャイシリーズに比べると明らかに金のかけ方が少なく、派手さには欠ける(ワンチャイ1〜3が金のかけ過ぎというべきか?)が、李連杰の華麗な武技はたっぷり堪能できる。
この映画での黄飛鴻は怒ったり笑ったり恥ずかしがったりと感情の起伏が激しいのだが、李連杰のアクションも若々しい感じ。コスチュームも凝っていて(衣装はファッションデザイナー出身で今は監督の區丁平)全身純白の長衣姿で登場、ラストでは真紅の功夫服で酔拳まで披露。エンディングロールではNG集もあって李連杰ファンにはたまらない映画。
<パロディ>
ワンチャイ人気にあやかった単なるパロディ映画と受け取られている向きもあるが、前述のようにアクションはたっぷり、ストーリー的にも案外きちんとしており、ワンチャイを知らなくとも(知らないほうが?)楽しめるのはさすがに王昌映画!寳芝林が引っ越した先が娼館で、その名前が寳芝林ならぬ香芝館だったり、その主人の名前が黄師父ならぬ黄獅虎だったりパロディ的なところはあるが、黄飛鴻はいたって大真面目でギャグには加わらない(最後のニワトリ拳をギャグと見るかどうかは少々難しいところだが・・・)。
公開当時の広告には「動作組(袁和平率領・李連杰 張敏)挑戦動作極限!」「笑科組(王昌帯領・張衛健 陳百祥・・・)創新笑科無限」とあり、袁和平・王昌というビッグネームが各々得意な分野を監督した「一粒で二度おいしい」映画。悪役で劉家輝が出演、李連杰と「少林寺対決」しているのも見所のひとつ。
<タイトル>
原題の「鐵鶏鬥蜈蚣」とは読んで字のごとく「鉄のニワトリ対ムカデ」という意味で、内容を的確に表しているのだが、実は關コ興の黄飛鴻映画にも「黄飛鴻鐵鶏鬥蜈蚣」(’56)というまったく同じタイトルのものがある。關コ興版黄飛鴻映画には、さらに「黄飛鴻鐵鶏鬥神鷹(’58)というものもあって、ニワトリ拳は黄飛鴻の得意技だったのかも?
あのニワトリコスチュームの元ネタ、關コ興=黄飛鴻の勇姿!というか鶏姿!
また、この映画は非常に別名が多い映画でもあり、日本では「ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ 烈火風雲」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地雄覇」と2種類の題名でビデオ化されている。英語題名では「Last Hero in China」の他、原題をそのまま音読みした「Wong Fei-hung tsi titgai dau nggung」、英語に直訳した「 Wong Fei Hong's Iron Rooster vs. centipede」、さらには「Deadly China Hero」などの題名でビデオ化されている。ちなみに鄭少秋と林青霞にも「Last Hero in China」という同名の映画がある。