戦場に向かう輸送ボートに乗っているときに戦闘機の機銃掃射を受けたら、どうしようもない。逃げ場もなく、次々に撃たれるソ連兵士。悲惨です。

ソ連軍の戦い方。物資不足なのか、ライフルは2人に1人。全員で無謀な突撃をして、ライフルを持った兵士が撃たれたら、持っていない兵士がライフルを拾って、なおも突撃。逃げたら味方の上官に撃たれるという悲惨さ。戦争の引き起こす虚しさ、愚かさがよく出た場面だと思う。
連合軍、とくにアメリカなどは、少なくとも武器不足ではなかったはず。ソ連は、アメリカなど他の同盟国から武器の補給など受けられなかったのだろうか。

さて、三角関係。
ダニロフとヴァシリは、ともにターニャに好意を持っている。しかしターニャはヴァシリが好き。
ダニロフは、それを分かっている。

爆撃を受けて倒れたターニャを渡航する船に託して引き返してきたダニロフは、ヴァシリに「彼女は死んだ」と告げ、ヴァシリが敵の位置を知ることができるように、自らが標的となる。
負傷したターニャを見た医師は、彼女は助からないと言っていた。ダニロフはその言葉を聞いたからこそ、自らも死を選び、最後にヴァシリのために自分の命を捨てた、と考えるのが妥当という気がする。
とすれば、奇跡的にしろ、ターニャが助かるのは、皮肉すぎないだろうか。
ターニャが死なないかもしれないと分かっていたら、それでもダニロフは命を捨てただろうか?
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