私は、私の作品に、次のような保証をしています。

私が生きて元気なうちに、製作法が原因とされる故障が生じた場合、無償にて修理させていただきますことをお約束いたします。

矢澤の家具とのお付き合い方法
無垢の家具、漆塗りの家具のお取り扱い上の注意
矢澤の家具の特徴

矢澤の家具は自然素材のみを使っています。木はすべて無垢材を使用し、合板は一切使っておりません。また、塗装には漆を使っています。合板や化学塗料の強さをサイボーグにたとえれば、無垢材や漆は人間です。デリケートな一面を持ちますが、その性質を理解して接すれば、長く使われうる強さを持っています。何よりも、人の心に、自然に寄り添うぬくもりと美しさを持っています。また、合板の接着剤などに使われているホルマリンや、化学塗料による健康への害の心配がありません。それ故、無垢材や漆の作業は、多大な労力と気遣いを必要としますが、誇りを持って取り組んでおります。

また、自然素材は補修がきくという強みを持っていますので、メンテナンスをすることにより末永くお使いいただけます。メンテナンスにも積極的に取り組んでいますので、遠慮なくお申し付け下さい。そして以下のようなお取り扱い注意事項をご参考の上、末永く御愛用下されば幸いです。(補修、メンテナンスのお申し付けにつきましては、こちらをご覧下さい。)

無垢材とのお付き合い

合板と違って、無垢材は家具になっても生きていて、温室度変化により、伸びたり縮んだりします。そのため、家具を直接日光に当てると、ひび割れが入ったりすることがあります。梅雨に木が膨らみ、扉、引き出し等が閉めにくくなることがあります。エアコン、ファンヒーター等により乾燥収縮して椅子の脚などがゆるくなり、ガタついたり、抜けたりすることがあります。ですから、家具に直接日光が当たらないよう、エアコン、ファンヒーターが直接当たらないよう、ご配慮下さいますようお願いいたします。しかし、上記に述べてような故障は、いずれの場合も補修が可能ですので、補修が必要なときは、遠慮なくお申し付け下さい。

漆の家具とのお付き合い

日常的には、埃が付いたら空拭き、汚れが付いたら水拭きしてください。

漆の性質としてまず色の変化が挙げられます。漆は最初黒みを帯びていますが、徐々に黒みが取れ、透明感を帯びた明るい色に変化します。その為、あとから購入された家具と以前に購入された家具の色が違いますが、樹種が同じであればやがて同じ色になりますのでご安心下さい。

漆は、熱や薬品や熱湯に強いという長所を持っていますが、紫外線に弱いという短所を持っています。漆は紫外線によって劣化致します。日当たりの良い明るい部屋に置かれた家具は、つやがなくなる傾向がありますが、これにはつや出しオイルなどで対応させていただいております。必要な方は「矢澤の家具の補修を承ります」をご覧下さい。

漆はほかの自然塗料同様、鉄に弱いです。鉄製品(缶ジュース、茶筒等)をテーブルの上に長時間放置しますと、結露により鉄の黒錆のあとがつくことがあり、簡単には落とせません。ご注意下さいますようお願いいたします。

テーブルの天板は毎日幾度も水拭きされると、自然に漆の塗膜が薄くなっていきます。そうなると、コップの水ジミができやすくなったり、ワイン、シャンパンを一晩こぼしたままにしておきますと、白いあとが付くことがあります。漆が摩耗してしまう前につや出しオイルでメンテナンスして行くと、塗膜を保護できます。オイルを準備しておりますのでご希望の方はお申し付け下さい。また、完全に漆が取れて木地が出てくると、使い込んだ味わいが出てきますのでそれを楽しまれるのも一つの方法ですし、拭き漆をし直すことにより最初の状態に近いものにすることもできます。これにつきましても、「矢澤の家具の補修を承ります」をご覧下さい。

漆が紫外線で劣化した場合、雑巾で拭くと茶色く色落ちすることがあります。このような場合前述のオイル拭きをする事により防止できます。

家具の置き場所の水平について

床は意外に水平でないものです。食器棚などは、水平な床でないと、本体が歪んで、扉の上か下が擦るようなことがありますが、水平になるよう、板、紙などを挟むと直ります。(向かって右に蝶番がある扉の場合、その扉の左上が擦るときは、食器棚本体の左下に板を挟むと擦らなくなります。右扉の左下が擦るときは本体の右下)左扉の場合は逆になります。分かりにくいときは、とにかく下に何か挟むと、改善すると記憶して下さい。

蝶番

当工房の使用するシンチュウ蝶番は、曲げ物ではなく、シンチュウのかたまりから作った丈夫なものですが、油切れしますと摩耗して扉が下ります。年に一度くらいミシン油を差していただけると有り難く存じます

床とフェルトの滑りについて

当工房では、基本的には家具にフェルトを貼って出荷させていただいております。床が木質のフローリング材の場合には家具の底(床との接地部分)にフェルトを貼ると滑りが良くなります。畳の場合にはフェルトは貼っても効果がありません(畳の上で家具を滑らすと畳が痛むことがあります)ので、貼らないようにしています。板張りの床にワックス掛けをした場合、ワックスに含有する滑り止め剤の為に、椅子のフェルトが滑らなくなることがあります。そのような場合、フェルトが硬化していることが多いので、まず椅子のフェルトを押しピンの先などで擦って良くほぐし、次に新聞紙の上などで、フェルト部分にシリコンスプレー掛けをするとよく滑るようになります。(スプレー時間は、ほんの1秒程度で十分です。)シリコンが床に散ると床が滑って大変危険ですので、できれば野外の土の上でされることをお勧めします。

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