●旅行二日目
テント脇に建つトイレの扉が閉まる音で目が覚める(爆)
左腕につけたままになっていた腕時計に目をやると、時刻は朝の6時。普段の起床時間より30分ほど早い。
寝袋にくるまったまま耳をそばだたせ、周囲の様子をうかがう。
昨夜僕たちが来た時、他のキャンパー達はほとんど就寝していたのだから、結構みんな早起きしているのかと思ったのだけれど、
それほどでもないらしい。
隣で、橘くんも爆睡中。
一人旅の女性ライダーとキャンプ教室をやっているわけでもないので、僕はさっさと撤収するべく、寝袋から起きだした。
テントのフライシートを外し、乾いた地面へ干す。コンロでお湯を沸かしモーニングコーヒーの準備。
風雨来記追体験キャンプということであるなら、ここで生豆からコーヒー豆を炒ってワイルドに決めたいところだが、
素直にドリップ済みのコーヒー豆を使用しカップにお湯を注ぐ。
(自分で炒ると、大豆の焦がし汁になる可能性が非常に高いことを過去に実験済み・・・)
一息ついたところで橘くんをおこして、軽く朝食をとる。
今日は「本格的」に移動の旅になる予定なので、食休みもとらず撤収作業にとりかかる。
(昨日の移動距離を踏まえて『アレが本格的な移動じゃなかったのか?』と自分に突っ込んでも虚しいのだが…)
で、無事に荷物もまとめおわりキャンプ場を出発しようと思ったところで、ふと腕時計に目を落とす。時計の表示はまだ午前7時にもなっていない。
あー、結構早い時間だね・・・。
で、いまだ無人の管理棟には施設使用料が大人一泊400円との看板が出ているのですが、どう考えてもこの時間に管理人さんが来るとは思えない。
仕方なく封筒に二人分の施設使用料800円をしたためて、ドアを軽くこじあけ管理棟の中へ投げこむ(良い子はやらないように)
脱兎のごとく和琴キャンプ場から出発。
キャンプ場を出て左折した場所で一度車を止め、あらためて本日の予定ルートを橘くんと確認する。
彼の手には『風雨来記 オフィシャルコンプリートワークス』(笑)
夕方には例の満月観測会に参加するため摩周湖に居なければならない。ま、それでもどうにかなるだろうと裏摩周から神の子池を抜け知床方面へ向かうことにする。
行き当たり場当たりなのはいつものことだし・・・。
車載のナビにはとりあえず、目的地を「神の子池」としていよいよ二日目の旅が始まった。
そして、旅のBGMとして車内で流れるのは、なぜか「ホワイトアルバム」のサントラ(爆)
爽やかな秋空の下、冬の雰囲気を携えながらランドクルーザーが走りぬけていく…
順調に243号を走り続けるランクル。
巡航速度は・・・警察の人に見つかったら免許証を取上げられてしまうくらいの速度だったかと(苦笑)
20分ほど、そんな感じで走ったあたりで、ふと通りすぎた右折路の看板にチラッと見覚えのある地名が…。
『多和平』
「おー、そういえばそんな場所があったね。たしか玉ちゃんシナリオか?展望台の手すりに立って叫ぶというイベントがあったような気がしてきたぞ」
(注・本編では多和平でそんなイベントはありません。アンソロジーで読んだ高山さんのマンガのことらしい・・・)
看板を50メートル程行き過ぎた場所で一度車を止めた私は、そのままオートマのギアをRにいれ直しました(なぜ、素直にUターンしない?)
最初の目的地に着く前に寄り道が確定する。
看板の場所を右折して20分ほど走り続けると、突然目の前にゲーム中に出てきたものと同じ多和平の風景が広がった
(当たり前といえば当たり前ですけど)
山の上の牧草地とゆう感じで、キャンプ場も併設されていました。
僕達が到着した時には二組のキャンパーが、丁度撤収作業をしているところでした。
ひと組がCR―Vに荷物を積み込んでいるアベック。
もうひと組が大型バイクでソロツーリング中と思われる女性。
橘くんはひとり、高台へと向かって歩き始めた。僕は一度トイレに寄ってから後を追いかけると彼に伝えトイレへ。
用を済ませた僕は、橘君を追いかける前にさっきのキャンパーに声をかけた。
もちろん、ソロツーリングをしていると思われるお姉さんの方に(笑)
軽く挨拶を交わしただけですけどね。ドラマではないので、コレ以上のイベントはありませんでした(苦笑)
(あと二回どこかで出会えたら一緒にキャンプをしましょう、といったとか、言わなかったとか・・・)
…多和平の話は?
え〜と広かったです、おわり。
(やっぱり展望台の上には怖くて立てませんでした)
で、多和平では出会い系のイベント「だけ」を起して、神の子池へ向かうことにする。
その後、再度車に乗りこみ神の子池の手前でまたもより道をして裏摩周へ。
こうしてゆったりのんびりの旅(のつもり)がイベント消化への旅へと変わり始めていた事にこの時の僕等は気付いていなかった。
目をそむけていた、ともいうが・・・。
裏摩周の駐車場に車を止め、展望台らしき場所から摩周湖を見おろす。
晴れわたる摩周湖・・・。
これで出世が遅れる事が確定
(あれ、「根婚期が遅れる」だったかな?)
見えたって、見えなくたって、出世しそうにないし、結婚も出来なさそうな生活をしているのですが(苦笑)
夜には反対側から摩周湖を眺める予定になっているものの、ここからではその展望台の位置まではわからない。
ま、行けばわかるでしょ…と、お気楽極楽な考えで裏摩周を後にする。
そして二日目最初のメイン(変な言い方だね)である神の子池へ
ちょっとしたダート道を進んでいきますがさすがランドクルーザー、ハンドルを取られることもなく、楽々と進んでいきます。
そして神の子池。
先客が何人か来ていました。うーんゲーム中も思ったけど、直に見てみるとここの池の色は神秘的で身体ごと池の中に
吸いこまれてしまいそうな気がします。
暇を持て余しているなら、ここで半日ぐらいボーッとしていたい気分でしたが、スケジュール的にそんな時間はありません。
さらに「北へ。」向かって出発です。
オホーツク海にぶつかった所で右折し、そのまま知床方面へドライブモードで突き進む。
そういえばこの辺りにもゲームで登場した場所があるはずと、海岸線を注意深く見ながら走り続ける(よそ見運転はいけません)
ありました、峰浜です。
海辺でいちゃつくバカップルを横目にみながら風景写真だけ撮って次の目的地へ。
知床五湖の入り口から右折するとカムイワッカまではかなり厳しいダートが続く。
前にも書いたけど本当にランクルでよかったと思った瞬間。
次から次に、レンタカーが道をあけていく(爆)
安全運転をこころがけましょう!
(…説得力に欠けるセリフだね)
そう、いよいよカムイワッカ湯の滝です。
ゲーム中では、アレなイベントがあったり、アレな人がいたりと、胸ドキドキのイベント会場(爆)
実はわたし、学生の時にも1度来ているのですが、その時は奥地まで入らずに引き返しているのです。
時期的にいないかと思っていたのですが、わらじ貸しのおじさんたちはまだいらっしゃいました。
行く前から、わらじがないと苦労する事はわかっていました。
ゲーム中でも借りずに登って酷い目にあった。
既に行ってきた人の話も聞いていたので、絶対に素足で昇るのは避けるべきだとは思っていた。
でも、あのオヤジ達からわらじを借りる気にはなれなかった…。
そのままの装備で滝つぼを目指した・・・、けれど・・・。
勢いだけで乗りきれるほど、若くはないのだと思い知らされた。
次回こそは、きっとマイわらじを持参で(爆)
とにかく普通の靴だとすべる、すべる。
仕方なく途中で靴を脱いで裸足になったものの、やっぱりすべるのは変わらないし、川底の石で足の裏が切れそうなくらい痛い。
結局は行きで1回左足に打ち身。
帰りは2回。右膝に擦り傷と打ち身。とどめに2メートルほどの高さから足を踏み外して滑り落ちました。
それでも持っていたカメラは壊しませんでしたマル、といった感じで奮闘。
(一瞬、壊したかとも思ったのですが何とか無事でした。
温泉の方も結局は一番低い位置にある滝壷の部分で入浴し、それより上の場所へ行くのは断念。
とにかくすべるは、転ぶは、普段使わない筋肉を総動員。
温泉から降りてきて、地元のおじさんに、
『すいません、この辺で擦り傷や打ち身や筋肉痛によく効く温泉知りませんか?』
と、聞こうかと思ってしまいました。
(キミが今行ってきたのは温泉だろ?)
カムイワッカ湯の滝を後にして、先ほどの分岐点を右折し知床五湖へ。ここは大型バスが押し寄せる観光スポット。
個人的にあまり見るべきものもなしと勝手に判断しスナック類を腹にいれさっさと出発。
そして日本一開通期間の短い道路、知床横断道路へ。途中峠で一休みをして一気に峠越え。
正面に国後島が見えてきたところが羅臼。左折すればひかりごけがある場所でしたが、樹イベント重視のため右折(笑)
海沿いの道の駅で昼食。
昼食後海岸線を南下して、樹のラストイベント会場へ。
ナラワラを通り過ぎ、トドワラの駐車場に車を止め野付半島を軽く散歩。ボーっとしているうちに日が傾き始める。
そうそう、売店は建て替え工事中で営業していませんでした。
243号を内陸へ一気に進み再び摩周湖へ戻る。
第一展望台へ到着・・・。ここが摩周湖の展望台では一番観光客でにぎわっている場所だった…のね。
ひっきりなしに、車が出入りしている。
摩周湖アイスを食べようとも思ったのですが、寒さでパス。
その代りにソフトクリーム食べましたけど(苦笑)
その後、約束の地第三展望台へ。
駐車場と呼べるほどスペースがない第三展望台、路上に車を止め歩いて湖の見える位置へ移動する。
さくっと晴れた写真を撮ったものの、5分とたたないうちに目の前が見えなくなるぐらいの霧が…。
霧の摩周湖とはこうゆうことだったのね。
夕方とはゆうものの、まだ月が出るには早い時間。それらしい人達の姿も見えません。
峠を降りて屈斜路湖畔のクアハウスで一息ついたり、屈斜路湖湖畔で解体され店の中に収納されたクッシーに涙したり。
何かに使えないかと思い、砂湯で飲料用の温泉をポリタンクいれ持ち帰ることにする。この温泉が後々大活躍することになる。
そして、もう1度摩周湖第三展望台へ。
駐車スペースを見回してみると、風雨来記ステッカーが貼られたバイクと車が一台ずつ止まっている。
で勇んで展望台へやってきたのですが、時間のわりに人が多い。
結構有名なスポットだったのですね、満月の摩周湖。
この状況下、なおかつ面識のない人達を探すのもかなり難しそうに思えた僕等は一旦駐車場に戻った。そして・・・、
バイクのところで待ち伏せすることに(爆)
しばらく待つがそれらしい人が来る気配はない。
夕飯もまだ食べていないし、縁が無かったかということで1度は撤収してキャンプ場へ戻ろうかとも考えたが、
こんな機会はもう無いだろうし、まあもうしばらくそこで待つ事にした。
このまま待つだけなのも芸がないので、夕飯を作りながら待つことに(笑)
道路わき、バス乗り場のあたりに座りこんでコンロを持ち出し汲んできた温泉を鍋にあけスーパーで購入しておいた
ジャガイモを茹で始めたのである。
そして、ミニスピーカーを用意して「風雨来記サントラ」のキャンピングディスクを大音量でかける。
怪しい男二人組がバス停に座りこみ、コンロでジャガイモをゆでている情景。
…ふつうはそんな姿をみたら、引くと思います。
こんな馬鹿なこと、普通はやらないと思いますよね。
でも僕達はやったんです(爆)
きっと満月が魔法をかけたんだね…(遠い目)
そんな努力が無事(?)に報われ、オフ会のメンバーとも合流することができました。
ただ、天気の方まではどうにもならず、まともに満月を眺めることができないぐらいに霧が出てきてしまいました。
また、他のメンバーは既に和琴のキャンプ場でバンガローを押さえているとのことでしたが、僕らは本日の宿泊地さえ
決めていないという計画性の無さを露呈。
結局、和琴キャンプ場に向かう事にしたものの、キャンプ場の消灯時間を考えると午後9時には摩周湖を出発しなければならず、
展望台にテントを張りビバークしながら霧の晴れるのを待つという彼らに、差し入れだけして霧の摩周湖を後にしたのでした。
余談。
旅行から戻ってきて、このオフ参加者のひとりからメールをいただきました。
翌朝、和琴のキャンプ場に僕等のことをたずねていったがどうしても見つけられなかったとのこと。
3日目の朝も、結構早い時間から動いていたからでしょう。
どれくらい早かったというと、彼がキャンプ場に僕らを訪ねてきてくれた時には・・・、
僕達、釧路駅にいたと思われます(笑)
さあ、地図で摩周湖と釧路駅との位置関係を確認してみよう!
詳しい事は3日目の日記にて(爆)