スプリング・ブレイカーズ

SPRING BREAKERS
脚本・監督 ハーモニー・コリン
出演 ヴァネッサ・ハジェンズ  アシュレイ・ベンソン  レイチェル・コリン  セレーナ・ゴメス  ジェームズ・フランコ  へザー・モリス  ケイト・テイラー  エマ・ホルツァー  ローレン・ヴェラ  グッチ・メイン
撮影 ブノワ・デビエ
編集 ダグラス・クライズ
音楽 クリフ・マルティネス  スクリレックス
2012年 アメリカ作品 92分
好き度☆☆☆★


トリップ感というのか、イッちゃってる?

Rさんの魔の手に誘われ(笑)、東京国際映画祭にフラリと足を延ばしてみた。
…だって、大好きな「エンジェル ウォーズ」に出ている、ヴァネッサ・ハジェンズさんが主演! しかも、ビキニ美女いっぱいですか?

監督のハーモニー・コリンは、マリリン・モンローさんのインパーソネーターがらみの映画「ミスター・ロンリー」をつくっていて、もちろん私は以前、観ている。なんだか不思議な映画だったが。
いかずばなるまい。これは! 今度も。

女子大生らしき4人が、こんなところはイヤだ、春休みに外へ出て人生をドッカンと謳歌したいのよ!(それが、スプリング・ブレイクだ。)
とばかりに(たぶん)フロリダに行く。

行くのはいいが、資金がないから、食事店に強盗に入るって!?
運転役の娘が、ゆっくりクルマで店の裏口(?)へ向かいながら、仲間が強盗をはたらく様子を窓越しに見ているシーンが、クールで、かっこいい。
悪いことなんだけどね。
そんなスタートだから、はじめは楽しくても、やがて自業自得な展開に?

でも、だからダメなんだと、この映画は断定しない。
水着の女の子ワンサカ。音楽ガンガン。
キレキレの映像編集、台詞のリピート、時間経過のシャッフル。
パワフルだ。
中身はどうでも、刺激的。
この娘たちの「軽さ」ゆえに、どこまで突っ走るのか。

家族にケータイで連絡はする。ママに。心配はさせまいとする娘もいれば…。
どの程度、本気で考えているのだろうか…。
無軌道、奔放、ハメをはずして楽しむと、そこには法律というものも立ちはだかっていたりする。
違法な薬物とかね。

暴走したら、こんなことにもなるんだよ、と結論づけられると考えてもいいけれど、その前に。
ビキニにトップレスに裸に音楽に。酔ってもいいんじゃないかと。映画だからさ。

主役の4人を見ているだけでも楽しいじゃない。
(私はセレーナ・ゴメスさんもアシュリー・ベンソンさんも、本作で発見、認識。監督夫人のレイチェル・コリンさんって若いんだなーっと驚きもした。)
まー、この子たちは何だろね。って思って観てたら、このスプリング・ブレイク、楽しいだけじゃなくなってきたわけで。どうする、君たち。…というお話の興味も出てくる。

ワル男くんで登場するのが、ジェームズ・フランコ。
ノリノリです。
でも、だんだん、精神の奥底では、女たちに翻弄されてるんじゃないかという気がしてきた。
それが男のサガなのかも、しらん。それならそれでいいんだ。

銃撃戦の顛末が、ああなるのは、どういうことだろう…ありえないと思うが、でも人生は続く、のか。
心地よい裏切りでもある。

こんなんなったら終わりだなと考えながらも、今の時代のアメリカンニューシネマだったりして? なんてことも、ふと思う。
共感はしないけど、もんのすごくユニークな映画だった。




〔2012年10月21日(日) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ〕


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