これは好きだなあ。
繊細で美しく哀しく衝撃的で、じわじわと泣けてしまう作品だった。
観賞の第一の動機は、大好きな映画
「アクロス・ザ・ユニバース」(2007年)のヒロイン、
エヴァン・レイチェル・ウッドが主演していることだったが、もしもそうでなくても、観ることができてラッキーだった。
これは、
あらすじも何も知らずに観るのが一番インパクトがあっていいので、そうすると感想も何も書けなくなってしまうわけだが、それでも映画紹介に書かれている程度の前知識があっても、まあまあ問題はないと思う。
それ以上の中身があるから。
でも、トラックバック先などのブログ記事を読むときは、ネタばれに要注意!
ダイアナを2人の女優が演じる。17歳のダイアナがエヴァン。32歳のダイアナがユマ・サーマン。
ふっくら顔のエヴァンと、やせ顔のユマとは、ちょっと違うなあと思ったが、いろいろ苦労して、やせちゃったんだ…と私は考えようとしていた。(笑)
胸はユマのほうが大きくて、そこは遅めに成長したのだろうか…などと下世話なことまで考察していた。(すいません。)
しかし最終的には、いろいろな意味で、必ずしも見かけが同じでなくてもいいか、とも思った。
ただ、エヴァンかユマがメイクの力を借りて、17歳と32歳をひとりで演じる手もあったのではないか。
最後まで観ると、ああ、あそこであんなことがあったけど、それも納得! と合点が行く、そういうような話でもある。
エヴァンの親友役のエヴァ・アムーリ(本名でも、エヴァンとエヴァで仲良しっぽいぞ)は、なんと
スーザン・サランドンの娘なのだそう。
母親ゆずりの、しっかりした演技の片鱗が見える?
32歳のダイアナの娘エマを演じたガブリエル・ブレナンも、うまい。(うまくない子役って、めったに見ないけどね。起用されるくらいだから、みんなうまいのだろう。)
監督は
「砂と霧の家」(2003年)という、ズシンと重たい映画を見せてくれた
ヴァディム・パールマン。
今度も、いい作品を見せてくれた。(といっても、観客それぞれの好みがあるのは、もちろんのこと。)
キーポイントになる事件のことについて、映画の中では、それほど重きを置いていない。原因や内容など、深くは語られないのだ。それは、あくまでも中心の物語ではないからなのだろう。
ひとりの多感な女子学生の心、夢、将来、人生、決意、自分で手に入れられるもの、自分の力ではどうしようもないもの、などを魔法のように魅惑的な映像と語り口で見せてくれる。(ほめすぎかも?)
ラストは何ともいえない感覚に襲われる。
いろいろと感じさせてくれる、そのなかでも、映画がいちばん言いたかったのは、
人生の貴重さ、素晴らしさ、かもしれない。
花の描写など、写真家の蜷川実花の感覚に近いという評があるが、監督が彼女の作品を好きだということが、どこかに書いてあったような気も…?(気のせいかも。)
エヴァンは、ミッキー・ローク主演の「レスラー」(初夏公開予定)に出演しているのだが、これもチェックしなくちゃいけないな。
美女に弱い私…。
とにかく、この映画、
百聞は一見にしかず。そして先に「百聞」してしまったら、すごく、もったいない。