歴史って?




 歴史はお好きですか?僕は経験上、好き、と言う人をあまり知らない。だから、歴史が好き、っていう奴とは何故か親しくなれる。それだけ歴史に親しみのある人が少ないってことだろう(笑)

 一般的に、歴史を適当に知ってるというひとは歴史が好き、ってわけではない。歴史が好きな人には歴史に詳しい、あるいはやたら詳しい、マニアックな奴が多い。一般的に歴史の詳しいやつ、特にマニアックな奴は多浪生に多い(笑)。歴史のマニアックな話ができる、っていうのは僕にとっては非常に楽しいことだ。

 歴史、とは何であろうか?日本語大辞典(講談社版)によると、「人類が生み出してきた社会・国家・文明などの変遷・興亡の経過。また、それを一定の体系をもって書き表わした叙述・記録」とある。僕らが今まで学校で教えられてきた「歴史」とはこういう意味で、「歴史学」の様に深く内容を追及するようなものではない。ただただ、起こった出来事を順に追っていくだけのものである。

 辞書的にはそうであろう。僕の友達は、「歴史は失敗の記録である」と言った。確かにその通りである。そういう見方は十分にできる。大国間の戦争や、科学技術の進歩を見てもそうだ。

 ここに面白い言葉がある。「歴史は繰り返す。1度目は悲劇として、そして2度目は喜劇として。」誰が言ったかは忘れてしまったが、すごく印象に残っている言葉の1つである。またこれは別のところで話そうと思う。

 僕の親父は歴史が好きだ。その影響をモロに受けたようだ。実は親父の親父、つまり父方の祖父も歴史が大好きであったらしい。祖父とはそういう話をするまでに別れてしまったのが大変残念である。親父は世界史ではなくて、日本史専門である。僕も小学校の時から日本史の面白さにハマってしまった口だ。

 学校での歴史の授業というものは、往々にして知識のみの学問となりやすい。つまりは文字の羅列である。「聖徳太子」とか「藤原道長」、「織田信長」、「徳川家康」と言った歴史上の人物と、彼等が成した事柄をひたすら頭につめこむ、という感じだ。つまり学校で習う歴史に流れなんて存在しない。小学生の時、親父と知識の点では張り合うことができかけたが、背景とか宗教、といった学校の授業や教科書には出てこない事柄については完敗も良いとこで、勝負にもならなかった。

 高校に入って、世界史をやった。僕は公立高校で、社会は全部やらなあかんかった。1年で地理と政経、2年で世界史と地理の続き、3年で日本史と倫理をやった。世界史には前々から興味はあったんだが、僕にとってラッキーだったのは、世界史の先生がすごく良かったってこと。すっごく説明が分かりやすくって、あまり教科書を使わずに地図帳を良く使って、毎回毎回手作りのプリントを配って・・・、っていう熱心な先生だった。僕が世界史好きになったのはこの先生の力によるものが大きい。

 学生のとき、ってその教科を担当する先生によって、その教科を好きになったり嫌いになったり、ということがすごくあるものだ。僕にとっては、物理や政経・倫理、国語の先生はすごく嫌だったからそれはそのまま成績に表れてしまっている(笑)。母親が世界史嫌いになったのは、高校の先生が生理的に受け付けなかったからだ、と今でも言っている。母親は僕と親父が歴史の話をよくするので、そのせいでかなり詳しくなった。学生の時にそうなっていれば、また違った現在を迎えていたかもしれない。

 歴史は楽しい。記憶力も大事だが、それ以上に興味を持つことが大事だ。それは歴史に限ったことではないが、歴史が嫌いという人が多いということは僕にとっては非常に残念なことだ。某大手予備学校の世界史の非常勤講師になりかけた僕なら、歴史嫌いの人をちょっとでも振り向かせることができるかもしれない(笑)。


2000.05.27



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