−深夜特急−


 「人のためにもならず、学問の進歩に役立つわけでもなく、真実をきわめることもなく、記録を作るためのものでもなく、血湧き肉躍る冒険大活劇でもなく、まるで何の意味もなく、誰にでも可能で、しかし、およそ酔狂な奴でなくてはしそうにないことを、やりたかったのだ(「深夜特急」 第一章)。」

 26歳の沢木耕太郎は、机の引き出しに転がっている一円硬貨までをかき集めて1900ドルを作り、仕事の全てを放擲して旅に出た。「デリーからロンドンまで乗り合いバスで行くことができるか。」その酔狂な旅の途中で、彼はさまざまな場面に出会っていく・・・。決して色褪せることのない最高のノンフィクション。

 「もし、この本を読んで旅に出たくなった人がいたら、そう、私も友情をもってささやかな挨拶を送りたい。
 恐れずに。 しかし、気をつけて。」

(「深夜特急 第三便」 あとがきより)

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<文庫本>
(紹介文は裏表紙からの転載です)

深夜特急1 新潮文庫

1994年3月発行
 インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く  。ある日そう思い立った26歳の<私>は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、町の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや・・・。一年以上にわたるユーラシア放浪が、今始まった。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ!

[対談]出発の年齢(山口文憲×沢木耕太郎) 収録 
深夜特急2 新潮文庫

1994年3月発行
 香港・マカオに別れを告げ、バンコクへと飛んだものの、どこをどう歩いても、バンコクの街も人々も、なぜか自分の中に響いてこない。<私>は香港で感じた熱気の再現を期待しながら、鉄道でマレー半島を南下し、一路シンガポールへと向かった。途中、ペナンで娼婦の館に滞在し、女たちの屈託のない陽気さに巻き込まれたり、シンガポールの街をぶらつくうちに、<私>はやっと気がついた。

[対談]死に場所を見つける(高倉健×沢木耕太郎) 収録
深夜特急3 新潮文庫

1994年4月発行
 風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。そうやって<私>はやっとインドに辿り着いた。カルカッタでは路上で突然物乞いに足首をつかまれ、ブッダガヤでは最下層の子どもたちとの共同生活を体験した。ベナレスでは街中で日々演じられる生と死のドラマを眺め続けた。そんな日々を過ごすうちに、<私>は自分の中の何かから、一つ、また一つと自由になっていった  

[対談]十年の後に(此経啓助×沢木耕太郎) 収録
深夜特急4 新潮文庫

1994年4月発行
 パキスタンの長距離バスは、凄まじかった。道の真ん中を猛スピードで突っ走り、対向車と肝試しのチキン・レースを展開する。そんなクレイジー・エクスプレスで、<私>はシルクロードを一路西へと向かった。カブールではヒッピー宿の客引きをしたり、テヘランではなつかしい人との再会を果たしたり。前へ前へと進むことに、<私>は快感のようなものを覚えはじめていた  

[対談]終わりなき旅の途上で(今福龍太×沢木耕太郎) 収録
深夜特急5 新潮文庫

1994年6月発行
 アンカラで<私>は一人のトルコ人女性を訪ね、東京から預かってきたものを渡すことができた。イスタンブールの街角では熊をけしかけられ、ギリシャの田舎町では路上ですれ違った男にパーティーに誘われて  。ふと気がつくと、あまたの出会いと別れを繰り返した旅もいつのまにか[壮年期]にさしかかり、<私>は、旅をいつ、どのように終えればよいのか、考えるようになっていた  

[対談]旅を生き、旅を書く(高田宏×沢木耕太郎) 収録
深夜特急6 新潮文庫

1994年6月発行
 イタリアからスペインへ回った<私>は、ポルトガルの果ての岬・サグレスで、ようやく「旅の終わり」の汐どきを掴まえた。そしてパリで数週間を過ごしたあと、ロンドンに向かい、日本への電報を打ちに中央郵便局へ出かけたが  
Being on the road   ひとつの旅の終りは、新しい旅の始まりなのかもしれない。旅を愛する全ての人々に贈る、旅のバイブル全6巻、ここに完結!

[対談]森の少女とカジノの男(井上陽水×沢木耕太郎) 収録



<単行本>
(紹介文は帯からの転載です)
深夜特急 第一便
黄金宮殿
新潮社

1986年5月発行
 デリーからロンドンまで、2万キロの道のりを乗合いバスで旅してやろう!26歳の<私>は、ある日思い立つとあり金をかき集め、旅に出た。途中立ち寄った香港では、黄金宮殿という奇妙な宿に放り込まれ、街の熱気に酔い痴れて思わぬ長居をしてしまう。次いで訪れたマカオでは、「大小」というサイコロ博奕に取り憑かれ、あわや…
深夜特急 第二便
ペルシャの風
新潮社

1986年5月発行
 “香港の幻影”から脱け出して、やっとインドにたどり着いた。風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねて旅することに快感を覚えるようになった<私>は、最下層の子供たちとの共同生活を体験し、街で日々遭遇する生と死のドラマを眺め続けた。そして、クレイジー・エクスプレスともいうべきバスに乗って「絹の道」を一路西へ…
深夜特急 第三便
飛光よ、飛光よ
新潮社

1992年10月発行
 トルコで“使者”としての役割をはたした<私>は一路ギリシャへ。宝石を敷きつめた様なアドリア海を船で渡ると、「ローマの休日」が待っていた。しかし、何かが違ってきている―。南仏、スペイン、ポルトガルと旅を続けてきた〈私〉は、ユーラシアの果ての岬サグレスで、<旅の終り>の汐どきを見つけた。そして、終着点のロンドンで…。



<講演カセット>
「深夜特急」に乗って
新潮社

1998年8月発行
  26歳のある日、ノンフィクション作家・沢木耕太郎は、インドのデリーからイギリスのロンドンまでを乗り合いバスに乗って一人で旅にでることを思いたった・・・・・・。すぐれた紀行文学であるとともに一世を風靡した青春ドキュメントでもある「深夜特急」。その著者が自らの思い出と旅にまつわる文学論を語った熱き60分。

 1986年6月13日に東京・新宿の紀伊国屋ホールで行われた新潮社の文化講演会の録音を収録したもの。



<関連書籍>
僕たちの「深夜特急」
西牟田靖
1997年12月
スパイク
\1,600
 僕は26歳の春、ユーラシア放浪に出発した…。旅人のバイブル『深夜特急』。沢木耕太郎がたどったルートを忠実になぞり、泊まった宿を丹念に捜し歩き、めざすははるか二万キロ先のロンドン。さあ無事に着けるのか?「深夜特急」の旅を再現。
(帯より転載)

・著者のページ

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