よかった〜!
語り口のうまさ、丁寧さ、演技、感動、素晴らしい。
…と、ツイートしたね。
最近、大ざっぱな脚本のもの(ツッコミどころが多いもの)を多く見ていたのか、
納得のいく言動、物語を描いてくれると、感心してしまうのであった。
「マリリン 7日間の恋」の監督さんは、やはり、しっかりとした映画をつくるんだなあと、確認できた。
マリリン・ファンだから、ひいきをしているわけではない。公正に見ていますよ!
「マリリン 7日間の恋」では、若い男性がマリリンに関わっていった。
本作でも、ひとりの女性が絵を取り戻すための手伝いに関わるのは、同じように、やさしげな若い男であって、偶然だろうけれど、なんだか
構造的に似てるじゃない!? と思ったものだ。
故郷の地オーストリアという国家から、絵を取り返そうとしたマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)。彼女はアメリカに暮らす。
ナチス・ドイツの嫌な思い出があるから、絵を取り戻す交渉のためでも、オーストリアには行きたくない。
それでも、逃げずに過去と向き合うことが必要なときもある…。
その
勇気。
正しくないことを許したまま、大きな権力に負けたままでいいのか。
若き弁護士と、依頼主のふたりの戦いは続けられた。
偉そうにしているヤツに負けないぞ! っていうのは応援に力が入るよね!
ヘレン・ミレンさんと、ライアン・レイノルズのコンビ、よかったなー。オーストリアで味方になってくれる男、見たことあるなあと思ったら、「ラッシュ/プライドと友情」でのニキ・ラウダ役の方ですね。
マリアの若い頃を演じたタチアナ・マズラニーさんも、とても綺麗な方で、アデーレ役のアンチュ・トラウェさんともども、
品と美しさで、映画自体をランクアップしてくれた。家族を演じる俳優たちの顔つきが、わりと似通っているのも、ちゃんとしている。
正直に告白しますと、嗚咽しそうなくらいに感情が乗りました。
以下は、ネタばれになっていきますが…
両親との別れや、最後の家族との再会の夢想なんて、
パーフェクトな(感動の、いや、泣かせの)演出。完璧!
オーストリアが絵画保有権闘争に負けたあと、手のひらを返したように、美術館側は「絵をオーストリアに置いてくれんじゃろけんのう?」とマリアに打診するが、争いに何年もかかったあげく、今まで妥協案もあっただろうに聞く耳もたず、今さら、そんなこと言うなんて、いい気なもので、ただ、絵を取られたくないだけのことと思われてもしかたがない。
親身になって他人のことを考えない奴ら、嫌いな奴らに、絵を任せておくことはできないのである。