ほとんど、シャーリーズ・セロンさんの魅力で引っ張る映画。
見た直後にツイッターでつぶやいたけれど、こんな自分勝手な女を演じても、
「映画として見(魅)せきる」力をもっている素晴らしさ。
それに、私はもともと彼女のファンだし、近くで記者会見で見た、たったひとりの俳優さん、というのもあって、特別な思いもあるのだ。
「JUNO/ジュノ」、
「ジェニファーズ・ボディ」などの
ディアブロ・コディの脚本。
今回もまた、どこかドロップアウト気味な(?)小気味よさが楽しめる好編。
評判のよくなかった「ジェニファーズ・ボディ」も私は好きだし。
監督は、再び「JUNO/ジュノ」のジェイソン・ライトマンだ。
このコンビは、いいね!
ゴーストライターの仕事をしているが、その連載はもうすぐ終了、離婚も経験して都会でワンコとともに生きているメイビス(シャーリーズ・セロン)。
元カレ夫婦に赤ちゃんができて招待を受け、彼を奪うつもりで故郷へ戻って…。
人の家庭をぶち壊すなんてこと、常識では考えられないことだと思いがち。
だけど、ほんのちょっとだけ思考回路がずれたら、やっている本人にとっては別におかしなことでもなんでもないのです。たぶんね。
映画のなかでも言われていたように、彼女みたいに美人で、都会でがんがん働いている(と思われている)のに、なんの不自由や文句があるのか、と周囲の平凡な人たち(私とか)は当然考える。
不安や孤独や満ち足りない気持ちがあったって、他人にはわからない。
だから…
自分ががんばるしかないんだ。
不満を言ったって、しょうがないんだ。後ろに戻ったって意味ないんだ。
それって、かっこわるいじゃん。
泣きたいときは、私のところにおいでよ、シャーリーズ。(あ、公私混同してしまった。)
恋愛関係を描いた映画にはよく登場しがちな、カレとカノジョの中間に位置する役(緩衝地帯)(?)で、パットン・オズワルトという人が、いい味。(こういうの、お得な役柄でもあるよね。)
調べてみたら、「レミーのおいしいレストラン」(2007年)で、レミーの声をやっていたという。(見てないけど。)
あなたが着てるシャツがいいの。…切ないなあ。
映画館で、これ「ヤング≒アダルト」の劇場ですよね?と聞いていた若い女性がいた。男性が多くて意外だったようだ。
認識不足です。映画ファンは観にくるし、しかもシャーリーズが好きな男子は、年齢を問わず、いっぱいいるんです!
そして、その女性は、エンドロールになったら、携帯の明かりをつけた! まだ暗い劇場の中、そこだけ明るく。
…あなた、メイビスを見習って彼女風な行動を実践したわけじゃないでしょうね。きっと、なんの悪気もないまま、そんなふうに周囲に迷惑をかけてる人なんだ。
ヤングアダルトって、子ども向けの本と、大人向け文学の中間の本あたりのジャンルらしい。邦題には≒というマークが入ってるが。同じじゃないが、ほとんど似てる、ってことか。
大人だけど、子ども(みたい)なんだ、って。
とにかく、
シャーリーズが素晴らしいです。