マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

THE IRON LADY
監督 フィリダ・ロイド
出演 メリル・ストリープ  ジム・ブロードベント  アレクサンドラ・ローチ  ハリー・ロイド  オリヴィア・コールマン
脚本 アビ・モーガン
撮影 エリオット・デイヴィス
編集 ジャスティン・ライト
音楽 トーマス・ニューマン
2011年 イギリス作品 105分
好き度☆☆★


晩年のサッチャーさんと、夫の「まぼろし」とのドラマが中心の映画とは予想してなかったよ。

観ているとき、ずっと眠かった。
まさか、サッチャーさんの白日夢みたいなのが感染した、わけではない。
「マリリン 7日間の恋」を観た、そのすぐ後に続けて観たせいで疲れていたか。
アカデミー賞をとった映画だから、あんまり興味がないのに観たせいか。

内容に興味がないと、ダメですね、やっぱり。
主演のメリル・ストリープさんと監督のフィリダ・ロイドさんは、私の大好きな映画「マンマ・ミーア!」のコンビなんだけど、それはそれ、これはこれ。

観ていて分かったサッチャーさんの功績は…
収入の多い少ないに関係なく、誰からでも同じ額の税金を取り、経済を立て直したらしいこと。低所得者の怒りを買うのは必然。私も怒ると思う。
それに、戦争開始を決断したこと。
そのくらいですか。いいことないじゃない。

党内の人々が離れていく理由が、あるときのミーティングで、ひとりの仲間を、みんなの前で、こきおろしたこと、この一点しか描かれていないので、ちょっと描写不足では?
(ほかにも、何かあったなら、私が観賞中に意識を失ったのだと想像する。笑)
その話を出しただけで、すぐに選挙敗北へとつなげていったようで、安易な気がした。

若い頃のサッチャーさん(アレクサンドラ・ローチさん)、雰囲気よかった。その彼氏を演じたハリー・ロイドって、作家ディケンズの子孫らしい。

サッチャーさんの半生を映画として残したかったのか、これは何を狙った映画なのだろう。
夫婦愛を描きたかったのか?
そのあたりもわからないから、つまらないとまでは言わないまでも、何だか、おもしろくない

それに、原題は「鉄の女」。邦題で「涙」なんて、つけなくていい。いかにも日本的で、観客受けを狙ってるみたいだ。

メリルの成り切りぶりには、おみそれしましたというしかないが、アカデミー賞主演女優賞は「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズさんにしてほしかった。
メリルの場合、このくらいの演技をしても、もう当たり前と、とらえてほしい。もっと気鋭の若手(つまり、ミシェル・ウィリアムズさん)に賞をあげて、賞賛してあげるべきだ。
ま、ミシェルはゴールデングローブ賞をとっているから、アカデミー賞なんていらないっていえば、いらないですけど。




〔2012年3月25日(日) ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋〕


映画感想/書くのは私だ へ        トップページへ