スターリングラード

「スターリングラード」観ました。なかなかの力作。でも私はノーマルな男ですから、女性のみなさんのようにジュ−ド・ロウに惚れたっていう話にはならず、点をつけるなら、5つ星で、星3つ半くらいでしょうか。

第二次大戦の行方を大きく左右した、ドイツ対ソ連の、スターリングラード攻防戦。
えんえんと汽車に揺られて運ばれてきて、扉を開けたら、目の前が、いきなり戦場。この入り方はいいですね。呆然とする兵士たちの気持ちが、こちらにも伝わります。

輸送ボートに乗っているとき、ドイツ軍と相対したとき、ソ連の兵士たちは次々に苛酷な運命にぶつかります。なんで、こんな仕打ちにあわなきゃならんねん! と言いたいくらいの。
しかし、こんな馬鹿な、と思うようなことも現実にあるんだ、と気づかせてくれます。

また、後に首相になったフルシチョフが司令官として赴任してきたのを見たときは、思わぬ歴史のお勉強をさせてもらいました。

ヴァシリ・ザイチェフ(ジュ−ド・ロウ)はソ連軍の狙撃手。
ジュードが銃を構えたときの目。寒さを防ぐためかカムフラージュか知りませんが(あるいはその両方か)銃身を布で包み、体も隠しているために、目立つのは、獲物を狙う目だけ。
監督は、彼の目に惚れて起用したというだけあって、その目をしっかり見せて、そつがない。ここで早くも、ジュ−ド・ファンはテクニカルノックアウトか。

ケーニッヒ少佐(エド・ハリス)がヴァシリを撃ち倒すためにやってくる。
エド・ハリスの顔だち、ドイツ軍人の役にぴったりです。
少佐、クールにヴァシリとの勝負を続けてきたのに、帰国が迫って焦ったのか、もともと残忍だったのか、最後の行動はちょっと予想外。そういうヤツだったんだなあ、と少しがっかり。

ヴァシリを記事にして有名にした青年将校ダニロフ(ジョセフ・ファインズ)。
彼がターニャに恋しても、彼女はヴァシリを好いている。彼女を自分の近くに転属させたり、こっそりと食料をプレゼントしたりしても愛は得られない。悲しいよねえ。
でも、私を含めて、身にしみて君の立場が分かる男は多いぞ。

女性義勇兵ターニャ(レイチェル・ワイズ)。
私はレイチェルさんを、トップスターの出ていないB級インディ・ジョーンズのようで、それなりに面白かった「ハムナプトラ 失われた砂漠の都」で知りました。
派手さはないけど堅実な女優さんというイメージかな。
自分も兵士として戦う女性が、前線で戦っていないダニロフよりも、狙撃手として敵を倒しつづけるヒーローを好きになっても不思議じゃないけど、かっこいい男のほうを振る女を見たかったな。

ラブシーン。戦場という極限状況ならではの愛欲。明日をも知れぬ命の日々だからこそ。暗いなかに際立つターニャの白いお尻。
周りの兵士たち、絶対何人かは気づいてるぞ!!
ちなみに雑誌で読みましたが、ジュ−ドとレイチェルは知り合いで、このラブシーンは、知ってる同士だからこそ、お互い遠慮なく演技できたとか。
情熱的、官能的な、一刹那に凝縮した高ぶり。フランス人監督ならではの演出かもしれない。

                  〔2001年4月21日(土) ワーナー・マイカル・シネマズ 大井〕
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ENEMY AT THE GATES
監督・脚色 ジャン・ジャック・アノー
主演 ジュード・ロウ  レイチェル・ワイズ  ジョセフ・ファインズ  エド・ハリス  ボブ・ホスキンス
脚色 アラン・ゴダール
原作 ウィリアム・クレイグ
2000年 アメリカ、ドイツ、イギリス、アイルランド作品  132分
評価 ☆☆☆★

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