私の中のあなた

MY SISTER'S KEEPER
監督 ニック・カサヴェテス
出演 アビゲイル・ブレスリン  ソフィア・ヴァジリーヴァ  キャメロン・ディアス  ヘザー・ウォールクィスト  ジェイソン・パトリック  エヴァン・エリングソン  アレック・ボールドウィン  ジョーン・キューザック  トーマス・デッカー  デヴィッド・ソーントン  ブレンダン・ベイリー  エミリー・デシャネル
原作 ジョディ・ピコー
脚本 ジェレミー・レヴェン  ニック・カサヴェテス
撮影 キャレブ・デシャネル
編集 アラン・ハイム  ジム・フリン
音楽 アーロン・ジグマン
2009年 アメリカ作品 110分
ティーン・チョイス・アワード…ドラマ部門
評価☆☆☆☆


やっぱり泣けた。涙が頬を伝いっぱなし。…川か、これは。(笑)

予告編を見るたびに泣いていた映画。あまりに泣けそうなので、観るかどうか少し迷ったが。
観客席からも、すすり泣く音が、しばしば。
でも、こうやって泣くのって、いろんなものを洗い流すような浄化作用があって、すっきりするような気分も。

白血病に侵された娘をもった、ある一家の話。
ただの難病ものではなく、体のさまざまなものを病気の娘に提供するドナーを得るために、両親が新たに子どもを作るというのが、話として新しいところではないだろうか。

姉の命を守るために生まれてきた妹アナを、アビゲイル・ブレスリンが演じる。
「リトル・ミス・サンシャイン」(2006年)で達者な演技を見せていたが、相変わらずというか、とっても素敵な子役に育ってますね。
この映画は家族すべてが主役といってもいいが、そのなかでも中心的な位置にいる、重要な役。
ドナーである彼女が、もう親のいいなりになって姉に自分を提供するのは嫌だ、と弁護士に相談をもちかけるのだ。
姉と仲が悪いわけではない。それどころか、その反対だ。それでも彼女は、これ以上の協力を断る。

弁護士の仕事をやめてまで、長女ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)のために生きようとする母親サラには、キャメロン・ディアス
ケイトのためなら何でもする。その思いだけで一心不乱に頑張りつづけている。
彼女が最後に長女と過ごすときの感情の描き方は、よかった。ずっと張り詰めていた気持ちが、とうとう違った一面を見せるのだ。ここも大感動シーン。

闘病中の少女を熱演したソフィア・ヴァジリーヴァ。テレビを中心に活躍していた女優のようだが、彼女も、じつにいい演技。
病気で苦しむシーンが多いだけに、ほんのひととき、着飾った姿は美しかった。見ている私まで、彼女の家族といっしょに、喜んで、はしゃぎたくなった!

両親、長女、長男、次女、サラの妹。家族それぞれにいいけれど、周囲の人々もいい。
とくに判事役のジョーン・キューザックは素晴らしかった。判事らしい貫禄と、その奥から、にじみ出す慈愛を表現した深み。
次女の訴えを引き受ける弁護士役アレック・ボールドウィンも印象に残る。

命にかかわる病気になった家族がいたら。
肉親の思い。
お涙頂戴の甘っちょろいドラマを狙わなくても、ここまで泣かせてくれるんだ、という見本のような良作。
素直に泣ける感動作です。

これ書くのに思い出していたら、また泣けた。




〔2009年10月12日(月) ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋〕


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