不妊治療とは・・・

私って不妊症なのかな・・・?
そう思ったときに「でもどうなると不妊症なの?」・・・って思いませんか?
定義は「避妊をしなくなってから2年間経ても妊娠しない」ことです。でも、1年以上経っても赤ちゃんに恵まれず、不安になって婦人科を受診することは悪いことではありません。年齢的にも30歳を越えたら一度は受診することをオススメします。

 原因について

一方的に女性側の原因と決めつけることはできません。
夫婦での治療が一番望ましいでしょうね。女性・男性の主な不妊原因とされることを知っておきましょう。しかし、具体的な治療は医師の方針や個人の症状の程度にもよります。思い当たる方は早めに病院を受診することをご一考下さい。

女性側の原因

排卵障害 ホルモン分泌の障害などによって、ある大きさまで卵胞が成長しなかったり、排卵が起きない状態です。基礎体温で2相性になっていなければ一度検査してもらいましょう。
黄体機能不全 黄体ホルモンの分泌異常などによって、内膜が厚くならなかったり、受精卵が着床しにくい状態です。
卵管閉塞 卵管が何らかの原因により詰まったり狭窄した状態です。子宮内膜症による癒着や、炎症による癒着などが考えられます。卵管造影で閉塞の有無を見ることができます。
子宮頸管粘液の異常 頸管粘液の減少がある場合、精子の進入が困難になります。
子宮内膜症 子宮内に本来あるべきはずの内膜が、卵巣や直腸等に見られることです。生理の周期に伴って、増殖・剥離・出血を内膜が飛んだ子宮外でも繰り返します。そのためお腹の中に癒着を起こしたり、卵管閉塞の原因になったりします。徐々に生理痛が酷くなったり、生活に支障があるほど生理痛を伴う人は検査してもらいましょう。内膜症が起因して卵巣内で血液が溜まった状態を「チョコレート嚢腫」と言います。
子宮内膜症があっても妊娠は可能ですが、不妊で精査する人の多くにみられるようです。妊娠することが治療でもあります。
高プロラクチン血症 乳汁分泌に使われるホルモンのプロラクチンが多い状態です。これがあると排卵を抑えてしまうので排卵障害の原因になります。血液検査でわかります。

男性側の原因

無精子症 精液中に1匹も精子がいない状態です。正常よりも少ない状態は乏精子症と言われます。無精子症の場合、ホルモン検査で造精機能障害が疑われれば、精巣生検で詳しく調べることになります。
精索静脈瘤 精巣からの血管の流れが悪くなりこぶ状になることです。精子が作れなくなってしまうので治療が必要になります。
その他 性欲がまったくなかったり、勃起が不十分だったり、射精が出来ない等の状況にある場合、ストレスが原因になることもあります。必ずしも病気が隠れているとは言い難いのですが、長い間このような事で悩まれているのなら泌尿器科の受診をオススメします。

不妊治療のステップアップ

治療の段階は個人によって全く違います。検査を行って原因がわかればそれぞれの対症療法が行われます。
特別な原因が見つからなければ、まずは自然妊娠を目標に治療に入っていきます。

<タイミング指導>                                          
低温期にエコーで卵胞の成長具合を診ていきます。排卵直前のタイミングをみて夫婦関係を持つ日のタイミングを指示してもらいます。自然排卵、または排卵誘発剤で成長を促した後、HCGを筋肉注射して24時間〜36時間で排卵が確実に起こるようにする方法が多いようです。私の通院する病院では、高温期に入ると着床を助ける意味でHCGの注射を追加します。

<AIH>                                              
人工授精を言います。タイミング指導と同様に排卵時期の目安を診ていき、精子を注射器などで子宮内に注入する方法です。採取した精子を洗浄して元気な精子を選んで、さらに運動率を少し良くしてあげて注入するようです。自然排卵に合わせて、または誘発剤で卵胞を成長させて行います。

<IVF・ET>                                           
体外受精を言います。排卵誘発剤で卵胞を成長させてある程度の大きさに成長したら採卵します。採卵した卵と精子をシャーレなどの中で受精させて(IVF=体外受精)分割胚を子宮内に戻します(胚移植=ET)。一度に数個の卵が採取出来た場合は、受精卵を凍結保存することができます。ただし、管理費がかかります。

<ICSI>                                             
顕微授精を言います。受精に障害がある場合等に勧められるようです。基本的には体外受精と手順が似ていて、顕微鏡を使って受精をさせ、受精卵を2〜3日間培養して分割胚を体内に戻します。                             

最後に・・・

病院へ行こうかな・・・?と思ったら。。。

そう思っても、何か自覚症状が強くない限り、なかなか行けないのが現状だと思います。
診察時の内診への恐怖感や不妊の原因を指摘されたらどうしよう。。。とか考えたらホントに先延ばしにしてしまいますよね。
私は病院に行って一番良かったのは心のモヤモヤが取れたことでした。自分で勝手に不妊症かもしれないと決めつけて落ち込んで、回りの「妊娠」という言葉にかなり敏感になっていました。結局、こればかりは自己判断ができませんから、専門の医師に判断を仰ぐのが一番だと思いました。
治療をどう進めるかはご自分の意志で、ご夫婦で決めれば良いことです。中途半端な気持ちの辛さからは抜けだしましょう。
でももしかしたら、その先には治療との闘いでもっと辛いことが待っているかもしれません。その時はその時です。改めて現実を受け入れましょう。そしてご夫婦で辛いことも乗り切る強さを身につけましょう。
辛くなった時には、お休みの時間を持って見つめ直しましょう(*^.^*)。

疲れたな・・・と思ったら。。。

病院へ通うようになると、妙に期待感が強くなりすぎて、妊娠していなかったときのショックが大きく感じることがあるかもしれません。また、思ってもいなかった原因がみつかって治療に焦りを感じたりするかもしれません。病院の通院も楽ではないですよね。
疲れたな・・・そう思ったら、一時の休息をいれましょう。自分の好きな事、やりたい事に思いっきり時間を使いましょう。無理・我慢は禁物です。心の疲れは体にも現れます。
自分でこれからどうしたいのか、医師に話して相談してみましょう。こちらの気持ちを理解してくれないような傲慢な医師は、今時少なくなったと思っていますが・・・。
“頑張ろう”ってばかりじゃ息切れしちゃいますよね。
リフレッシュできたらまた治療を再開すれば良い、そう思います(*^ ^*)。