■11.04.2000 (Sat):『メンタル・ローテーション』

■こんにちは。3連休の1日目、高校のときの仲間と新宿で中華のspinnですよ。健康法なんて言葉がちらつくくらいに伸び伸び笑い・涙し・意外な恋バナに驚愕したりの、超時空ステキ3時間を過ごすことができました。みんなも経験あると思うけど、気のおけない仲間トーク特有の、高速でつながっていく発言と発言、ガンガン展開していく感じが、うん、楽しかったー。
■これって僕らが日頃会社なんかで話すときにやる、「こんなこと言ったらみんなはどう思うかな?」etc.の事前配慮って名前の計算プロセスが、親密さによって滅茶苦茶にキャンセルされてるってことだよね。他人の発言→(配慮)→(発言してOKと判定)→発言って過程の中間が抜け、ダイレクトで接続することによって、通常の何倍ものシャア専用スピードでトークが展開していくんじゃないかなって先生は思いますが、どうか。
■そして突然だけど、学生のときにやった楽しい実験を思い出したのでつきあってください。2つのマークが同じかどうかを判定するっていう、ご家庭で誰でも気軽にできる簡単な仕事です。説明するよ。
■見せるマークは
、漢字の「了」と・それを左右反転したものの2種類です。僕はここから2つを選んで並べて提示するので、みんなはその2個が同じものかどうかをすばやく判定してください。ただし僕はイジワルとして・左側を回転させて提示します。だからみんなも頭の中で左をぐるっと回して、僕のイジワルに対抗してください。
それでは、いくよ‥‥‥
(a)
これは? (b)
これは?
■‥‥‥はいやめー。では答え合わせ。隣の人と答案用紙を交換してー。まず(a)、これは左右同じマークだよね。左を時計まわりに90度まわすと、左右とも同じ記号=反転した「了」タイプになります。続いて(b)はというと、これは左右で違う記号。左をぐるっと180度まわしても、同じマークになりません。
■これは、「心的回転(mental rotation)」っていう認知科学系の実験。何がオモロいかっていうと、こういう判定を500問とか1000問とかやって測った判定時間を平均すると、頭の中で90度回転させる(a)タイプより180度回転させる(b)タイプのほうが、誰がやっても笑うほどキレイに判定時間が2倍かかるんだよね。
■それってつまり、非常に短い間でも頭の中で「んんーーー」つって、律儀に等速でマークを回転させてる=回転を想像してるってことになる。おかしいよね。何よりも自由なはずのボクラの想像の翼にも、わりとベタな物理法則が影響してるこの事態。というより、僕たちの気持ちで行われる想像って、現実に見た動きを・現実に見たようにトレースしながら行われてる、ってことなんだろうな。きっと。
■で、想像の翼をさらに拡げていきたい人類と私とみんなと宇宙船地球号の乗組員と僕らなら、想像時にトレースする「動き」の種類をもっと多種多様に見ておきてーとか思いました。サッカーを観てると思いもよらないパスワークに驚かされることがあるけど、それって彼ら一流選手が僕が持ってないような動きのイメージを持ってるってことだし、逆に動きがイメージできれば、(少なくとも想像上では)華麗なパスワークが決められるんじゃないかなって思うんだよねー。
■てなところで、すげー長くなっちゃった今日はおしまい。それでは、またね。