私の彼女
ナタリー・ポートマンと、ほぼ同世代の人気若手女優
スカーレット・ヨハンソンの共演というので、楽しみにしていた作品。
それが…。うーむ。
なんとな〜く話が進んでいって、終わったな〜。という気が。
飽きはしなかったが、あまり満足もできなかった。なんというか、豊かさがないのさ、映画に。脚本のせいなのか、監督のせいなのか。
ナタリーPは良かった。役柄としてドラマティックだから得をしている部分もあるが。彼女が見られればいいので、その点の不満はない。
物語は、早い話が、年頃の娘2人をもつ一家の親父とオジさんが、世継ぎができない王様ヘンリー8世が愛人を欲しがっているのを知って、娘を差し出すことで、王家の親戚関係になり立身出世をしようと願ったわけだ。
可哀想なのは娘でござい、と思ったら、姉のアン(ナタリーP)は、やる気満々。そういう性格なんだね。
ところがアンがちょっとした失敗をして、王様が気にいったのは人妻である妹メアリー(スカちゃん)のほうだった。そこから姉妹の確執が始まるのであった。(といっても、姉が一方的に妹を憎むのだが。)
妹が王様の子、しかも男の子を産んだというのに、姉の誘惑にコロリと参ってしまう
王様も軽すぎて、うわっつらだけの描写で魅力なし。ただの浮気性のクソ男にしか映らない。(もっとも、この王、王妃や側近を次々にポイ捨てしたり処刑したりしていた男らしい。)
姉妹の引き立て役とはいえ、もっと内面を描写したほうがよかったのではないか。
妹が出産した直後に王様が彼女を捨てるなどと、ドラマティックすぎて、かえってウソっぽい。陳腐なテレビドラマじゃないんだからさあ。
妹のスカ子は単なる、いい子。ナタPは野望に燃える子、でしたね。
弟役で、ジム・スタージェスが出ていたのは嬉しかった。3回観た
「アクロス・ザ・ユニバース」でおなじみの俳優だったから。
ある新聞で、本作をけなした批評があったと、ブロガーのMさんの記事で知っていたのだが、…分からないでもない。そう感じる人もいるはず。
良かったのは、ナタP、母親役の
クリスティン・スコット・トーマス、元王妃キャサリン役の
アナ・トレント(「ミツバチのささやき」〔1973年〕の子役ですよ!)
くらいで、あとは、どうってことないから。(私がそう思うだけの話ですよ。もちろん。)
どうもジャスティン・チャドウィックという監督の名前、聞いたことないので何者かと調べてみたら、40歳くらいの人で、俳優であり、テレビドラマを監督してきて、劇場用映画は初めてのようだ。やっぱり?
最近、けなす批評が多くて、私が冷たい人間に見られていそうで困った。でも、正直なことを書いているだけなので、しかたがない。
それに、けなすといっても、星3つなら「普通」の評価なんだから、悪いわけではなく、ただ、自分としては期待以下だった、ということ。当然のことだが、決して私の評などに惑わされないでください。
「1000日のアン」(1969年)という映画があって、私は民放テレビで、ぶつ切りにカットされたものを見ただけで、しかも、ほとんど覚えていないのだが、ジュヌビエーブ・ビュジョルドがアンを演じていて、アン・ブーリンという人は知っていた。
もしアン・ブーリンに興味を持たれたら、「1000日のアン」を見てみるのも、おもしろいと思う。ヘンリー8世はリチャード・バートンが演じる。
…しかし、この当時の父親って、我が子が首を切られるのを見に行くものなのか。もしかして助かると思ったりしてるのだろうかねえ。