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08.07.2001 (Tue):『ファニチャー・アクセス』

■また久方ぶりのspinnです。行き詰まり/煮詰まり/つまり/ずっぱまり/なんて鼻ライムも飛び出すような、個人的に因果な韻を踏む毎日を僕は送ってたよ。まあよくある話です。
■で、そんな僕の低空生活に風穴をあけてくれたのが、アレっすよ、ブロードバンドってヤツなんだ〜。会社と比べるとひどく低速な自宅の56kモデムにだんだん不満が募ったので、速度20倍強で常時接続の「フレッツADSL」をNTTに大申し込み→8月頭に工事完了。‥‥‥いや〜確かに「20倍」は体感できる変化だわ。月の通信コストが合計で2000円くらい上がっちゃうけど、うん、全然OKです。
■とかって速度に対する不満から出発した今度の導入劇だから、最初は読み込みの速さに素直に感動してました。してたんだけど、そのあと本当に訪れたシアワセは、速度じゃなくてむしろ「常時接続」のほうにありました。なんかね、考え方が全然違う感じなんだよ。
■例えば、インターネットラジオなんか聴いたりするわけです。検索エンジンで適当に単語入れて探したこのFlareSoundとかで、土曜の午後だってのにディープハウスなんか鳴らしちゃってね。あれ、なんかいい風〜とかね。この曲好き〜なんていわれちゃう感じね。
■で、最初のうちはモニターに映るWWWサイトの画面眺めながら聴いてるんだ。そしてずーっと聴いてると‥‥‥やがて画面に飽きる。あたりまえだ。で、コンピュータほっといて雑誌とか見ちゃう。お茶入れる。ヘタしたらちょっと寝ちゃう。それでも常時接続なわけだから、通話料とかなーんも気にせず音楽は鳴らしっぱなしのままなんだ。
■私事ではありますが、僕はもう小学4年生の頃=20年前(うわ、ほんとだよ!)からパソコンに興味を持ち・関わりを持ってきました。(ここで遠い目になって)マシン持ってなくてもLaoXとかの電器店に行って、店頭デモ機を使って簡単なプログラム組んだりしちゃってさー‥‥‥ああ、そしてそれから幾星霜、僕はたぶん生まれて初めて、その時コンピュータを「家具」として扱ったんだよね。
■有り難いお説教を聴くようにして20年間モニターを注視し・コンピュータに意識を集中しながらコンピュータを扱ってきました。だけど、土曜の午後にインターネットラジオを聴いてたとき、僕の中からコンピュータに対する意識は消えていた。サティの「家具としての音楽」じゃないけど、存在を主張しないかたちで、初めてコンピューターを使ったなって思ったんだよね。
■もちろん、こうして僕がやってるみたいにモニターに正面から向かって、ガチガチに注視しながら文章書いたりとかそういう使い方がなくなっちゃうわけじゃない。でも、ネットにつながった状態で・そっと背景に溶け込みながら、気持ちに気持ちいい出力を続けるコンピュータもいいもんだなって再確認したよ。
■コンピュータに関するイメージって、家中のオートメーションを1台でコントロールできちゃうみたいな、例えると大統領かロックスターみたいなものだったりするじゃない? もちろんそれもいいんだけど、家具みたいに薄い存在で部屋の中にバラバラ散在し・それぞれの機能をそれぞれ寡黙にこなす、そういういわば「DJ」とか「VJ」とか「照明さん」みたいなコンピューターも悪くないと思うんだけど、どうか。
■なんか、何年かして読んだら相当つまんなく見える話をしてる気がしてきました。というか逆に、この話がつまんなく見える未来になって欲しいと先生は思います。そんなところで、それじゃ、またね。