ワシントンDCって?





 ワシントンDC。Washington District of Columbiaの略である。日本語訳すればワシントン・コロンビア特別行政区。まぎれもないここがアメリカ合衆国の首都である。初代大統領・ジョージ=ワシントンとアメリカ大陸の発見者・クリストファー=コロンブスの2人の名前が含まれている。西北端のワシントン州と区別するためにアメリカではDCと言うことが多いそうだ。

 人口は約61万人。首都圏全体で610万人。町のモットー、「すべてを公平に Justis Omnibus」というのが反映していてアフリカ系の人種が66%と最も多く、次いで白人の29%。アジア系は韓国人が多く、日本人は3500人くらいしかいない。

 アメリカの首都はもともとワシントンDCではなかったのは御存じだろうか?もともとは今のニューヨークにあった。もともとの名前をニューアムステルダムと言い、オランダの植民地であった。次いで今のアメリカ北東部はイギリスの植民地に、南東部はフランスの植民地になっていた。18世紀後半に起こった独立戦争の時に一時フィラデルフィア(ニューヨークとワシントンDCの間)に置かれていたが、独立戦争勝利の後、首都を攻めるに難く守るに易いポトマック河口の地に定め、ワシントンDCと名付けた。

 首都建設は独立戦争の参謀将校であったピエール・ランファンに託された。彼は軍人であったが建築家としての才もありワシントンに見込まれたのである。彼の計画では100マイル平方の正方形で各頂点がそれぞれ東西南北を指し、対角線の交点上に国会議事堂を置くというものであったという。彼の理想は「広くて快適で生活できる機能的な都市」で、町を東西に横断する道路にはアルファベットを、南北に縦断する道路には数字を、斜に走る道路には州の名前をつけた。これもランファンの発想であったという。例えばS Street、3rd Street、 Pennsylvania Avenue、といったものである。

 「都市公園」と言われるだけあって、町には芝生で覆われて区画が多く存在する。そこにはアメリカの偉人立ちの像が立ち、噴水が見られ、歩道沿いにはベンチが並ぶ。昼どきにはサラリーマンがベンチで昼食を食べたり、人々がはだかで芝生の上に寝転がったりしているのが見られる。

 ここの住所表記がまた面白い。日本の住所表記にも一定の規則があるがちょいとわかりにくい。新聞配達でもしたことがある人ならわかるかもしれないが。ワシントンは面白い。町をSouthwest、Southeast、Northwest、Northeastの4部に分ける。それぞれSW、SE、NW、NEと表記する。あとは簡単。たとえば、1225 G st.NWと言う住所を見ると、北西地区(NW)のG streetに面した、12th Streetと13th Street間の部分とわかる。下2桁の数字は100で1ブロックと考えるのでわかりやすい。1100 Massachusetts Ave.NWだと北西地区(NW)のマサチューセッツ通りと11th Streetの角。簡単だ。

 ワシントンDCへのアクセスとしては飛行機が大多数を占める。もっとも有名なのがワシントン・ダレス国際空港。DC中心部から車で40分くらい。素晴らしくきれいな空港で関西空港ができるまでは空港デザインとしては最高の出来だと言われていたくらいだ。僕が降り立ったのもこのダレス空港だ。その他にはロナルド・レーガン・ナショナル空港、バルティモア−ワシントン国際空港がある。外国の空港には人の名前がつくことが多い。ジョン・F・ケネディ国際空港(ニューヨーク)、シャルル・ド・ゴール空港(パリ)など。日本には無い。

 見どころは言わずもがなホワイトハウス、ワシントン記念塔、国会議事堂、そしてスミソニアン博物館である。それはおいおい他の所で。

 最後にワシントンDCの気候だが、緯度的には日本で言うところの仙台と一緒である。「しばらく待ってたらすぐに変わるよ」ということわざがあるくらいに天気は変わりやすい。傘は必携だ。四季はあるが春と秋が短くて夏と冬が長い。夏は高温多湿。でも大阪ほどではない(笑)。冬は東京よりも寒いらしい。降雪もあるらしいが積もることはまずないと言う。

 政治の中心。観光業しか存在しないという町、ワシントンDC。経済の中心地こそニューヨークに奪われてはいるが多くのモニュメントや白亜の建物が並び立つ町。アメリカの歴史がすべて集中した町。ここはアメリカ人にとっての聖地なのかもしれない。


2000.07.23



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