−Message from K.Sawaki−

ここでは、沢木さんがBBSに書き込んでくださったメッセージを紹介しています。

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Message from K.Sawaki


▼沢木さんの書き込みです
 このサイトのBBSに、沢木さんから書き込みをいただいています。
 書き込んでいただいたメッセージを、こちらでご紹介させていただきます。


[712] 久しぶりです 投稿者:沢木耕太郎 投稿日:2004/12/08(Wed) 13:41

ここに投稿するのはとても久しぶりなのですけど、パソコンが壊れてしまい、つい先日新しいものに取り替えたら、妙にメールを出したくなってしまったんですね。

みなさん、元気ですか。僕もまあまあ元気にやってます。この秋はヒマラヤに行っていて、かなり消耗したんですけど、その疲れはどうやら抜けたようです。

そして、昨日、「沢木耕太郎ノンフィクション」の最終巻にあたる『酒盃を乾して』の見本が届きました。三年がかりの仕事がようやく終わった瞬間でした。

八巻目の『ミッドナイト・エクスプレス』を買ってくださった「妻は大魔神」さん、あんな高いものをどうもありがとう。僕は、定価が二千円を超えるとどんな好きな著者の本でもつい買うのをためらったりするので、ありがたさもひとしおです(ここはみなさんだったら「笑」というのをつけるところなのでしょうね)。

それにしても、今年ももう終わってしまうんですね。いま、仕事部屋の片づけをしているところなんですけど、不要になったものをバシバシと捨てているうちに、ちょっぴりものがなしくなってきました。この一年、いったい何ができたのだろうか、なんてね。

しかし、これで義務的な仕事をすべて片付けることができ、来年からはまったく自由な身になるので、心が浮き立っていないこともないのです。来年は、たぶん、中国に行きます。いよいよ、というか、ようやく、というか。それまでは、少し勉強などをしようかなと思っています。

では。
また。


[713] うっかり 投稿者:沢木耕太郎 投稿日:2004/12/08(Wed) 13:56

なんと、大事なことを忘れてしまいました。
今年も、二十四日の午前零時からJ-WAVEWで放送をします。もしよかったら、メールでもファクスでもいいので、何か書いて送ってください。アドレスや番号はJ-WAVEWのホームページに書いてあると思いますのでよろしく。
では、ほんとうに、また。


[723] 感激 投稿者:カズ 投稿日:2004/12/10(Fri) 00:58

 本当に沢木さんなのですね、感激です。

沢木さんが書かれた深夜特急をすべて読みました。
現在大学生の22歳なのですが、深夜特急を読んでから一気に世界観が変わり、視野が広まった感じです。
そしていつかは沢木さんのように旅をしたいと思っています。
 また、深夜特急という最高のプレゼント本当にありがとうございました。

しかし現在さまざまなことでかなり悩んでいます。
・就職のこと
・働く意味
・人生について
悩まないで、走ることができたらいかに楽なのかな、とも思ったりしています。(笑)

そこで大変恐縮ですが、沢木さんへ質問です。
沢木さんの22歳の頃はどのような感じでしたか??
また何を心がける年齢なのでしょうか??
お返事頂けましたら幸いです。


[723へのレス] Re: 感激 投稿者:沢木耕太郎 投稿日:2004/12/17(Fri) 22:33

カズさんへ。

僕が二十二歳のとき、どのように生きていたか。
生きていたかというのが大げさなら、どのように感じて暮らしていたか。

もちろん、もう三十年以上も前のことですから、正直に言えば、生々しい感情は忘れているような気がします。
でも、ただひとつ確かなことは、とても退屈していた、ということです。本を読み、映画を観て、アルバイトをし、旅をしていたと思いますが、どこかで退屈していたような気がします。

どうして、あんなに退屈していたのだろう、といまでは不思議なくらい退屈していました。
これから自分はどう生きたらいいのか。わからないまま、右往左往しつつ、しかし何か退屈していたのです。

今になれば、青春時代(ちょっと気恥ずかしい言いかたかですが)の特権とは、徹底的に退屈することだとわかります。二十二歳の頃の僕もまた、青春時代の特権的な「退屈」の時間を生きていたのです。

退屈だと思うこと。それは退屈ではない時間をイメージできているということが前提になります。退屈ではない時間をイメージできるということ、それが何にもまして大事なのです。退屈ではない時間がイメージできる。しかし、いま、自分は退屈の渦中にいる。そこからどのように脱したらいいのか。それは、誰にも教えることのできないものであり、それぞれがそれぞれの方法で答えを見つけざるを得ないものなのです。

なーんて、偉そうなことを書いていると、どこかでもうひとりの僕が「えらそーに」と言いはじめるのでやめますが、もしあなたがいま二十二歳なら、徹底的に退屈な時間を通過することが大切なような気がします。それは退屈ではない時間を希求する気持を強くするからです。徹底的に退屈な時間を潜りぬけたとき、もしかしたら輝くようにスリリングな時間に出会えるるかもしれません。もちろん、出会えないことだって、あるんですけれどね。

しかし、大事なことは、あなたのように思い迷うことなのです。思い迷うことなしに、光り輝く瞬間に遭遇することは絶対にできません。

もういちど「えらそーに」言わせてもらえば、その「思い迷い」の中を徹底的に生きてみたらいいのではないか、ということです。

そして、その「思い迷い」の中から、かろうじて答えのようなものを見つけることができたら、三年でいいから一心不乱に突き進んでみることです。しかし、やがてまた、次の「思い迷い」にぶち当たることでしょう。しかし、それが生きるということのはずです。


[777] 訂正 投稿者:沢木耕太郎 投稿日:2005/01/25(Tue) 14:02

 去年のクリスマスイヴのラジオを聴いていて下さった方に訂正しなくてはならないことがあります。放送の中で、カシアス内藤君のジムができることをお話しましたが、そのとき場所を横浜の山手駅の近くと言ってしまいました。放送後に内藤君に笑いながら注意を受けました。
「山手駅じゃなくて石川町駅ですよ」
 と。

 そうでした。内藤君のジム「E&J カシアス・ボクシングジム」は京浜東北線(根岸線)石川町駅のすぐ隣にある「エトワール吉浜」というビルの二階にできるのでした。もし、その近くに住んでいる人がいたら覗いてみてください。ついでに、もしボクシングをやってみようかなという人がいたら、ぜひジムに入ってください。女性も子供も高齢者も大歓迎だそうです。たぶん、内藤君のことだから、とてもやさしく教えてくれると思います。活動を開始するのは二月二日からです。

 以上、訂正と、ついでに「勧誘」をさせていただきました。

 では。
 また。


[780] 訂正の追加 投稿者:沢木耕太郎 投稿日:2005/01/26(Wed) 10:43

 訂正の文章は正確さを欠いていました。

 石川町の駅には、元町に続く出口と、中華街に続く出口とがありますが、内藤君のジムがあるビルは北口という出口から出ます。出ると、横浜側の隣に建っています。本当に駅から1分というか、0分というか、駅の構内にあのあるのではないだろうかという便利さです。

 それともうひとつ、確かにNHKが取材をしてくれていますが、あくまでも内藤君に対する取材であって、僕は付録に過ぎません。それと、テレビというのはどういうことがあるかわからず、状況によっては企画が飛んでしまうということがあるので、実際に放送されるかどうかも確かではありません。しかし、もし放送されるようなことがあるとすれば、二月の初旬から中旬にかけての日曜日になると思います。

 では。
 また。


[783] 訂正の追加の追加 投稿者:沢木耕太郎 投稿日:2005/01/28(Fri) 09:54

 何度も申し訳ありません。内藤君のジムのある場所についての訂正を追加しなくてはなりません。内藤君のジムは石川町の駅に隣接していて、まるで構内にあるかのようだということにかわりはないのですが、北口を出ると、すぐ横に小さなビルがあります。実は、僕は、それも「エトワール吉浜」というビルの一部だと勘違いしていましたが、正確には別のビルでした。ですから、正確には、「北口の隣の隣」のビルということになります。 

 こんなこと、これを読んでいる大部分の方には関係ないでしょうが、万一、ジムを見てみたいという方がいて、迷ってしまうといけないので再、再度訂正させてもらいました。
 昨日、内藤君に訊いたら、どなたでもジムを覗いてくれて結構です、歓迎します、とのことでした。

 では。
 また。


[785] 「深夜特急」韓国語版について。 投稿者:Yoshi 投稿日:2005/01/29(Sat) 02:02


こんにちは。韓国在住のYOSHIと申します。お尋ねしたいことがあり、以前書き込みをしたのですが、再度書き込みさせていただきます。

−−−−−−以下、前回同様の質問です。−−−−−−−

みなさん、はじめまして。高校3年時に出会った「深夜特急」が今の自分の原点となっているYoshiです。クリスマスのラジオ・・・聞きたかったです。ところで、深夜特急の韓国語版が出るという噂を耳にしました。韓国在住の自分としては大変気になる話です。どなたかご存知の方、教えていただけませんか? 


[785へのレス] Re: 「深夜特急」韓国語版について。 投稿者:沢木耕太郎 投稿日:2005/01/29(Sat) 10:31

 今日は。
 YOSHIさんに僕の知っている情報をお伝えします。なんて、他人事のようですが、実は僕はハングルが読めなくて、出版社の名前すらよく覚えていないという、信じられない著者なのです。しかし、間違いなく、『深夜特急』の韓国語版は完成しています。上下二巻で、とても素敵な挿絵が入った、軽快な本に仕上がりました。先日、見本を送っていただいたので、もしかしたら韓国の書店にも並んでいるかもしれません。一、二年前には中国語版が出ているので、これで東アジアの人には『深夜特急』を読んでもらうことができるようになったかもしれません。今度、韓国の出版社名を訊いてご報告します。

 では。
 また。


[1006] 久しぶりです 投稿者:沢木耕太郎 投稿日:2005/07/12(Tue) 08:55

みなさん、久しぶりです。

ようやく、長編が終わり、一息つくまもなく、仕事場の引越しがあり、気がつくと、もう中国への出発の日が来てしまいました。

長編は「百の谷、雪の嶺」というタイトルで、ここ二年付き合ってきた山野井泰史・妙子夫妻のギャチュンカン登山を描いたものです。純粋なノンフィクションとしては何年ぶりになるのだろうと、自分でもわからないくらい久しぶりのものです。最後の段階は、某所にこもって、まるでアルパイン・スタイルのクライミング(わからない方は「新潮」の八月号を立ち読みしてください。12ページから13ページにかけて説明が出ています)をしているかのような、一気呵成の執筆になりました。それもまた、終わった後の心地よさを倍加させてくれたような気がします。

それにしても、仕事場の引越しが大変でした。ダンボールに詰めても詰めても書物や資料が湧き出てきて、引越し前日には途方にくれていました。

しかし、とにかく、それも終わり、何とか新しい仕事場の中も片付き、いまはバックパックに荷物を詰めているところです。

秋に帰ってきたら、また書き込みをさせてもらいます。

では。
また。

                  沢木耕太郎




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