Donut

製作者(敬称略)
MB

概要
ブラウザ(大雑把に言えば、インターネットを見るためのソフト)です。
なんたって動作が軽い、メモリ消費量が少ない、強制終了&フリーズが少ない。
Windowsシリーズには買ったときにInternet Explorer(以下IE)というブラウザがついています。
また、Netscape Navigator(以下ネスケ)を愛用している根強いユーザの方もいらっしゃるようですね。
今回ご紹介するDonut、下の表を見て頂ければわかりますが、ブラウザとしてはかなりファイルの容量が小さくなっています。
というのも、DonutはIEコンポーネントブラウザ、つまりIEで使用しているファイルを利用しつつ、IEにはない機能を追加したり、逆に不要な機能を削ったブラウザであるわけです。
IEのファイルを利用しているので、当然IEがインストールされていなくてはいけません。動作環境は、IEのバージョン4.0以上がインストールされていること。OSはWindowsシリーズならば問題ないようです

種別 ファイル容量 ダウンロード所要時間 ダウンロード先へのリンク
インターネット閲覧用ブラウザ 解凍前:約100KB
解凍後:約230KB
アナログ33.6kモデム:約30秒
アナログ56kモデム:約17秒
ISDN64k:約15秒
製作者HP

Vector
容量はおおよその数値、ダウンロード所要時間は単純計算で算出したものです。
ダウンロード所要時間に関しては、ダウンロード先のサーバの具合によって大きく差が出る場合があります。
以上、御了承ください。

ダウンロード
ベクターに掲載されているほうは、なんだかバージョンが2.48です(笑)。
なので、製作者HPのトップから「Japanese」→「Foods」→Donutの「リリース版ダウンロード」から「donut252.lzh」をダウンロードしましょう。クリックするなり、Iriaなどのダウンロードツールを使うなり、お好きなほうでどうぞ。
Iriaの解説はコチラ


インストール
ダウンロードしてきた「donut252.lzh」をeoなりLhasaなりの解凍ツールで適当な場所に解凍すればOK。
eoの解説はコチラ

使い方
解凍したフォルダの中にある「Donut,exe」をダブルクリックすると起動します。ブラウザですので、デスクトップにショートカットを作ってもいいかもしれません。
起動すると、こんな感じ↓のウィンドウが出てきます。かなり縮尺してあるので見づらいかもしれませんが・・・。

先にも書いたとおり、IEの設定をそのまま使用しているので、お気に入りやスタートページなどの再設定は必要ありません。

このDonut、タブ付きMDIブラウザということなのですが。
MDIはあとで説明することにします。
で、タブというののがコレ↓。

全体図の左上の部分を拡大したものです。横長の四角が三つ並んでいて、それぞれに字が出ていますね。これはそれぞれ、表示させているホームページのタイトルです。IEだと、ウィンドウのバーのいちばん右上の青色になっているところに表示されてるやつですね。
このタブをクリックすると、画面がそれぞれのページに切り替わるというわけです。

また、表示形式も四つあります。
まず最初が、上に挙げた普通の表示方法。
さらに、ツールバーの「ウィンドウ」の部分をクリックしてみると、「重ねて表示」「上下に並べて表示」「左右に並べて表示」の三つが選べます。これで四つ。
「重ねて表示」だと、こんな感じ↓

それぞれのウィンドウを自由に動かせます。
「上下に並べて表示」は、こんな感じ↓

「左右に並べて表示」だと、こんな感じ↓です。

これらの表示法は、それぞれのページを比較しながら作業をするのに適していますね。
ウィンドウを閉じたいときには、それぞれのウィンドウの左上についている「×」をクリックするか(一番外側にあるDonut自体の「×」ボタンを押さないようにしましょう、Donut自身が終了してしまいます。笑)、消したいウィンドウのタブにマウスカーソルを持っていって、右クリックして「閉じる」を選ぶか「c」のキーを押せばOK。
たとえば、アドレスは書いてあるけどリンクが張っていないページにいきたいとか、テキストファイルからコピー&ペーストして新しいページにいきたいとか、雑誌に載っているアドレスを打ち込みたいとかいうとき。しかも、それを新しいページで表示させたいとき。
IEの場合は、いちいちバカみたいに重いウィンドウを起動させ、それにいちいちコピー&ペーストするなりアドレスを打ち込むなりしなければならないわけですが、Donutの場合は非常に簡単です。
ツールバーの「ファイル」→「新規作成」→「空白のページ」を選ぶか、その下の段の一番左、白紙のイラストのボタンをクリックしましょう。すると、「about:blank」というタイトルの空白ページが新しく出てくるので、そこのアドレスバーにコピー&ペーストなり打ち込みなりをすればいいわけです。
また、コピー&ペーストの場合は、最初にテキストファイルやページに書かれているアドレスをコピーもしくは切り取りしておけば、「ファイル」→「新規作成」→「クリップボード」を選ぶと、自動的にそのアドレスのページを新しいウィンドウで表示してくれます。ちなみにクリップボードとは、コピーや切り取りをきたファイルや文字列を一時的に記憶させておく場所のことです。クリップボードは普通は見えません。見るツールもありますけどね。

で、MDIってなんだ、という話ですが。
MDI(Multi Document Interface)というのは、大きな親ウィンドウの中に小さな子ウィンドウを表示させること。Donutでいうと、親ウィンドウがツールバーなどがついているほうのやつで、子ウィンドウはページを表示するほうのやつにあたりますね。
IEは大きな親ウィンドウしか持っていないため、新しいウィンドウを開くたびに、多大な手間をかけて新たにIEをもうひとつ立ち上げているわけですが、MDI方式ですと、子ウィンドウは飽くまで親ウィンドウに制御されているものひとつに過ぎないわけで、そのぶんCPUやメモリを使わずにすむ、というわけです。素晴らしい。

さて、いろいろ多機能なDonutですが、私がDonutを使っている大きな理由になっている部分を二つ御紹介しておきましょう。文字多くてすみません(笑)。
まず、ポップアップ抑止機能。
ポップアップというのは・・・IEを使っていると、開いた覚えのない新しいウィンドウが出ているときがありますよね。それがポップアップです。主に無料ホームページを使用したサイトなどによくある現象で、広告やなんかが表示されています。
IEでこれをやられると、いちいち消すのが面倒だし、かといって放っておくとデスクトップがウィンドウだらけになってえらいことになり、メモリも多く消費されてしまうのですが。
Donutでは、このポップアップを抑止する機能があります。
やり方は簡単。今後一切表示させたくないポップアップのタブにマウスカーソルを合わせ、右クリックして「ポップアップ抑止に追加」を選んでクリックすれば良し。今後そのポップアップは、一瞬表示されるもののすぐに消えます。
間違えて表示させておきたいポップアップを抑止に加えてしまったときには、「ツール」→「Donutのオプション」から「ポップアップ抑止」を選び↓、

それらしいアドレスを見つけてクリックして選び、「削除」→「適用」→「OK」。これで問題なし。

もう一つは、使用する/しないプログラムを簡単に選択することができるということ。
「ツール」→「セキュリティ」を選びましょう。「ActiveXコントロールの実行」「ActiveXコントロールのダウンロード」「スクリプトの実行」「Javaの実行」と四つ出てきて、それぞれにチェックがついていますね。
ActiveX、スクリプト(ここではJavaスクリプトのこと)、Java(Javaスクリプトとはまた別モノ)というのは、インターネットのページをいろいろ演出するためのプログラムです。
CGのアニメーションや、先に挙げたポップアップなどが、こういったプログラムを利用したものなのですが。
まあ、普通にネットを回っているぶんには問題ないのですが、ごくまれに、このようなプログラムを使った悪質な悪戯やクラッキングを仕掛けているページもあったりします。
フリーズなど可愛いほう、下手するとハードディスクが壊れてしまうこともありますし、個人情報が筒抜けになってしまうこともあります。本当に、ごくごくまれなのですけど。
なので、そういった可能性があるページでは、念のための保険としてこれらのプログラムを実行しないように設定しておく必要があるのですね。
で、IEでこの作業をやろうとすると、いちいち「インターネットオプション」から設定しないといけないのですが、Donutはブラウザのほうで簡単に設定できます。やりかたは簡単、それぞれのチェックを外してあげればいいだけ。
二段目のバーのボタンでも制御できますので試してみてください。「お気に入り」の真下あたりにあるボタンです。
なお、この設定は、そのウィンドウのみ有効になります。新しく開いたページでは、またすべてのプログラムを実行する設定になるので御注意。

同じように、「ツール」→「マルチメディア」で、画像表示や音声・動画再生の設定をすることもできます。「画像うざい、とにかく軽いのがいい」という方や、「動画や音声なんか再生した日にゃぁ、うちのパソコンのスペックでは・・・」という方は、こちらも御活用ください。

なお、アンインストールは、解凍したフォルダを削除するだけでOKです。

サバのひとこと
さて、ここまでさんざん褒めちぎってきたので、最後にほんの少しだけ文句を(笑)。
まず、履歴が出ないこと。「ファイル」→「最近閉じたファイル」で出ますが、記憶されているのは九個のみ。IEに比べると圧倒的に少ないです。
そして、お気に入りの移動が簡単にできないこと。IEだとドラッグ&ドロップで間単に設定できますが、Donutはいちいち「お気に入りの整理」でいじらないといけません。
最後、Cookieの使用/非使用が設定できないこと。簡単にいうと、Cookieとは「どこそこから誰がアクセスしています」という情報をサーバのほうに認識させるもので、掲示板やら何やらに書き込むときに設定を保存してくれたりしてありがたいのですが、これもごくまれに悪用され、個人情報がバレることがないとも限りません。めったにないのですが。Cookieを使わないようにするためには、IEと同じように「インターネットオプション」から設定しないといけません。
他にも、これはフリーウェアツールすべてにいえることですが、ツールは常に発展途上で、いつどのような不具合が起こるかわかりません。付属のReadMeファイルや、製作者さんのページをよく読んでおきましょう。
また、フリーウェアは基本的に自己責任、落として使ったほうにすべて責任がかかってきます。致命的な不具合は、ほんとうにごくごくまれにしかありませんが(サバ@管理人も経験したことはありません)、何かあったからといって文句をいうのはやめましょう。タダで使わせてもらってるんですからね(笑)。閑話休題。

とまあ、Donutはたいそう使い勝手のいいブラウザです。ツールバーの下にあるアイコンボタンでの操作もやたら多く(それぞれがどんなボタンなのかは、マウスカーソルを合わせてしばし待てば表示されます)、ツールバーの表示もカスタマイズできます。いろいろ試してみるのはいかがでしょうか。そのうちDonut以外のブラウザが使えなくなりますよ(笑)。
また、他にもIEコンポーネントのブラウザはいくつかあります。
たとえば、
MDIBrowser:使い勝手の良い多機能タブブラウザ。→ コチラ
Moon Browser:カスタマイズ機能が豊富。Cookieが制御できる。→ コチラ
BugBrowser:タブ型の他にツリー型で表示、Iriaなどのダウンロード支援ツールにも直接アドレスを送れる。スクリプトでカスタマイズできる。→コチラ
といったもののほか、Donutが改造自由のオープンソース(プログラミングした元のファイルを公開している)であることを生かし、
Donut R:本家にはない機能を加えたもの。→コチラ
というのもあります。
作者さんのページにリンクを張っておきましたので、自分に合っていそうなものを探してみるのも面白いかもしれませんね。