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虜屋視聴記 (aka 鳥小屋視聴記 ) - 携帯音楽デバイス


携帯再生機器


Creative NOMAD Jukebox Zen 20GB/USB2.0 ※USB接続HDDプレーヤ
安定性:★★★☆☆
拡張性:★☆☆☆☆
音楽性:★★☆☆☆
経済性:★★★★☆

 【このページコメントを再編成して製品評価サイトWAAGCNET/J REVIEWに投稿しています】

 フィーリングとしては、古い録再MD(SONY/MZ-R3)やポータブルカセットプレーヤが一番近い、そんな感じ。
 大きさと重さの問題から、前時代的プレーヤといった感じの印象を受ける。
 標準添付のソフトジャケットには背面にベルト通しがあり、ポケットに入れて持ち運ぶ事には無理があるという点はメーカーも当然のごとく認識しているらし い。
 (この点では、PCカードサイズHDD(1.8inch)利用機器の方が当然有利)
 内蔵ストレージが2.5インチHDDであり、ノートPC並に手厚く扱う必要がある。携帯機器としてはちょっとやっかいな問題であり(メーカーの見解では「ウォーキングなら問題なし、より激しい運動ではNGとマニュアルに示している」)、この辺が従 来的携帯機器との一番大きな違いかもしれない。
 満充電時の動作時間は10時間強。

 ストレージクラス(データ保存用機器が一般にサポートする機能)には対応しておらず、音楽ファイル転送にもデータファイル転送にも専用ユーティリティが 必要(データファイルを扱うユーティリティはフロッピーディスク1枚に収まる。ただし標準添付のカバーケースには、これを 納める場所など無い)
 [2003/10/08]ストレージクラス扱いではないので、データを転送していない場合はいつUSB ケーブルを引き抜いても問題が発生しないとゆー利点を持っています。パソコンに不慣れな人にとってはこの方がわかりやすいかもしれず。
 内蔵HDDは非標準フォーマットとなっており、外部からのデフラグ操作は不能。大量にファイルを消したときや、ファイ ル操作終了直後などにハングアップし手動リセットした直後などには1分程度のシステムチェック(デフラグ?)がかかる。

 再生用ファイルの管理方式はID3タグと似たデータベースによるもののようで、アーティスト名やアルバム名などから一括検索するか、タイトルを直接選曲 する方式。

 再生用ファイルの管理方式は基本的にはファイル単位だが、「アルバム(自動命名)」「アーティスト(自動命名)」「ジャンル(ID3タグそのまま)」を 元に一括選択できるようデータベースが構成されている(曲名はID3タグ内容が転記されるが、アルバム名やアーティスト名は転記されない)。
 ※ID3タグなどの情報を生のまま転送する事も可能だが、はっきり言っておすすめできる方法ではない。
 アーティスト名とアルバム名は「転送時に一括で自動設定できる(フォルダ構成をたどって付けられる)」ため、元となる音楽ソースの 入ったフォルダをある程度規則的に構成しておく方が良い。
 #何もせずにプレーヤへ転送すると…とんでもない事になります(笑)。一度試してみると、その絶望的状況がよく解って フォルダ再構成をする気が起きるかもしれません。

 「フォルダの再構成」とはいっても、ふつうに音楽ファイルを管理している人ならまず大きな変更を行う必要はなく、やる事はただ、「音楽 ファイルは必ずアルバム名もしくはシングルであることを示す名前を持つフォルダに入れる(これより下にフォルダを作成しない)」、「これらのフォルダを必 ずアーティスト名をもつフォルダに入れる」(=アーティスト名フォルダ などの中には直接音楽ファイルを置かない)ようにすることだけ(確かにはじめは面倒ですが、一度下記手順通りに再構成するとかなりフォルダの見通しが良くなるはずです)

 まず、最下位フォルダをアルバム名または「#singles」などとして、その一つ上のフォルダがアーティスト名となるようフォルダを構成する。
 【注:下記画像中の「Classic」にあるような規則外フォルダを作らないでください!!せっかくの整理整頓が無駄に なる可能性があります】 
 既存の音楽ファイルライブラリが既にある場合、おそらくは各アーティスト毎にシングル専用フォルダを作り、そこにファイルを移動するだけ でよい。
 (シングル専用フォルダの名前も当然のごとくJukeboxZen上で「アルバム名」扱いで表示されるため、 JukeboxZenの操作をシンプルにするためには表記統一した方が良い。)



 次に、転送用アプリである「PlayCenter」を起動する。
 直接JukeboxZenに音楽ファイルを転送する場合には、左側の「NomadJukebox」ボタンを押してから「転送」を押す。
 一旦PlayCenterへ音楽ファイルの情報を登録してから音楽ファイルを転送する場合には、左側の「PCミュージックライブラリ」ボタンを押してか ら「転送」を押す。
 PlayCenterに一旦登録して、それから「AutoSync」機能を用いてシンクロする場合には下記のダイアログが出る。
 (PlayCenter画面左側の「PCミュージックライブラリ」を選択してから近くにある「登録」ボタンを押した場合)

 ここでそのまま(トラック情報はフォルダ名を参照)OKをクリックするとフォルダ名を元にアルバム名とアーティスト名が振られる。
 一方、上の方(タグ情報を使用)を選べば、音楽ファイルに書かれたタグ情報を生のまま登録することになる。
 PlayCenter画面左側の「NomadJukebox」ボタンを押してから近くにある「登録」ボタンを押した場合には、常にフォルダ名を元にアル バム名とアーティスト名が振られる為、このダイアログは出現しない。

 以後転送すべきフォルダを選ぶ画面が出るので、適宜ソースの入ったフォルダを選択する。
 つぎに、ファイルをJukeboxZenに転送する際に出る「一括登録」ウインドウがるので、下記「アーティスト」ボタンをクリックしてこれを「上位の フォルダ名」に変更する。



 これで、アルバム名とアーティスト名を一括でJukeboxZenに登録できるようになる。
 音楽ファイルについているタグ情報をいっさい編集することなく使えるため、「タグ情報のアーティスト欄やアルバム欄を1バイト単位で合 わせ込む」などという現実味のない操作は不要(=よってファイル破損の危険性もありえない)。
 もっとも、この方法では実際のフォルダを整理せねばならず初回の転送指定も必要(デフォルトのままでは使いづらい)だが、正直言って タグ情報を編集するよりは遙かに楽だったりもする。
 この方法であれば、曲の追加時は上記規則通りにフォルダ入りファイルをつっこむだけでよく、結果として管理は楽になる。
 ただしこの方法を利用する場合、一つだけ注意しなければならない事がある。プレーヤ自体は多国語環境 に対応しているが、ごく一部のローカルな文字セット(日本語の場合には半角カナ文字セット)が正しく表示できない。試しに半角カナ文字付きのフォルダを転 送してみると、豆腐(□)に化けてしまう。そのため、フォルダ名自体を転送前に全角カナに変更しておいた方がよい(転送アプリ側での自動変換は行われな い)。また、2バイト文字コードがUnicodeなのか、「直」「置」「板」「楽」などの一部文字は若干見慣れない字形となってしまっている。

 特徴の一つとしてEAXというエフェクト機能を搭載し、疑似3Dサウンドやスマートボリュームなどの環境を提供する。ただしDSPを駆動して実現してい るため多少は電池の持ちに響くため、同様に電池持ちに響く手動操作の併用を頻繁に行う人は注意が必要。
 #本機の場合、16MBのSDRAM(PC用の128MBメモリモジュールについている石一つ)をリードキャッシュとし て用いてHDDの運転時間を最小限にとどめ省電力化を達成しているため、選曲などの手動操作を行うと著しく電力を消費する。逆説的に言えば「128MB程 度のキャッシュメモリがあればアルバム1枚分強の音楽データをノンHDDアクセスで演奏し続ける事ができる」ため、(SDRAMが常に電力を消費するとは 言えども)特定の条件下に限ってはより長時間の演奏を行えるHDDプレーヤが、(数千円程度のコストアップで)現行技術のまま容易に製造可能である事を窺 わせる(この状態であれば単なる半導体プレーヤ+非動作HDDなので、振動や落下にもわりと強い)。残念ながら数が出ない現状では専用処理チップを使えな い(大電力を消費するDSPを使わざるを得ない)が、これも時間が解決してくれる(おそらくは3年と掛からない)はず。

 音質は「それなり」でしかないが、そもそもmp3/128kbpsなどのファイルフォーマットでは「ソース自体がそれなり未満の音質」 でしかないため、あまり重要な問題ではないかもしれない。
 SN比98dB、チャネルセパレーションも70dB以上あり、数値的な管理は行き届いている。
 ヘッドフォンのSennheiser/HD590(120Ω-97dB/mW)を接続してみたが、おおよそ必要な音量は確保できた。 極端にダイナミックレンジの広いソース(おそらくはクラシックや生録音)でもなければ問題なく再生できる(同社製 HD600(300Ω-97dB/mW)の場合でもそれなりの音量確保は可能だが、本来HD600を利用するユーザーにとって必要な音量かどうかは不明)
 またSony/MDR-7506(64Ω-106dB/mW)であればかなりの音量を確保でき、よほどうるさい場所での試聴にも困らない。
 ボリウムの加減がほぼ外出向き設定(「レベル1」でもそれなりに音量がとれる)であり、家庭内かつ小音量での試聴時にはハイインピーダンス仕様・開放型 のヘッドフォンの方が向いている。逆に外出使用時など比較的音量を確保する必要がある場合にはローインピーダンス仕様・密閉型のイヤフォン・ヘッドフォン を使用すればベスト(標準添付イヤホンについては開封すらしていないので不明)

 USB2.0接続において128kbpsレートのMP3ファイルを転送するためにかかる時間は大体1秒強/曲。おおよそ4MB/sec(= 32Mbit/sec)であり、HDDを搭載している割にはあまり高速な転送とはいえない(内部のIDE-HDDコントローラが問題?)。20GB (19056MB)の容量すべてを使い切る場合、転送には1時間半近くかかる計算となる。
 もっとも、これでも「アルバム10枚分のデータを2分半で転送できる」、つまりは「240倍速」であり、使用方法によって体感速度が変わる可能性は高 い。
 #省電力動作のためには、HDD満杯まで使い切るような使用法は避けた方が良い。

 果たしてこれは買いか?
 価格的に見れば、「MD+CDコンポとMDポータブルプレーヤを買うよりは安い」であり、ソース管理面では「PCで使用している MP3/WMA/WAVがそのまま使える」となる。
 本体サイズは大きく重量もあるが、これも初期の機器には比較的ありがちな体裁で、新しもの好きな人が持つ分には何も不自由なところは ないだろう。
 操作性は…リモコンが「別売り」なのが痛い。「標準添付のソフトジャケットにはベルト通しがついているというのに」なぜリモコンバンド ル済みのパッケージがないのかと首を傾げたくなる売り方である(…もっとも、同社コントローラには単純 なワイヤードコントローラとFMレシーバ機能付きワイヤードコントローラの2種類があるので、それが原因かもしれないが)
 据え置きプレーヤや車載プレーヤとしては…おそらく簡単には使えない。過充電防止機能は付いているが、受電時に熱が 発生し本体内にこもるらしく、メーカーではACアダプタの常時接続を推奨していない。毎回ACアダプタを付け外しすれば問題はないが、面倒。
 転送用アプリケーションの初期設定値は詰めが甘く(注:「アーティスト名」命名絡みだけですけど)、使い始めにとまどう可能性がある。

 なかなか厳しい部分もあるが、内蔵電池が死ぬ頃(2年後?)にはより小さく扱いやすいHDDプレーヤが安価に出回るはずで、それまでの つなぎとして使う限りは必要十分。

 #個人的には、さっさとOggVorbis対応プレーヤが出てほしい気分。
HDD交換可能性についての考察
※要注意
 下記通り追試を行ったところスキップノイズが多発したため、すくなくともJukeboxZen20GB/USB2.0+IBM製HDDの組み合わせはお 勧めできません。
 また、取り外したHDDは他に流用せずそのまま放置してください(修理時に戻しておく必要があるので)。
 なお、試しに製品付属HDD(Fujitsu/MHT2020AT)をNTFS5で初期化した場合、トラック情報のみが残るためレスキューモードによる フォーマットが必要になるものの、再度音楽ファイルを取り込んで正しく演奏させることができました。従って、これはJukeboxZenとIBM製 40GBハードディスクとの間の相性問題と言うことになります。
(2003/05/03追記)

※この手順は、某メーリングリスト掲示→価格.com転載コメントの焼き直しです。
※私は価格.comでしか見ていなかったので、どなたの書いた文章かは解りません。
※念のため、Zen20GB/USB2.0にて追試し、その結果を基に書き直しています。

準備する物:
・交換用HDD、ATA接続、2.5インチ、9.5mm厚→[IBM 40GB IC25N040ATCS04は避けること]
・精密ドライバのプラス(プラスゼロ/+0が適当)
・精密ドライバのマイナス(刃先幅3mmくらいが適当、こじり開け用)
・つまようじ、もしくは光ドライブ用のイジェクトピン(リセットボタンを押すために必要、シャープペンなどはNG)
・JukeboxZen用のファームウエア(最新の物がCreativeサイトからダウンロード可能、サポート→ソフトウ エアダウンロード→対応OS・「デジタルオーディオ/JukeboxZen(USB2.0)」を選択→「Creative NOMAD Jukebox Zen USB 2.0 ファームウェア アップデート」をダウンロード、あらかじめ解凍しておくこと!)

交換用HDDのメーカーは問わない模様、ただし消費電力の大きなドライブは避けた方がいいかも。
元ネタでは「東芝 40GB MK4018GAS / 9.5mm,4200rpm」で換装に成功しているようで、私の場合は「IBM 40GB IC25N040ATCS04」での換装に成功していま す(→翌日の動作検証にてスキップノイズが多発、実用不 能)。32GB越の部分への書き込みはまだテストしていませんが、40GBタイプをそのまま出荷したところからして、本 機には32GB障害は無いものと思われます。たぶん、128GBを越えない限りは装着可能と思いますが、未チェックのため詳細不明。

転送に要した時間は80分42秒(4842秒)、1曲5MBあたりの推定転送時間はHDD最外周(始点)で0.8秒程度、中間部で1.4秒程度といったと ころでしょうか。最外周まで書き込もうとすると、おそらくその辺の書き込み時間は1曲あたり3秒程度かかるものと思われます…

交換手順は次の通り。

  1. 「裏蓋」を止めている4つのねじを外す。
  2. 裏蓋を外す。ねじ穴部にプラスドライバなどを引っかけて少しずらし、隙間にマイナスドライバを挿入→マイナスドライバを90°回 して少し開く…という動作を全周にわたって慎重にやっていってください。
    いい加減にやると、裏蓋が簡単に曲がってしまいますので。
  3. HDDを固定している金具を外す。
    金具下近くに付いている封印シールは、浮いている部分につまようじなどを軽く差し込んで、巻き上げるようにはがしていくと破れず綺麗に剥がれる。
    ヘッドフォンジャックに近い側が爪で、遠い方が支点になっている。爪部には爪やマイナスドライバを引っかける場所があるので、構造を見ながらマイナスドラ イバをつっこみ、手前に引いて爪を外してから、そのままゆっくりと手前に引き出すといい感じ。
  4. HDDをケースから取り外す。
    HDDは側面角部を粘着テープ付きスポンジに、下部を遮熱用スポンジに保護されているので、結構きつめに入っている。ただしねじなどによる固定はされてい ないので、これもマイナスドライバを差し込みゆっくり外していけば問題ない。
    ヘッドフォンジャックの反対側(HDDラベル表示下側)にフィルムケーブルがあるので、それを傷つけないように外す。
  5. HDDからフィルムケーブルを外す。
    フィルムケーブルを引っ張るとコネクタとの境目に亀裂が入り断線するため、黒いコネクタの部分にマイナスドライバを引っかけて、てこの様に左右交互に少し づつ外していくと良い。
  6. HDDからスポンジを外す。
    角に付いている粘着テープ付きスポンジは、HDD封印シールと同様につまようじでそっと剥がす。
    裏面(基盤面)のスポンジは、一切固定されていないのでそのまま外し、プレーヤ側に敷き直す。
  7. 交換用HDDに対し(先に外した)スポンジを付けなおし、フラットケーブルを付けなおしてからケースに収め直す。
    ここでもゆっくり。
    角に貼り付けたスポンジがめくれあがらないように注意しながら収める。
  8. 「再生・一時停止」ボタンを押しながら、つまようじなどでリセットボタンを押す。
    下のような表示が出る。メニューボタンを押しながらリセットをしても通常リセットにしかならないので、ボタンをよく見てリセットする。
  9. レスキューモードが出現したところで、「1:Clean Up/2:Format All/3:Reload OS/4:Reboot」のうちの「2:Format All」を選択し、HDDを初期化する(数秒)。
  10. フォーマットの完了を確認したら、もう一度リセットボタンを押す。
  11. JukeboxZenをパソコンに接続。
    よけいなプログラムは終了させておくこと。
    ACアダプタを必ず接続すること。
    完全放電時には数十分通電し、電池表示が2目盛になるまで待つこと。
  12. JukeboxZen用のファームウエアアップデータを実行する。
    アップデータがJukeboxZenを認識したら、Updateボタンを押す。完了まで2分弱。
  13. 英語表示に戻るため、必要ならば日本語表示・日本語入力になるよう設定を変更する。
  14. 「再生・一時停止」ボタンを押しながら、つまようじなどでリセットボタンを押す。
  15. レスキューモードが出現したところで、「2:Format All」を選択し、HDDを初期化する(数秒)。
  16. 「1:Clean Up」を選択し、HDDのスキャンディスクを行う(数秒)。
  17. すべての動作を確認したら、もう一度リセットボタンを押す。

※手順14~17は元ネタにはありませんでしたが、私の場合はこの手順が必要に感じたため追加しています。

 この手順を追うことで、本体側からも転送用アプリのメディアセンターからも、正しく40GBのHDDとして認識されます。

date:2003/05/02

date:2003/03/15 +2003/03/22 +2003/05/02
- Creative NOMAD Jukebox Zen 20GB USB2.0 -


Creative NOMAD MuVo2 (mjuvo square) ※USB接続HDDプレーヤ
安定性:★★☆☆☆ 【PC接続時の取り扱いや挙動がUSB-HDD同様に若干やっかい】
拡張性:★☆☆☆☆ 【単品では何も出来ないので…】
音楽性:★★☆☆☆ 【JukeboxZenとほぼ同等】
経済性:★★★☆☆ 【大容量を望む人にとっては★2つかと】

 まず注視すべき点は「本体サイズ」。MDメディアよりも小さく、一緒に並べているShure/E2&同収納ケースや下に置いたHDDのサイズと 比べてみるとこんな感じに。



 JukeboxZen系統とは異なり、付属ケースは本体インターフェースを隠すように作られていて、いかにもワイアードリモコンを売りたがっていそうな 雰囲気。このケース、せっかく短尺USBケーブル(付属品)を収納できるように作られているにもかかわらず、試しにイヤフォンを巻いてみると肝心のイヤ フォンハウジングの収まりが悪く、断線事故などが起きそうでちょっと残念。どうせならば付属イヤフォンもまとめて収納できれば良かったのに…。
 付属イヤフォンは…解像度は相変わらず悪く「低音の量感が出ていればそれでよし」風味ですが、ようやく「64kbpsソース向けなら何とか使えそう」な レベルのものが付いてくる様になったんですね。仮に単品販売するならば…880円位か。
 #イヤフォンはとりあえず10分弱ほどいくつかの機器に差して音質確認を行ったのみで、あとは封印してしまいましたが。

 USBマスストレージとしての性能で見ると、「1.5GB・3.0MB/sec・電池またはACアダプタ駆動(ストレー ジモードとUSB経由給電モードは排他)」といった感じで使いにくい部分はあるものの、専用の転送ツールを必要とせずに使える点は便利(挿抜絡みでの扱いづらさは増しているから、人によって評価が分かれるだろうけど)
 #付属電池は日本語表記がデタラメで信頼感に欠ける感じ。直そうという意志があれば改善できる部分なはずなのですが…あ るいはわざと?
 1.5GBと容量が中途半端なので、JukeboxZenのように何でもかんでも詰め込んで…という用途にはもちろん向かず、「64kbpsにダウンコ ンバートして詰め込む」か、「256kbps以上のビットレートかVBR/Q0で取り込み直して使う」のどちらかになりそう。

 小型化した分だけ音質は劣化しているのではないかと心配しましたが、JukeboxZenとほぼ同等のクオリティは確保されています。むしろ Creativeらしさの演出を付属イヤフォン側に依存しているようで、他のイヤフォンを用いた時の印象はJukeboxZenより無個性に感じました。
 出力は十分に確保されています(Fostex/T-50RPでもうるさいくらいに鳴らせる)が、最小音量 付近の絞りは相変わらず絞り切れて居らず(ある程度改善はなされてはいますが)、Shure/E2などの低 インピーダンス・高効率イヤフォンを使う場合、特に低い音量を得ることが出来ないために難儀する場合があるかもしれません。

 本体操作インターフェースは簡素で、4方向+垂直押下のセレクトボタン(表面中央右)と電源投断兼用の再生・一時停止ボタンがあるのみ。両ボタン共に慣 れないと押しづらいです(誤操作防止を優先したものと思われる)
 国産の携帯電話が持つ平均的なインターフェースと比べると、より深く押し込まないと反応しない点が気に掛かります。
 ソフトウエア的なインターフェースはシンプルで、「まあまあ」と言ったところ。演奏すべきフォルダを選んで再生ボタンを押すと、下位階層のフォルダ勝手 に漁って再生…と、期待通りの動作をするので、マニュアルを読まずとも迷うことなく操作できます(ただし実質数ページの紙 マニュアル2冊は必ず読まねばなりませんが…)

 結局のところ、本製品は「確かにノイズなどの問題はほぼないが、音楽性をきちんと煮詰めることが出来ないままとなっている」ため、JukeboxZen と同等のラインにあると考えざるを得ない代物となってしまっている気がしました。
 この製品に本来求められるべき性能はきちんと出ていますが、だからといって「仮にハイビットレート収録のソースを収めたとしても、そのソース自身をきち んと表現できるわけではない」という点には十分留意する必要があると思われます。

 【2004/04/11:白色のインナーイヤフォン…Shure E3あたりとの組み合わせがお奨めかも。】

date:2003/11/29(memo) +2004/01/01
- Creative NOMAD MuVo2 (mjuvo square) -


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