4枚目のアルバムは
「Whisper」。1983年12月16日発売。
表記が「Whisper」と「WHISPER」、2つ見かけるが、アルバムジャケットは「Whisper」なので、そちらに準ずる。
ディレクターの田村充義によれば、前作の「Breezing」は先輩ディレクターの作品もあったけれども、本作はほぼすべてを自分で制作したという。
小泉さんは「楽器が新しくなったのがよく分かる」と語っている。
A面が<Beginner Class>、B面が<Middle Class>と名づけられ、「A面は恋に恋しているような楽しい曲が多く、B面は失恋の歌がけっこう入っています」(小泉さん)
「『涙のセンターライン』は二人(小泉さんと田村さん)とも気に入ってたよね。『恋のビギナー』も可愛かった。康さんや秋元さんの詞は、東京の街が浮かぶんですよ。『涙〜』なら、歌うときに自分の思い出の中にある雨の夜の246のきれいな情景と重なって、歌いやすいの」(小泉さん)
「ようやく小泉さんの趣味も分かって。これくらいかなという基準ができたんだと思います」(田村さん)
このアルバムのなかで1曲だけ小泉さんが歌いたくない曲があったという話について、田村さんは「『颱風騎士(タイフーンナイト)』でしょう。この曲がどうこうということではなくて、歌入れのときにケンカになったんだと思います。何が原因だったか、もう忘れちゃいましたけど」と答えている。
(以上、「アルバムWHISPER+2」の解説より)
3作目「Breezing」で一段ステップアップしたあとを、引き続き発展させていったような感じだが、とくに
<Beginner Class>サイドは「かわいい」雰囲気を全体に感じる。
<Beginner Class>
1.
白いブーツのシンデレラ
作詞:湯川 れい子、作曲:鈴木 キサブロー、編曲:佐久間 正英
バイクのエンジンをふかす音、前作アルバムのラスト曲「Kiss Me Please」の終わり部分が小さく流れ、その曲が終わると同時に、スタートの合図。「Welcome
to my 4th album “Whisper”. Are you ready? (私の4枚目のアルバム「Whisper」へようこそ。準備は、いい?)」とキョンキョンが言ったあとに1曲目が始まる。「3作目の次」のアルバムが始まりましたよ!という宣言のような入り方。
トップバッターとしてピッタリのアップテンポのノリのいい曲。
2.
恋のビギナー
作詞:康 珍化、作曲:林 哲司、編曲:林 哲司
かわいい! ポップさも上等。この曲も好きですね〜。
韻を踏んでいるテンポが、とてもいい。
3.
内気なジュリエット
作詞:鈴木 隆子、作曲:見岳 章、編曲:新川 博
ゆっくりめの曲で、しっとり、一段と、かわいくなる。
作曲の見岳章は、当時「一風堂」のメンバー。
4.
羽のついたスニーカー
作詞:クロエ ジュン、作曲:小田 裕一郎、編曲:松井 忠重
多少ありふれた感があって、ここまでの3曲目までよりは面白くない気がする。
男声コーラスも邪魔くさく、とくにコーラス単独の部分は要らない!(あくまで個人的な感想)
5.
半分少女
作詞:橋本 淳、作曲:筒美 京平、川村 栄二
この曲については、
シングル「半分少女」を参照。
いい曲です。
<Middle Class>
6.
颱風騎士(タイフーンナイト)
作詞:森 雪之丞、作曲:佐久間 正英、編曲:佐久間 正英
アップテンポな曲で好き。コーラスが、日本語も英語風(?)だったりして、かっこいい。
7.
グッドバイ・ジェラシー
作詞:BORO、作曲:後藤 次利、編曲:後藤 次利
「ちゃららんちゃちゃちゃちゃちゃ」と入ってくるフルートかなにかの音は、イヤ。大人っぽいムードはいいと思う。
作曲の後藤次利は、「うしろゆびさされ組」に提供した曲のほとんどを私は好きだった。
8.
涙のセンターライン
作詞:秋元 康、作曲:佐久間 正英、編曲:佐久間 正英
情景が浮かぶ詩的な歌詞、しっとりと歌うキョンキョン、間奏でクルマや雨の音が…。
曲の締めくくりも余韻を残す。
9.
天使(エンジェル)はおちたい
作詞:康 珍化、作曲:後藤 次利、編曲:後藤 次利
こんなこと言われちゃ…どうしましょ!?
ノリ良し!
10.
Flower
作詞:康 珍化、作曲:林 哲司、編曲:林 哲司
最後を飾るのはスローバラード。
ラストの歌詞でキメ!
12月31日、キョンキョン(「キョンキョン」と呼ぶのが一番ぴったりの無敵な可愛さなのだ)は
「第25回日本レコード大賞」で、ゴールデン・アイドル賞を受賞する。
7名が受賞していて、その内容は…
石川秀美「スターダスト・トレイン」
小泉今日子「艶姿ナミダ娘」
シブがき隊「ZOKKON 命(LOVE)」
中森明菜「禁区」
早見優「抱いてライラブ」
堀ちえみ「夕暮れ気分」
松本伊代「時に愛は」
当時のアイドル勢力図を思い出させるような豪華メンバーだ。
参考:ウィキペディア 小泉今日子、小泉今日子 歌の全曲集(第11版)
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