スカイ・クロラ The Sky Crawlers

監督 押井守
演出 西久保利彦
原作 森博嗣
脚本 伊藤ちひろ
音楽 川井憲次
歌 絢香
キャラクターデザイナー・作画監督 西尾鉄也
メカニックデザイナー 竹内敦志
美術監督 永井一男
美術設定 渡部隆
色彩設定 遊佐久美子
ビジュアルエフェクツ 江面久
CGIスーパーバイザー 林弘幸
声の出演 加瀬亮  菊地凛子  谷原章介  栗山千明  榊原良子  竹中直人
2008年作品 121分
評価☆☆☆★


冒頭の空中戦。すごいと思った。
飛行機のシーンは3DCGIアニメーションである。平面(2D)ではない。音も、すごい。このシーンだけで感動ものだ。

3DCGIは、コンピューター上の3次元空間に、飛行機や雲などを配置して、実写映画のように空間上にカメラを据えて撮影。実写ではないかと疑うほど(実写じゃないよね?)の細密な映像は圧倒的。空、雲、雨、海といった自然のリアルさと、光と影、その中を飛び、戦うプロペラ飛行機。
森博嗣の原作で読んで、頭でイメージするだけだった空中戦を堪能した。

「散香」というのは、こういう飛行機なのか。実際に目で見た嬉しさも。
何回もある飛行機がらみの場面は、リアルで、素晴らしく、美しく、これ以上、何を望むのかというくらいの満足度だ。(ゲームでは似たようなリアルさを持つものもあるのかもしれないが、私は知らないので。)

地上でのドラマ部分は、画(え)は平面的になり、偶然かもしれないが、淡々と表情に乏しく戦争に生きる「キルドレ」を描くのに似合っているような…。
陸では、なんとなく生きているだけ、飛行機に乗っているときが、生を実感しているとき。原作では、そんな感じがあったはず。これを映画で、もう少しうまく生かせなかったものか。画像は、ぴったんこだったのだから。
そう、飛行機関連のシーンは抜群に素晴らしい。が、他のドラマ部分は映画的には、うまくいっているのかどうか。実際、少し退屈した。
原作より悪いとは思わないが、なぜだろうね。

押井監督についていえば、私は「うる星やつら」しか知らないので、語る資格もない。
本作は、演出として西久保利彦という人がいる。すると、押井監督は何をしているのか。総監督みたいなもの?

感動して泣けるほどに素晴らしかった飛行機シーン(だけ)を、もっともっと観ていたかった。そこだけなら満点。そして、このシーンを体感したいなら、映画館で観るべき。
もしも、飛行機のシーンだけで満足するのなら、映画としても問題ないことになるが…。

エンドロール後にも、物語は続く。そのことを事前にアナウンスしてくれた映画館ワーナー・マイカル・シネマズ大井、初日から行き届いてるね。でも、もっと後で、本編が始まる直前に言ってくれたら、聞き逃がす人はいなくなると思います。




〔2008年8月2日(土) ワーナー・マイカル・シネマズ 大井〕


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