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    ブライト動物病院
        Bright Veterinary Hospital

腫瘍学   oncology

腫瘍とは、ある種の細胞が無秩序に増加してしまう病気です。
腫瘍には全身状態に影響を及ぼす悪性腫瘍と、そうではない良性腫瘍があります。ここでは、犬猫に比較的よく見られる腫瘍をいくつか紹介します。

リンパ腫 

リンパ腫は、血液中のリンパ球が増殖する悪性腫瘍です。リンパ腫は、腫瘍細胞の増殖する場所により、多中心型リンパ腫、消化器型リンパ腫、皮膚型リンパ腫、縦隔型リンパ腫などに分類されます。犬では全身のリンパ節が腫脹する多中心型リンパ腫が、猫では消化器型リンパ腫が多くみられます。
リンパ腫の症状は非特異的で、食欲不振、下痢、嘔吐、多飲多尿などがあげられます。犬の多中心型リンパ腫の場合は、リンパ節の腫脹を主訴に来院される方も多いです。

猫の消化器型リンパ腫

左の写真は治療前のレントゲン写真です。胃の尾側に4センチ程の腫瘤病変が認められます。細胞診検査によりB細胞性低分化型の消化器型リンパ腫と診断されました。
右の写真は抗がん剤による治療後のレントゲン写真です。抗がん剤治療により腫瘤病変が消失しています。



















リンパ腫の治療の第一選択は化学療法(抗がん剤)です。抗がん剤は、単剤投与よりも複数の抗がん剤を組み合わせた多剤併用プロトコールが優れていることが知られています。当院では、多剤併用プロトコールを用いた化学療法を行っています。また、一般的な抗がん剤が効かなくなった場合は、他の種類の抗がん剤を用いたレスキュー療法も行っています。リンパ腫は全身性疾患なので、放射線療法や外科手術が適応となることは稀です。



皮膚肥満細胞腫


肥満細胞腫は、炎症やアレルギー反応に関連する肥満細胞という細胞の腫瘍です。犬では皮膚に発生することが多く、猫では皮膚、内臓に発生します。皮膚の肥満細胞腫の外見は様々で、硬い病変、柔らかい病変、単発性、多発性などあらゆる形態をとりえます。腫瘍が縮小したり拡大したりするのも特徴です。症状は皮膚症状が一般的ですが、肥満細胞の中に含まれる顆粒が放出されることで、腫瘍の周囲が赤くなったり、嘔吐、食欲不振、血圧低下などの全身症状がでることもあります。
肥満細胞腫には、病期(腫瘍の浸潤の程度や転移の有無など)によるステージ分類や組織学的なグレード分類があり、それらにより進行や予後が異なります。犬の肥満細胞腫は悪性度の低いものから高いものまで様々です。一方、猫の肥満細胞腫は犬に比べ悪性度が低いことが多いですが、猫の消化器に発生した肥満細胞腫は予後がよくありません。
肥満細胞腫の治療は、外科手術と放射線治療による局所治療が第一選択となります。外科手術や放射線治療ができない場合や、それらでコントロールできない場合は化学療法を行うこともあります。外科手術では、外見上腫瘍が取り切れているように見えても腫瘍細胞が浸潤していることもあるため、正常に見える皮膚も含めて切除します。腫瘍に加え切除する部分をマージンといいます。当院では、マージンを十分にとり腫瘍を切除する手術を行っています。また、分子標的薬という新しい抗がん剤も取り入れ、必要に応じて使用しています。

皮膚肥満細胞腫

左は犬の腋下にできた皮膚肥満細胞腫です。
右は猫の皮膚にできた巨大な皮膚肥満細胞腫です。この症例は肥満細胞が脾臓や消化管など全身性に播種していました。