プライドって?





 プライドが高いとか、お前はプライドが無いんか、とよく言う。両方とも褒め言葉ではないことはおわかりだろう。じゃあプライドって何だろう?

 誇り、自尊心、満足感と言った意味から、うぬぼれ、思い上がり、わがまま、優越感、横柄と言った悪い意味までたくさんの日本語訳が存在する。その違いって何なのだろうか。

 それらの意味の違いはほんの微々たるものなのだ。だからその使い方とかには細心の注意が必要なのだ。見せるべきところで見せ、見せなくてもよいところでは極力抑える。このあたりの使い方であろうか。

 Pride goes before a fall. 「おごれる者、久しからず」。これは日本では平家物語の中の一節だ。もちろん、平氏のことを指して言っている。平氏の棟梁は平清盛。彼は初めて武家出身の太政大臣になった人で、権力を手に入れると高官を平氏一族で固めた。よって平氏一門は全盛期を迎えた。しかし実際に凄いのは清盛1人であってその枝葉に連なる者はそうではなかった。それなのに勘違いをしてしまい、「平氏でなければ人にあらず」なんて言ってしまう。これは思い上がりやうぬぼれに入る。

 ところで僕はプライドが高いと言われることがある。なんでだろうか。悪い意味の方から考えてみると、自分の頑固な意見を持っていてそれを外に出してしまう、からだろうか?今はそうではないが、昔は人の意見を取り入れるなんてことはあまりなかった。僕がある話題に関して語れば、もし納得いかない人がいてもそれを打ち砕いてきたからだ。それまでは打ち砕いて来れた、っていうだけなのだ。

 しかしこの1件をとってみても2つの見方ができる。思い上がった考えである、というのとちゃんとした自分の考えを持っているというものの2つである。前者は当然僕のことを良く思ってない人が言い、後者は少しなりとも僕に好意を持ってくれている人の見方だ。

 またテニスに関してだが、僕は高校時代や大学の低学年の時にはクラブ員の誰よりも激しく練習した、っていう自負がある。だから僕よりも練習しないやつらには絶対負けない、というのや、後輩には絶対負けない、というのを自分の中の目標として頑張ってきた。実際、後輩にはあまり負けたことがない。僕に勝った後輩の1人はプロになっちゃった(笑)。彼は結局怪我をしてしまって花は咲かなかったが。これはうぬぼれとは言わないだろう。

 「心の鍵を壊されても失くせないもの」「思い上がりと笑われても譲れないもの」 これはチャゲ&飛鳥の代表作「PRIDE」の一節である。プライドは無かったら無かったらで言われるし、有りすぎたらこれもまた陰口の対象となってしまう。難しい。

 マッチポイントのところでも述べたがここは絶対に引き下がれない、というものが無かったらダメだ。当然それだけではもっとダメ。引き下がらなかったがゆえに自分のプライドを傷つけてしまうことだってある。プライドなんてものはなかなかに厄介なもので、一旦外に出したら引き下がれないことが多い。それは経験がおありだろう。外に出すのは本当に大事な所だけにして、普段は大切に心の奥底にしまっておく。そんなもんだ、と思う。


2000.06.11



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