せっかくだからいい音で聞きたい。出来れば、いい音で録音したい。
これは当然のこと。だけど、そこでよく考えて下さい。あなたの言っているいい音は、どんな音ですか?
街中でよく、大音量で車の中からシャカシャカと高音だけしか聞こえてこないのや、やたらと低音ばっか
りブンブンいってるのって見かけませんか?
両者とも、自分の好みによってもちろん調整してるのだと思います。ですが、スタジオとしてのいい音
とは、総てがフラットに聞こえてくること、総てが自然に聞こえてくることなんです。
前に書いた車を例にすると、シャカシャカは、高音を単純にイコライザー(以下EQ)やDSPと呼ばれ
る音場を変化させたり、バランスをかえたりする物によってブーストしてあげればいいし、ブンブンは
低音をそうしてあげればいいのです。
ですが、それはスタジオでいうフラットではありません。
ここで紹介する事は、あくまでスタジオとして機能させたり、聞いたりと言う事がメインになります。
(当然、シャカシャカ、ブンブンが悪いと言っているのではありません。ですが、スタジオとして聞くに
はあなたと同じ好みの人はいいのですが、他の人は辛いものになってしまいます。要は、いかに客観性が
あるかと言うことです)
実際のプロのスタジオをつく際には、何回も測定をし、部屋の作りや、形状、使用部材などをコンピュー
ターに解析させ、ベストな状態を調べ、作り上げていきます。ですが、みなさんの部屋の場合、壁をぶち
抜いたり、天井を斜めにしたり出来るわけがありませんし、お金も莫大にかかってしまいます。
そこで、このコーナーでは、なるべく身近にある物の工夫で、より良いスタジオを作っていきます。
さて、最初に考えていただきたいのは、音量と、部屋の大きさと、その材質についてです。簡単に言うと
木造で大変大きな音でステレオなどを聞くと、当然部屋の外に音が漏れます。コンクリートの部屋で同じ
ように聞くと、一般的に木造よりは漏れが少ないです。(本当は難しい理論や、考え方、条件などに
よって違いがあるのですが、ここでは一切抜きで考えましょう)。
ですが、コンクリートは木造に比べ音を反射しやすいのです。反射すると言うことは、スピーカーから
出た音を濁らせやすいということです。
引っ越して、何もない部屋にはいって話をしてると、変に響きませんか?そして、家財道具や、
ジュウタンなどをひいて生活し始めると、響きはいつの間にか消えてしまったことがありませんか?
これは、家財が、反射を抑えて吸音効果をもたらしたからです。
このように、今置かれている現状を把握しましょう。その上で、このコーナーを読んでいただければ、
効果てきめん!
いよいよ次回から、少しずついい音にしていきましょう。
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