NINE

NINE
監督 ロブ・マーシャル
出演 ニコール・キッドマン  ファーギー  マリオン・コティヤール  ぺネロぺ・クルス  ケイト・ハドソン  ジュディ・デンチ  ソフィア・ローレン  ダニエル・デイ=ルイス
原作 アーサー・コピット
脚本 アンソニー・ミンゲラ  マイケル・トルキン
撮影 ディオン・ビープ
編集 クレア・シンプソン  ワイアット・スミス
音楽 モーリー・イェストン
2009年 アメリカ作品 118分
好き度☆☆☆


豪華女優陣が競演するミュージカル。顔ぶれは豪華だが。

フェデリコ・フェリーニ監督の「8 1/2」(1963年)をもとにしてミュージカル化した作品。
先に「競演」と書いたが、「共演」ではないのだ。演技合戦は、ほぼ、していない。各自、個別に1曲歌う出番がある、という感覚。マリオン・コティヤールだけ2曲あったけれど。

公開2日目だというのに、私が行った映画館では観客が10名を切っていた。いや、田舎だからかもしれんが。観に来ない人の判断が正解なのかも? 少なくとも出演者のファンでなければ。
そもそも「8 1/2」は、私には、おもしろくもなかった映画で、スランプの映画監督の幻想みたいな、つかみどころがない話。
そんなダメダメな監督(男)の周囲の女たちが、ミュージカルになって、歌って、うち数人は踊る、というファンタジーになった。

女優の歌のミュージッククリップを、ダメ監督を「つなぎ役」にして、集めて見せているだけの映画である。
それが悪いとは言わない。彼女たちの歌を楽しめばいいのだから。
しかし、映画としては、どうなのか。ストーリーは、あってないようなもの。あってないようなものなので、次の段落にラストを書くが…

スランプ監督が、数年たってから、もういっぺんやってみなさいよ、と言われただけで、じゃあ、やるか、と映画を作り出す。葛藤も何もないもので、できるんなら最初からやれよ、といいたくなる。

だから、ストーリーなんて、どうでもいいのだ。やっぱり女優の歌を聴いて観る映画なのだった。

となると、私がいちばん好きなのは、どうしても、ニコール・キッドマン。歌う場面では、大好きな「ムーラン・ルージュ」のサティーンを思い出した。「ムーラン・ルージュ」のなかでも見られたムードなのだ。
私はニコールの歌声が好きなんだなあと再確認。彼女の出番は多くなくて、収録も1日や2日で済むかもしれないくらい?

次に好きだったのは、ファーギーの歌のシーン。砂とタンバリンを使い、振り付けとしては、いちばん見ごたえがあったと思う。エンディングでも曲が流れた。

次はぺネロぺ・クルスの色っぽすぎる振り付け。これには楽しませてもらいました。
その次は、マリオン・コティヤール。2曲目の、客が大勢いる前で歌うところは、彼女がかつて演じた、エディット・ピアフ風にも感じた。
ケイト・ハドソンの歌は映画オリジナルで、予告編にも使われているし、エンディングにも再度流れるしで、メロディーが耳には残る。
ジュディ・デンチの歌は、うまいです。初めて聴いたけど。ダニエル・デイ=ルイスとのシーンは、ジェームズ・ボンドに言い聞かせている上司Mのようでした。(笑)
ソフィア・ローレンは、カラオケで歌う素人さん的な? 彼女は監督の母親役でした。




〔2010年3月20日(土) ワーナー・マイカル・シネマズ 大井〕


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