ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地争覇

黄飛鴻之三 獅王争覇 / Once Upon a Time in China

キャスト 黄飛鴻(ウォン・フェイフォン) 李連杰(リー・リンチェイ)
十三姨(イー) 關之琳(ロザムンド・クワン)
梁寛(フゥ) 莫少聰(マックス・モク)
鬼脚七 熊欣欣(ホン・ヤンヤン)
黄麒英(ウォン・ケイイン) 劉洵(ラウ・シュン)
スタッフ 監製 徐克(ツイ・ハーク)、呉思遠(ン・シーユン)
導演 徐克(ツイ・ハーク)
編劇 徐克(ツイ・ハーク)、陳天璇(チャン・ティンスン)、張炭(カーボン・チャン)
武術指導 元彬(ユェン・ブン)
剪接 麥子善(マック・チーシン)、林安児
原作音楽 胡偉立(リチャード・ユエン)、徐克(ツイ・ハーク)
データ 製作 香港電影工作室
(ゴールデン・ハーベスト提供)
公開年月日 1993.2.11〜3.12
興収 HK$ 27,540,561
上映時間 107分(DVD版)

ストーリー

 十三姨との結婚の許しを父・黄麒英に請うべく、十三姨梁寛を伴い北京を訪れた黄飛鴻。しかし北京は中国の武威を西欧諸国に示そうと李鴻章が計画した獅王争覇戦に揺れていた。争覇戦での勝利を狙う土地の顔役・趙天覇は賓芝林を対抗勢力とみて妨害工作をかけ、脚技の使い手・鬼脚七の襲撃により黄麒英は傷を負ってしまう。
 
 一方、十三姨は留学時代の友人である露人と再会するが、彼の正体は露国のスパイであり、獅王争覇戦の混乱に乗じて李鴻章の暗殺を計画していることが判明。黄飛鴻は暗殺計画を阻止すべく獅王争覇戦に参戦するのだが・・・・・。


四方山話

<黄飛鴻の父>

 後に「ワンチャイ<外伝> アイアン・モンキー」('95)では主人公となる黄飛鴻の父親・黄麒英が初登場。演じた劉洵徐克映画の常連、TV版「黄飛鴻」シリーズでも黄麒英を演じているほか、ワンチャイ1では冒頭黄飛鴻に扇子を渡す政府高官・劉永福を演じている。

  

<鬼脚七>

 以後レギュラーとなる人気キャラ鬼脚七も本作で初登場、演じた熊欣欣徐克映画の常連だが、徐克映画に初めて関わったのはワンチャイ1での李連杰のスタンド。このスタンドも出演とみなせば、TVシリーズも含め徐克の黄飛鴻シリーズすべてに出演している。「鬼脚七」とは、本当は梁寛の別名だったという説もあるらしいが、ワンチャイ1の梁寛=元彪が鬼脚七を演じているのが「黄飛鴻之 鬼脚七」。ところでワンチャイ版鬼脚七の本名は「趙七」だが、元彪版鬼脚七は「劉七」。


<獅子舞>

 ワンチャイの重要なファクターのひとつに「獅子舞」があり、黄飛鴻が獅子舞の名手であったのだから獅子舞が登場することは不思議ではないが、このワンチャイ3ではとにかく獅子舞にこだわっている。まず紫禁城での100頭の獅子群舞に始まり、中盤クライマックスは獅王争覇の前哨戦、そしてクライマックスは獅王争覇戦と徹頭徹尾獅子舞づくし。

  

<今度の舞台は北京>

 その紫禁城の獅子群舞を始めとした北京ロケもこの映画の見所のひとつ。ワンチャイ2を撮った後、李連杰は香港映画界を離れ隠遁してしまったが、その行方もわからぬままに撮影隊が北京入りし、李連杰と連絡が取れると同時に撮影開始、なので話の舞台が北京になった、という嘘のような話。ともあれ、中国人民解放軍の協力も得ただけあって、迫力あるモブ・シーンが連続。

  

<李連杰トップスターに>

 この映画は93年度の興行収入第6位。5位と10位は李連杰の「方正玉」と「方正玉続集」であり、この年李連杰は、興収トップテンに主演作3本をランクインさせたのである。李連杰は古装武侠片のトップスターと自他共に認める存在となった。