ジョジョ・ラビット

JOJO RABBIT
脚本・監督 タイカ・ワイティティ
出演 ローマン・グリフィン・デイヴィス  トーマシン・マッケンジー  スカーレット・ヨハンソン  レベル・ウィルソン  サム・ロックウェル  タイカ・ワイティティ
原作 クリスティーン・ルーネンズ
撮影 ミハイ・マライメアJr.
編集 トム・イーグルズ
音楽 マイケル・ジアッキーノ
2019年 アメリカ・ニュージーランド・チェコ作品 108分
好き度☆☆☆☆


子どもが自ら気づいていくのが、いいのである。

素晴らしき傑作(と私は思う)。
最近、メジャーな作品を映画館では多く観てきて、こうした単館系といえる作品はご無沙汰だったが、やはり、いい映画はあるもので、いままで見落としてきただろう秀作も、WOWOWなどで拾いあげていきたいよねえ。

メジャーとは言えないだろう本作であっても、賞レースで健闘中で、はじめから評判がいいから、観る人は多いだろうし、観たら感動できるのではないか。

マイティ・ソーの、あのメチャ楽しかった映画の監督がつくって、彼がヒトラーを演じ、ドイツ軍っぽい服を着た子どもが主役らしい、という予告編などの情報しか知らずに観た。

スカヨハがお母さん役で出てきて、喜んだ私!
あー、もうお母さんをやる年齢? とか考えながら。
ひいき目を抜きにしても、すんばらしい、お母さん。もちろん、脚本によるところは大きい。
それに、男優なんかほめない私だが、主役の男の子が、また素晴らしい。やはり、子役は最強だ。

館内は静かだったが、私にはクスクス笑えるシーンが、ちょいちょいある。いい。監督の持ち味だろうと思う。
温かさと厳しさの絶妙なさじ加減。

靴ひもが結べない、という数度の描写も、最後の最後に効いてくる。彼の成長に感動しないわけがない。

少年が、予想を裏切る反応をすると、ああ、そうだよなあ、そう言うよなあ、なんて、あらためて納得できたり。
子どもなんだよなあ、子どもなんだけど、でも…そういう、心の動きの描き方がとてもよい

少年たちの軍事訓練から始まって、これから1時間以上、いったい、どんな話にもっていくのかと思ったら、おお、そこへ行くんだね! なるほど納得。ナチス・ドイツには重要な要素。人間の尊厳を考えるときに避けられないテーマに。

気に入った映画を書くときには、うまく書けない。
どこかに、ブラックコメディなんて書いてあったが、え、感動作だよね。
きびしい時代を背景にした、少年の愛すべき成長譚




〔2020年1月19日(日) イオンシネマ 板橋〕


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