Home > Great Occasions Part 2 > Il Pomo d'Oro

(Burnacini, Ludovico)

Il Pomo d'Oro, festa teatrale rappresentata in Vienna per l'augustissime nozze delle Sacre Cesaree Reali Maesta di Leopoldo, e Margherita
Wien, M. Cosmerovius, 1668
24 folding engraved plates, 200x313mm,

クリックで図版が見られます。 ハブスブルグの皇帝レーオポルド一世と、スペイン王女マルガリータ・テレーサの婚礼に際する祝賀行事として1668年7月13、14日に上演された「黄金の林檎」(Il Pomo d'Oro)は、その華麗さ、贅沢さ、また壮大さにおいて、バロックオペラの最高傑作といわれています。台本は,宮廷詩人スバッラ(Francesco Sbarra)が書き、また、音楽は、チェスティ(Marc Antonio Cesti)が作曲しました。しかし、その内容と言えば、皇妃マルガリータの偉大さをどこまでもたたえるかなり荒唐無稽なものでした。
 舞台装置は、当時の最も優れた舞台芸術家/建築家ブルナチーニ父子の、息子ルドヴィーコ・ブルナチーニ(1636-1707)の手でデザインされました。
この本には、23の舞台場面が、それぞれ一枚づつの図版として収められており、ブルナチーニによる舞台デザインのすばらしさを、存分に堪能することができます。彼の舞台装置は、単純な1点透視法によるものですが、その幻想的なデザインは、まさにバロック的な驚異を十分に表現していると言えるでしょう。

上のイメージをクリックするとすべての図版を見ることができます

クリックで拡大 

左は、本書の最後に収められた、このオペラのために設けられた劇場(Theater auf der Cortina)の図です。これも、ブルナチーニの設計によるもので、木造の建築でした。透視図法によって天井に描かれた列柱の絵により、平面上に、3次元の空間を表現するおり、ここにも紙上の建築の例を見ることができます。

上のイメージをクリックすると、図版を拡大して見ることができます。

Vues D'optiques engravings by Burnacini
  A hand-colored engraving by Phillipp Andreas Degmair of a Burnacini design for Il Regno di Saturno.
Augsburg: c. 1750
1750年頃に製作されたルドヴィーコ・ブルナチーニのステージデザインを描いた手彩色銅版画です。
これは、、眼鏡絵(VUES D'OPTIQUES)として呼ばれるものです。
眼鏡絵とは、遠近法を利用して描かれた絵でレンズつきの器具(覗き眼鏡)(optiques、zograscopesまたは、peepshowsと呼ばれる)を通してより立体感を増して見えるように描かれており、18世紀のヨーロッパではポピュラーなものでした。また、日本にも江戸時代には、覗き眼鏡とともに輸入されていたようです。
本来、眼鏡絵は外国の観光地などの風景を描いたものが多いのですが、透視図法によって奥行きを強調した舞台デザインは、まさに、その目的に適したものだったと言えます。

NEW
A hand-colored engraving by
Balthazar Sigismund Setlezky after Burnacini.
ブルナチーニによるステージデザインを描いた版画は、何種類か出版されているようです。ここでの3枚は、Balthazar Sigismund Setlezkyによって彫られたブルナチーニのステージデザインです。Balthazar Sigismund Setlezkyについては、18世紀初頭の彫版師(?)であることしか、わかりませんが、上のものより版画の技術レベルは、優れていると思われます。ただし、彩色については、色自体に品はありますが、線の甘い塗り方は同様です。

上のイメージをクリックすると、図版を拡大して見ることができます。

(c) K. Nakazawa / all rights reserved

home Great Occasions Part 1 The Picturesque Classical Revival Imaginary Design Bibliography & Link Part 1 Bibliography & Link Part 2 BBS Great Occasions Part 2