経営コンサルタントの本棚

若輩者の経営コンサルタントが故に、書籍を読み漁って経営を勉強していくうち、自宅のリアル本棚はもちろん、押入れも本で溢れかえってきました。
ビジネス書、自己啓発に関する本が多めですが、時には経営には関係のない本も交え、いろいろな本を紹介していきたいと思いますが、基本的に自分用の備忘録です。
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また、評価は4段階になっています。◎:超おすすめ!、○:おすすめ、△:読んで損はない、×:おすすめできない

現在の蔵書数:421

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

安宅和人著    英治出版◎

知的なシゴトの生産性を高める術を説いた本。
著者は、マッキンゼーでのコンサルタントの経験、エール大学での科学者の経験、ヤフーでの経営現場での経験と、様々な知的な仕事に関わってきた。
この経験が非常に活きていると思う。
非常に内容が濃く、実践に活かしやすい内容であり、イメージ的には、元BCGの方が書いた「仮説思考」と、元マッキンゼーの方が書いた「問題解決の全体観」を足して、2をかけたようなすばらしい内容。
もっと早くこの本に出会っていればと思った。
特に、「絵コンテ」の概念がよかった。
また、「カナヅチを持っていると、全てのものがクギに見える」 「根性に逃げるな」のくだりは自分自身への戒めとも感じた。

以下、自分メモ
1.イシュー(解くべき問題)を設定し、言葉で表す(できれば比較表現を入れる)
 よいイシューは自分やチームを奮い立たせるものであり、検証されたあかつきには受け手をうならせるもの
(1)本質的な選択肢であり、答えによってその先の検討の方向性が大きく左右される
(2)検証すれば価値のある、深い仮説がある
 @常識を否定するもの
 A新しい構造で説明するもの
 ・共通性の発見
 ・関係性の発見
 ・グルーピングの発見
 ・ルールの発見
(3)答えが出せる

 コツ@ 一次情報に触れる
 コツA 基本情報をスキャンする

 アプローチ@ 変数を削る
 アプローチA 視覚化する
 アプローチB 最終形からたどる
 アプローチC 「So What」を繰り返す
 アプローチD 極端な事例を考える

2.イシューを分解し、ストーリーラインをつくる
(1)「型」で分解する
(2)「最後に何がほしいのか(何がわかれば意思決定できるのか)」考え、逆算して分解する
(3)仮説が全て正しいと仮定してストーリーラインをつくり、サブイシューに答えが出るたびに書き換えていく
(4)ストーリーラインの2つの型「WHYの並び立て」「空・雨・傘」

3.「絵コンテ」をつくる
(1)ストーリーラインに沿って、必要な分析のイメージを並べる
(2)「どんな分析結果が欲しいのか」を起点に、大胆に描く
(3)定量分析の3つの型
 @比較
 A構成
 B変化
(4)基本的に分析は「原因側」と「結果側」の掛け算で表される
(5)分析の意味合いの3つのパターン
 @差がある
 A変化がある
 Bパターンがある
(6)データどりの方法を明示する

4.アウトプット(実際の分析)
(1)回転数とスピードを重視

5.伝える
(1)「本質的」「シンプル」に
(2)3つの確認プロセス
 @論理構造を確認する
 A流れを磨く
 Bエレベーターテストに備える
(3)チャートを磨きこむ
 @1チャート・1メッセージ
 Aメッセージ、タイトル、サポートの3要素

※著者の事業戦略の定義
 市場を含む事業環境の構造的な理解に基づき、
 自社の強みを生かした継続性のある勝ちパターンを明確にし
 一貫したビジネスの取り組みとしてまとめたもの

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主に中小企業をクライアントに経営戦略構築、経営再建、営業力強化、人事制度構築、幹部育成、ビジネスマナー、IT戦略立案&推進など幅広く企業のお手伝いをする経営コンサルタント。

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