人類が争いをやめないことについて、深く考えさせられた。
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」で、お披露目済の、ガル・ガドット版ワンダーウーマン。
本作は、故郷での幼少期から始まって、戦いの訓練を経て、第1次世界大戦で活躍するまでを描く。
なにしろ、
ガルさんのワンダーウーマンが似合うこと、似合うこと。プリンセスらしい高貴さ、凛とした魅力に、強さが加われば、これ以上、なにを求めることがあろうか、というものだ。
スパイのクリス・パインを助けて、大戦下の世界に行き、毒ガス使用を阻止しようとする。
序盤の、
アマゾンの女戦士軍団と、ドイツ軍の戦いから、さっそく見応えあり。
弓矢と銃では勝負にならないのでは、と思ったら、そんなことはなく。
故郷セミッシラのパートでは、母であり女王のコニー・ニールセンさん、叔母であり将軍のロビン・ライトさんが、映画をしっかり支える。
大戦下の世界では、クリス・パイン演じるスティーヴの「秘書」役のルーシー・デイヴィスさんが、ユーモアを加える担当で楽しませてくれるし、マッド・サイエンティストにはエレナ・アナヤさんが扮している。
ワンダーウーマンと、作戦のためにスティーヴが雇った3人と、スティーヴ本人、以上
5名で撮った記念写真は、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」でも見られたもので、ちゃんと、つながっているなあと感心。
あの写真は、このときに撮ったものなのか!と思えるから、こういう場面を入れるのは素晴らしい。
(と書いたあとで、この写真そのものが「バットマン vs 〜」に出ていたっけ?と、あいまいに思えてきたが。)
ダイアナ(ワンダーウーマン)は、戦いの神アレスが人間の姿を借りている、その何者かを倒してしまえば、戦争は終わると信じていた。しかし…。
人が、どうして争うのかは、これまでも、いろいろな映画で考えられてきたと思うが、本作はダイアナの気持ちに観客が同化しやすいので、そのあたり、感じるものが大きかった。
そして、終盤は泣けた。
泣かせるために、こんな脚本にしたんじゃないか? 安易というものじゃないか! もう!
とは思っても、泣けるものは、どうしようもない。
スティーヴの表情の、あの、「タメ」は出色。
こうしたことがあったからこそ、その後のダイアナの覚悟も違ってきたのだとわかって感動する。
エンドロールも、かっこいい。Siaがラビリンスとともに歌う“To Be Human”も流れて、また泣ける。
「フィフス・ウェイブ」のときに、彼女の歌声に痺(しび)れたものだが、
映画の主題歌に、なんてハマる歌手なのだろうと、聴いていて感激するのだ。
町山智浩さんが、ウェブサイトで歌詞を訳されています。
次の彼女の活躍は11月23日公開の「ジャスティス・リーグ」となるようで、かなり楽しみ。